6月19日(水)に千葉・幕張メッセで開催されるボクシング世界戦(井岡一翔戦・京口紘人戦・吉田実代戦)の模様が動画配信サービス「Paravi(パラビ)」でLIVE配信される。それに先立ち、パラビでは世界戦をより楽しく観るためのコンテンツ「内藤大助の世界戦観るならココに注目」が配信中だ。
3階級王者・井岡選手が、2年2か月ぶりの国内復帰戦で4階級制覇に挑む試合について、内藤は「今回のタイトルマッチは非常に厳しい戦いになるかなと」と語っている。
井岡の相手となるスーパーフライ級屈指の破壊力を誇るWBO同級1位アストン・パリクテ選手は、リーチが175.5㎝で井岡選手とは6cm以上の差があり、屈指のパワーでKO率75%を誇るハードパンチャー。この強敵にボクシング人生を懸けて挑む井岡選手を内藤はどう分析するのか。
「まさに精密機械のように正確で非常に戦いたくない相手」
内藤は今回の対戦について「一番の見どころは日本人史上初の4階級制覇達成なるか、というところだと思います」とコメントし、「2階級制覇するだけでもものすごいことなんですけど、3階級今制覇していてそれをさらにもう一つ階級を上げて4階級目。これは非常にすごいことなんですよ」と井岡選手が4階級制覇に挑戦することのすごさを語る。
そして、「元々井岡選手はミニマム級、ミニフライ級とも言いますけど、そこから階級をちょっとずつ上げてきて、この努力っていうのは計り知れないですよ。元ボクサーの僕でさえちょっと想像がつかない。それくらい大変なことでこれ達成したら本当にすごいこと」と期待を持ちながらも「ただ、そう簡単にはいかないと思います」と冷静に予想した。
また、井岡選手については「例えばですけど、僕が対戦するなら非常にやりたくないタイプかな。僕の勝手なイメージなんですけど、人間と戦っている感じがしないというか、ロボットと戦っているんじゃないかって(思う)。感情を見せない、攻撃もまさに精密機械のように正確で非常に戦いたくない相手ですね」と分析。
そして、「相手は攻撃的でガンガン来る選手なんですよ。その相手にどう戦うか・・・僕も楽しみ。でも不安もあります。やっぱり勝ってほしいじゃないですか、でもそう簡単には勝てない。どっちが勝つかわからない、僕はそういう試合になると思います」とこの試合の展開に期待を見せる。
さらに内藤はパラビでも配信されている井岡選手の過去の試合映像から、特にここに注目してほしいというポイントBEST3をピックアップし井岡選手の試合中の心理やテクニック、試合運びを解説する。
"ここに注目!!"第3位
井岡一翔×キービン・ララ
WBA世界フライ級タイトルマッチ(2016年)
3階級王者となった井岡選手のフライ級3度目の防衛戦となるこの試合では、11ラウンド目に注目。
ラウンド始まりの時点ですでに相手には疲れが見えており、「この時点でキービン・ララ選手はちょっとふらついている感じがするんですよね。かなり(ダメージが)効いてるんですけど、それでも(井岡選手は)無理はしてないですよね」とポイントを語り、50秒過ぎたあたりでついにキービン・ララ選手の体が崩れ落ちると、「最後きっちり仕留めましたね。例えば僕だったら一気にラッシュをかけに行きますけどね、行かないんですよ。倒れるっていうの分かっていても大きいパンチをバーンっていかないところが井岡選手の強さだと僕は思うんです」と井岡選手の冷静な戦い方を分析。
そして、「1ラウンドからずっと一緒の戦い方。これはすごい戦いたくない相手ですよね。弱らせて弱らせて弱らせて最後きっちり仕留めた試合でしたね」と井岡選手の試合運びの凄さを語った。
"ここに注目!!"第2位
井岡一翔×スタンプ・キャットニワット
WBA世界フライ級王座統一戦(2016年)
井岡選手が世界フライ級暫定王者だったスタンプ・キャットニワット選手と戦った試合では、7ラウンド目に注目。
この試合では2ラウンド目にスタンプ選手からダウンをもらっていた井岡選手だが、内藤は「危なかったねぇ。このダウンは見事でしたよ、相手は。でも冷静な井岡選手がいるんですよね。ここも素晴らしいですよね、慌てますから、普通。ここで決して打ち合わない。本当であればね、焦ってしまって打ち合ったりしちゃうんですけど冷静です」とその冷静さを称賛。
そして7ラウンド目でも井岡選手はその冷静さを忘れず、「ここに来ても上下打ち分けるところがやっぱり(すごい)。ダウンを取られてもポイントで奪い返せばいいというのが頭にちゃんとありますよね。逆転KOを狙ってやるぜとか全くないと思います。ここに来てもやっぱり無理をしないというね、冷静です。よく見てますよ」と内藤は感心しきりだ。
2分過ぎたあたりでは井岡選手の左ボディへのアッパーでスタンプ選手がダウンし、「中々できない。素晴らしいダウンです」と語り、2分30秒あたりでの攻撃も確実に決めている姿に「ここでね、僕だったらラッシュしちゃうんだけど、それでもまだボディですね。冷静だ、怖いね。精密機械だねまるで。井岡選手の場合、ダメージをコツコツと積み重ねてそれで崩れ落ちるというのが多いですよね」と井岡選手の強さを改めて分析した。
"ここに注目!!"第1位
オーレドン・シッサマーチャイ×井岡一翔
WBC世界ミニマム級タイトルマッチ(2011年)
井岡選手の初の世界戦となったこの試合では5ラウンド目に注目。
内藤は「これが(世界戦)初挑戦なんですよね。とてもそうとは思えないような試合だったんですよ」と評し、1分すぎたあたりでボディへの攻撃が効いてオーレドン選手が崩れ落ちる姿を見て「お見事の一言ですよ。相手が攻めてきているのをちゃんと見ている。普通守りに徹したり焦ったりしてしまうんですけど、よーく見てますよね。これはもうお見事の一言です」と初めての世界戦ながら冷静な試合運びをした井岡選手の凄さを語った。
そんな井岡選手の注目の試合の模様は21:00頃からLIVE配信される予定。内藤をも楽しみにさせる元3階級王者・井岡選手とWBOスーパーフライ級1位のアストン・パリクテ選手の白熱のバトルは見逃せない。
◆LIVE配信概要
2019年6月19日(水)
18:40頃~
・WBO女子世界スーパーフライ級王座決定戦 吉田実代vsケーシー・モートン
実況:赤荻 歩 解説:内山高志
19:40頃~
・WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ 京口紘人vsタナワット・ナコーン
実況:杉山真也 解説:内藤大助 ・ 内山高志
21:00頃~
・WBO世界スーパーフライ級王座決定戦 井岡一翔vsアストン・パリクテ
実況:土井敏之 解説:佐藤 修
※試合開始時間によって配信時間も変更となる可能性あり。
※全試合、後日アーカイブ配信予定。
(C)Paravi