初の武道館ライブ。アンコールで水野勝が涙を流したのは、あの想い出の一曲があったから

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初の武道館ライブ。アンコールで水野勝が涙を流したのは、あの想い出の一曲があったから
初の武道館ライブ。アンコールで水野勝が涙を流したのは、あの想い出の一曲があったから

Plus Paraviが注目する人物にフィーチャーする新企画「オシダン!plus」。第2回は、BOYS AND MENのリーダー・水野勝が登場!

東海地方出身・在住の男性メンバーで構成されたご当地エンターテイメントグループ・ボイメン。2017年1月、初の日本武道館単独ライブを敢行。さらに今年1月には地元・ナゴヤドームでの単独ライブを成功させるなど、今やその人気は名古屋から全国へ拡大。

しかしその歩みには、語り尽くせぬ苦労もあった──夢を信じ、走り続けたボイメンの軌跡を、リーダー・水野から聞かせてもらった。

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大須商店街が、僕の青春の想い出の地です

──動画配信サービス「Paravi(パラビ)」では今、BS-TBSで放送されていた『Find the WASABI in NAGOYA』を配信中です。タイ、フィリピン、シンガポールからやってきた3人のアンバサダーとボイメンのみなさんの交流が笑えてほっこりできる番組でしたが、振り返ってみて想い出に残っていることと言えば?

僕、海外に興味があって、ずっと外国人の友達がほしかったんです。だからカメラが回っていないときも3人には積極的にコミュニケーションをとるようにして、自分から友達になりにいきました!

撮影中もスタッフさんが英語でディレクションをしていたり、いつもとは違う環境で。僕としても、海外の友達と地元で遊んでいるような感覚でしたね。

──第1回ではいろんな名古屋めしが登場していましたが、水野さんが好きな名古屋めしと言えば?

僕はウナギが好きです。お店ごとに秘伝のタレがあって、全然味が違うんですよ。しかもどのお店もおいしくて、逆にここってオススメするのが難しいぐらい。ライブ前とか体力がいるので、ウナギを食べて力をつけています。

──では、愛知・名古屋で生まれ育った水野さんにとって、青春の想い出の地と言えば?

プライベートで言うと、大須商店街ですね。東京の原宿と下北沢と巣鴨をミックスさせたような街で、タピオカ屋さんもあれば古着屋さんもあって、おじいちゃんおばあちゃんで賑わう洋服屋さんもある。フィギュアとかも売っているのでサブカル好きな人も楽しめるし、食べ歩きも買い物もできるから遊びに行くのにもデートにも使えるんです。

──水野さんも学生時代に通っていたり?

そうですね。デートで行ったこともあるし(照)。いい想い出がいっぱい詰まっています。

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いつか見返してやろうっていう反骨精神で、ここまで来た

──では、ボイメンとしての想い出の場所はどこですか?

栄と大須の間に"100m道路"っていうところがあるんですよ。その名の通り、道幅が100mある道路なんですけど。

──でっかい!

そうなんです。広すぎて青信号になっても走って渡らないと途中で赤になるっていう(笑)。中央分離帯が広場になっていて、そこで毎年8月に開かれる「にっぽんど真ん中祭り」という踊りのお祭りに出場するチームがよさこいの練習をしていたり、若者がBMXの練習をしていたり。僕たちもよく練習していました。

──え。そんなところで一般の人たちと混じって練習を?

初期の頃は稽古場がなくて、そこで練習するしかなかったんです。そういうこともあって、今でもよく通るんですけど、そのたびに初心に帰れる大事な場所です。

──当時、広場で練習をしながら、どんなことを考えていたか覚えていますか?

夏は暑いし冬は寒いっていうのが、とにかく記憶に残っていて(笑)。あとはやっぱり正直笑われることも多かったので、めちゃくちゃ悔しかったです。でもいつか見返してやろうっていう反骨精神はありましたね。

──ここまで来るのにたくさんの苦労があったと思いますが、活動初期で大変だったことは何ですか?

僕たちって4年目まで給料が0円だったんです。で、4年目の初任給は忘れもしない1万6000円。携帯料金を払って終わりっていう(笑)。

だから、最初の3年間はアルバイトもしていました。でもグループの活動もあるからそんなにがっつりバイトはできなくて。みんな親のスネをかじったり、貯金を切り崩したりして、何とか生活していました。

──思った以上にガチで苦労してらしてビックリしています。

そんな生活だから交通費もなくて。僕はいつも原付で通っていたんですけど、ガソリンを満タンにするのに500円かかるんですよ。毎月1回、昼飯の500円を取るか、ガソリン代の500円を取るか選択を迫られる日が来るんですけど。当然ガソリンを入れなきゃどうしようもないから、昼飯を諦めざるを得ないわけで。そんなふうに答えのわかっている選択に月イチで苦しめられるのとかツラかったですね(笑)。

──今は気にせずお腹いっぱい食べられるようになって良かったです...!

