Plus Paraviが注目する人物にフィーチャーする新企画「オシダン!plus」。第2回では、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で配信中の番組『Find the WASABI in NAGOYA』に出演するBOYS AND MENのリーダーである水野勝の素顔に迫っている。
前編では苦境を乗り越え夢に挑み続けるBOYS AND MENの歩みを話してくれた水野。後編は、俳優としても活躍する水野の素顔に迫る。役者業に対するたぎる想い。その熱さほとばしる言葉に、水野が描くこれからの未来が見えた。
お芝居は正解がない。だからこそ、伝えられる役者になりたい
──そもそも水野さんは芸能界に対する憧れというのがあったのでしょうか?
全くなかったです。それこそ栄にも行ったことのないような(笑)、小中高、ずっとある程度の枠の中でおさまり続けた人間だったので。
──芸能界に入るきっかけになったのは?
スカウトです。もともと5歳から18歳までずっとサッカーをやっていて。次に打ち込む何かが欲しいなと考えていたんです。自分が将来何をしていいかわからなくて、本当にしたいことをずっと探していたタイミングで声をかけてもらって。それで、自分の進むべき道はこれだって、何もわからないままこの世界に飛び込みました。
──グループとしての活動だけでなく、俳優としてドラマや映画などいろんな作品に出演されています。
そうですね。僕がこの世界に入るときにやりたいと思ったのは役者だったので。これからもどんどん演技はやっていきたいです。
──お芝居の楽しさや難しさを言葉にすると?
演技が上手い人ってたくさんいますけど、じゃあお芝居が上手いって何かっていうと正解がないじゃないですか。それが、この仕事の難しいところ。
僕の考える上手いは、人に伝えられること。小手先じゃなくて、ハートで感動を伝えられる人は上手いなと思います。だから僕も「伝える」ということに一番重きを置いてやっていきたいです。
日々をどう生きるか。それが、役者としての糧になる
──これまで出会ってきた中で、役者として特に影響を受けた人はいますか?
木下ほうかさんですね。ほうかさんは僕にとって東京でできた初めてのお友達で、いろいろと相談に乗ってもらったりもして。ほうかさんから学ぶことはすごく多いです。
──例えばどんなことですか?
ほうかさんの役って、ほうかさんだからできるというか、ほうかさんにしかできない役じゃないですか。ほうかさんを見ていると、「他の人でも良かったね」と言われてしまうのは、役者としてちょっと違うのかなと思うんです。
僕はまだ分かりやすい正解を当てにいくようなありきたりの芝居しかできない。そこをこの数年見直すようにしていて。もっと自分の演技そのものを変えられるように、特に今年に入ってからは意識して挑戦しています。
──ほうかさんから言われて、心に残っている言葉はありますか?
以前、役者として大切にしていることを聞いたら、「どう生きるかだよ」って答えてくれたんですよ。それがめちゃくちゃカッコいいなと思って。
結局、役者って自分の経験してきたことが味になる。だから、常識の範囲内でとどまっていると当たり前のことしかできない役者になってしまう。もちろん"犯罪を犯せ"とかそういうことじゃなくて。要は、自分の生きたいように生きろということ。それが「どう生きるか」だと僕は受け取っていて。
だから自分のやりたいことは何なのか日々考えていますし、こうしたいと思ったことはどんどんやってみるように心がけています。
ゴリゴリのベッドシーンもやってみたいです!
──水野さんが描く理想の生き様は?
有言実行というのが一番難しいけど一番カッコいいなって。こうしたいと口にするのは誰でもできる。でもそれを実際にやるのはすごく大変だし、いろんな方の協力がないとできない。でも、一番難しいからこそやりがいがあるのかなって。
今の僕で言うと、連ドラに出たいですし、もっと全国放送の番組に出たい。ヒット作にも恵まれたいです。それをただ言って終わりじゃなくて、ちゃんと人から認めてもらえるように努力することがいちばん大事なのかなと思います。
僕、今、悩みがあって。
──何でしょう?
パブリックイメージを壊したいと思っているんです。今までの役って、ありがたいことにオファーをいただいてやらせてもらっているんですけど、グループのリーダーというイメージが強くて、どうしても好青年の役が多かった。これからはそれを思い切りぶっ壊していきたくて。
──いいですね。思い切り悪役とか?
悪役もだし、ゴリゴリのベッドシーンとかやりたいです!
