"社会課題に挑む"ソーシャルビジネスとは? ボーダレス・ジャパン鈴木副社長に聞く

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"社会課題に挑む"ソーシャルビジネスとは? ボーダレス・ジャパン鈴木副社長に聞く
"社会課題に挑む"ソーシャルビジネスとは? ボーダレス・ジャパン鈴木副社長に聞く

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本格的な革製のビジネスシューズが9,999円――。バングラデシュでシングルマザーや障害者を雇い、自立した生活基盤を提供するとともに、日本の消費者にも喜んでもらう狙いでボーダレス・ジャパンが販売する商品だ。同社は貧困や児童労働など世界各国の課題を次々と解決する「ソーシャルビジネス」の分野で注目されている。利益をあげながら社会問題に取り組む社会起業家を生み出していく同社の経営戦略を鈴木雅剛副社長に聞く。

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瀧口:今日はボーダレス・ジャパンのオフィスにお邪魔しています。鈴木副社長、今日はよろしくお願いします。

鈴木:よろしくお願いします。

瀧口:さて、早速目の前に商品がたくさん並んでいますね。ソーシャルビジネスを手掛けていらっしゃるということですが、ソーシャルビジネスというのはどういうものか教えていただけますか?

鈴木:社会には貧困や環境破壊、差別偏見などたくさんの社会問題が存在していますよね。それを解消しようと今までNPOさんや行政さんが一生懸命活動を行ってくださっていましたが、僕たちはそれをビジネスの力で社会課題を解決しようと取り組んでいます。これがソーシャルビジネスと考えています。

瀧口:その社会課題を解決するというのと、これらの商品がどう結び付くんでしょうか。

奥平:まるでおしゃれなセレクトショップという感じですよね。

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鈴木:まずこのかわいいベビー用のスタイ(よだれかけ)。これは今バングラデシュで児童労働をせざるを得なかった貧困家庭の親御さんに正社員になっていただいて、一緒に頑張ってこうして素敵な商品を作っていくことで、お客様にも喜んでいただく。かつ彼らも生活が安定してちゃんとした収入を得ながら、家庭がしっかりと営まれていく、ということをやっています。

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瀧口:肌触りが優しくてデザインも素敵ですね。バングラデシュの方が作っていらっしゃるということですが、デザインはどなたがされているんですか?。

鈴木:デザインは日本のデザイナーが作っています。

奥平:縫製も普段お店で目にするものと変わりないですよね。これは相当指導されているんでしょうか。

鈴木:そうですね。クオリティがお客様にとって一番大事だと言っています。

奥平:途上国の支援という枠組みで出てくるものって作りが粗かったりするじゃないですか。それも味だという意見もありますけど。言われないと分からない。

瀧口:こちらの革靴は。奥平さん興味津々ですが。

奥平:靴底を減らす商売なので(笑)。

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鈴木:これもバングラデシュなんですけど、ビジネスレザーファクトリーという事業がありまして、今日本で14店舗展開しています。

奥平:直営店を持っていらっしゃる。

鈴木:そうです。

瀧口:革靴で高そうですよね。

鈴木:これ、おいくらだと思いますか?

奥平:通販番組みたいですけど(笑)。

瀧口:これだけしっかりしていると4万円くらいですかね。

鈴木:それが実はなんと9,999円で販売させていただいています。

奥平:販売手数料も無料とか。そういう番組じゃないですね(笑)。

瀧口:それできちんと利益が出ているんですか?

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鈴木:もちろんです。ここにある革製品は600人ほどの仲間たちが頑張っているんですけど、教育が受けられなかったり、障害があってしっかりとした場所で安定収入を得られなかったりする人たちを雇用して、彼らがプロフェッショナルの技術を持ってしてしっかりとした製品をお届けするという仕組みになります。

奥平:こちらも自社工場で作っていらっしゃるんですか?

鈴木:そうです。