ローソンにLチキってあるじゃないですか。あれがたまにセールでパンとセットで100円っていうときがあって。そのときはみんなLチキを買っていました。おかげで稽古場近くのローソンからLチキが消えるっていう(笑)。

今は後輩もできたし、多少彼らにご馳走ができるぐらいにはなりましたけど。若いときにそうやってお金をもらえるありがたみを身にしみて実感できたのは、いい経験だったなと。

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武道館までは泣かないって心に決めていた

──そんな苦労を経て今があるわけですが。ボイメンをやっていて一番うれしかったことと言えば?

2016年1月に発売した『BOYMEN NINJA』で初のオリコン1位になったときがいちばんうれしかったです。なかなかグループとして認められる経験がなかったから、1位というものに特別な想いがあって。ライブの最中に発表したんですけど、その特別な瞬間をファンのみんなと一緒に喜べたことがうれしかったです。

──そういうとき、泣いちゃうタイプですか?

みんな泣いていましたし、僕も泣きそうになったんですけど、ぐっと我慢しました(笑)。と言うのも、その次の年に武道館ライブをすることがもうすでに決まっていたので。武道館までは泣かないっていう、僕の中のプライドがあって。

──じゃあ武道館のときは?

号泣でした(笑)。ライブ中、僕はトークの回しをやるんので、時間が押したり、いろんなことが気になって全然泣けなくて。「全然泣けんわ~」って思っていたら、ダブルアンコールで涙が止まらなくなって。

──それは何にグッと来たのでしょう?

ダブルアンコールで『We never give up-もう一度-』という曲が流れたんですよ。この曲は結成当初から歌い続けている大切な想い出の一曲。それを武道館で歌っているという現実が、そのときようやく胸に来て、もう曲が流れた瞬間、号泣でした。

名古屋のグループが、東京のど真ん中にあるアーティストの聖地でライブがやれた。そのことが誇らしかったし、僕らもプライドを持って続けてきたので、そういういろんなものが溢れて涙になりました。

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根拠のない自信が、諦めない強さをくれた

──その流れで言うと、今年1月に開催したナゴヤドームでのライブもまたひとつ夢を叶えた瞬間だったのでは?

そうですね。結成当初、名古屋のイベントに出させてもらって、その中で夢を発表するっていうコーナーがあったんですよ。で、事前の打ち合わせで「何にしますか」って聞かれて、僕らは『ナゴヤドームでライブをすること』って答えたんですけど、その時の僕らはまだライブをやってもお客さんが1~2人という状態。壮大すぎて盛り上がらないっていう話になって、「もっと日常的な小さい夢あります?」って聞かれたんです。

そのときは僕らも「分かりました」って流したんですけど、正直言うと、やっぱり悔しかったです。そういうのもあって、ナゴヤドームのライブを実現できたことはすごくうれしかったけど、いざやり終えてみると気持ちもまたちょっと違って。今はもう一度あのナゴヤドームでやりたいっていうのが目標。そのためにまた一歩一歩進んでいかなくちゃという気持ちです。

──ボイメンと言えば「夢は諦めなければ必ず叶う」がスローガン。お話を聞いていて、そうやってひとつひとつ夢を叶えてきたんだなと思いました。

その言葉って捉え方によっては綺麗事に聞こえるし、大抵は夢なんて叶わないものなんですよね。それは僕らも思っているんですけど。でもやっぱり諦めなかったやつが叶えられるって信じている。みんなその前に諦めちゃうんですよね。

僕らなんて稽古場もなかったし、お金も全然なかったけど、結局諦めずに残ったのが今のメンバー。諦めないことの大切さを自分たちの姿を通じて伝えていきたいです。

──そこで聞きたいです。なぜボイメンは夢を諦めず信じることができたのでしょう。

ひとつはみんなアホなんです(笑)。あとは根拠のない自信。勝算もないし、何もわからないけど、絶対続けていればカタチになるはずだって信じていた。そんな根拠のない自信が、あの頃も、そして今も僕らを支えてくれているんです。

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後編では、役者業に対する思いなど、水野勝のパーソナルな部分をさらに深掘りしていきます!

撮影=高橋将志

◆番組概要
『Find the WASABI in NAGOYA』
毎週土曜に動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で順次独占配信中