──おお。それは見てみたいです。
悩みなのが、今、BOYS AND MENはご当地アイドルグループというポジションが確立されつつあって。それはありがたいことではあるんですけど、次の10年に向けてさらにBOYS AND MENを引き上げていくためには、そのポジションからどれだけ逸脱できるかが勝負。もっとそれぞれバラバラなことをやっているからこそ、違う色が出てくるのかなと思っているんです。
僕の場合、パブリックイメージをぶっ壊す一番の手段は、演技。だから、マネジャーにも「もっとこういう役がやりたいです」ということはなるべく伝えるようにしています。
──じゃあ今まさに水野さんが"plus"したいものは?
役者としての表現力です。そのためにどう生きるかっていうこともそうですし、あとは観ることが最低限大事なんで、いろんな作品を観るようにしています。
「好き」って言うときは、たぶん顔がめちゃくちゃデレデレしています(笑)
──熱いお仕事のお話をたくさんうかがったので、ここからは少しカジュアルな話題を。オフの日って何していますか?
僕、オフの日って何をしていいかわからん!ってなるんですよ(笑)。休んでいいのか不安になったり・・・ゲームをやっていても、どこかで面白くないなってなる。映画やドラマも結局は勉強の目で見ちゃうから、はたしてそれがオフなのかといわれるとオフじゃないし・・・。
──切り替え下手なんですね。
そうそう。メンバーに草野球好きなやつがいて、そいつは朝から草野球に行ったりするんですけど、僕はそういうのが全然できない。完全にオフの時間をつくるのが今の課題です。
──真面目か(笑)。
本当そうなんですよ(笑)。唯一の趣味と言えば車なんですけど。それもどこか遠出するというよりは、ジムに行くための移動手段でしかなくて。格闘技をやっているのもアクションをやりたいからだし。何でも仕事に結びつけちゃう。それが悩みです。
――いっそ自分が絶対にやらなさそうなことをやってみるとか?
僕、自分が興味のないことには全く興味がないんです・・・。役のためなら何でもやるんですけどね。前にプロ野球選手のキャッチャーの役が来て、「1週間で120キロの球をピタ止めできるようにしてください」と言われたことがあるんですけど。
――えー。野球の経験ってあるんですか?
ないです、全く。でも趣味がないから、毎日ひたすら練習していたら、1週間で120キロの硬球をピタ止めできるようになりました!つまり役作りが趣味なんです(笑)。面白くない男ですよね・・・。
――いやいや(笑)。そんな水野さんですが、自分が彼氏になったらこんなメリットがありますよとアピールできることはありますか?
デメリットの方が多いかもしれない・・・(笑)。僕、プライベートではふたりでいても全然話さないし。
あ、でも、「ここに行きたい」とか「こういうことしてほしい」という願望さえ出してくれたら、たとえちょっと無理なことでも叶えてあげたいタイプです!「誕生日にヘリコプターで夜景を見たい」とか言われたら方法を調べますよ。その時に、お金に糸目はつけません!
――愛の言葉もストレートに言うタイプですか?
ちょっと照れちゃいますね。(照れ臭そうに目元を垂らして)たぶんこういう顔して言うと思います。「好きって言って~」って言われたら、「え~、好き~」ってデレデレと(笑)。
――いいと思います(笑)。じゃあ、名古屋弁で告白するなら?
名古屋弁は濁点が多いんで汚いんですよ・・・。なんだろう、「でら好きって言っとるが~」みたいな?
――男らしくてカッコいいです! 「でら」って本当に言うんですね。
言いますね。「でら」とか「だもんで」とか。結構ゴリゴリですけど。
――楽しいお話をいろいろありがとうございました。では、最後にParaviで配信しているコンテンツの中からオススメを教えてください。
『SICK'S 〜内閣情報調査室特務事項専従係事件簿〜』です。Paraviではすでに「恕乃抄」と「覇乃抄」の2本が配信されていて、僕は木村文乃さん演じる御厨 静琉の元カレ役で出させてもらっています。
僕がゴリゴリの名古屋弁を喋っていて、それこそ「でら」をでら言っているので(笑)、そんなゴリゴリの名古屋弁にも注目してもらえたら。
あとはBOYS AND MENのメンバーと出ている『ジャンクション29』もぜひ。これは『マジで航海してます。』(TBS)と『今夜、勝手に抱きしめてもいいですか?』(フジテレビ)の間に撮ったんですけど、撮影が2日間だけだったんですよ。すごくスケジュールがタイトで、こんなに台本に追われたのは初めてっていうぐらいもうパニック状態。まさに頭がジャンクションしている僕を見てください(笑)。
撮影=高橋将志
◆番組概要
『Find the WASABI in NAGOYA』
毎週土曜に順次独占配信中
(C)TBS