ヤングマガジン及びwebで連載された気鋭の漫画家・Gino0808による同名漫画を原作に据え、ジャニーズWEST・重岡大毅が主演を務める『雪女と蟹を食う』(テレビ東京系)の第5話が8月5日に放送された。
死ぬ前に蟹を食うと決めた北(重岡)と、強盗に押し入ったセレブ妻・彩女(入山法子)は、ついに目的地の北海道に到着。函館港に降りた2人は朝市をまわるが、北海道が初めてだという彩女は、ずっと北海道に憧れていて、行く当てもないのに色々と調べていたと話す。
一方、函館の風景に既視感を覚えた北。それもそのはず、北海道に蟹を食べに行くと決めるきっかけとなったテレビ番組に映っていた、まさにその場所に来ていたのだ。奇しくも彩女も同じ番組を観ていた。ただし、彩女の視線は蟹を食べるレポーターの背後――おそらく偶然映り込んだ、夫の雪枝一騎(勝村政信)と連れの女性の姿に注がれていたが。
蟹は最後の晩餐にとっておこうという彩女の提案に従い、北は「人生の最期」の場所として最北端・稚内に向かうことを提案する。
その夜、野宿で星空を見上げながら寝転ぶうち、彩女は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を読んだことがあるかと尋ねた。読んだことはあるが、ラストを覚えていないという北に、もしかしたら思い出したくないのかもと彩女は言う。彩女の言葉にはどんな意味が込められているのか。
翌日、2人は札幌に移動。彩女がシャワーを浴びる間に、北は以前から気になっていた彩女の鍵付きの日記帳をこっそりのぞき見る。鍵の暗証番号は、一騎の本のプロフィールにあった彼の誕生日だった。しかし、その様子を彩女に見られてしまい、北は謝罪しつつも、彩女のことが知りたいのだと率直に伝える。
ところが、この一言に彩女の表情が凍りつく。彩女は、北には死ぬ覚悟ができていないのだと指摘する。これから死ぬ人間のことを知って、何の意味がるのか、とも。
彩女との旅の中で美味しいモノを食べ、美しい景色を見て、生の喜びを取り戻しつつある北。さらに彩女の夫婦関係を知るにつれ、彩女への思いを強めていく。それは、生への執着に他ならないだろう。そんな北に対し、彩女は失望の色を見せ、同じ景色を見ていると思った北はもう別の景色を見ていると寂しげに言う。
彩女との気持ちがすれ違い、感情的になった北は、ホテルを出て彷徨う。しかし、自分が彩女任せで、ホテルの名前も住所も把握していないことに気づき、途方に暮れる。さらに警察に声をかけられ、痴漢の冤罪でつかまった過去がよぎり、必死に逃亡。
彩女と心の距離が生まれた寂しさに加え、旅先で迷子になる心細さと疲労で、北はコンビニ前でうずくまっていた。そこで声をかけ、カレーを食べさせてくれたのが、マリア(久保田紗友)だ。マリアはかつてお金がなく、お腹が空いて死にそうなときに、教会の神父に助けられた。お金を返そうとしたマリアは、その神父から、いつか困っている人がいたら同じことをしてあげろと言われたのだった。
さらにマリアは、北が迷子になったホテル名の書かれていないカードキーを見て、過去に宿泊した記憶から場所を特定し、送ってくれた。ようやくホテルに戻れた北だが、すでに彩女はチェックアウト済みで・・・・・・。
彩女はどこに向かったのか。北はどのようにして彩女を追いかけるのか。マリアは、一騎は、2人とどう絡んでくるのか。サスペンス色が強まる物語の続きが気になる。
(文:田幸和歌子)
【第6話(8月12日[金]放送)あらすじ】
ついに北海道までたどり着いた北(重岡大毅)と彩女(入山法子)だったが、札幌の地ではぐれてしまう。彩女は1人、教会で一騎(勝村政信)との過去を思い出す。その一方、彩女に会う手がかりを掴めない北は、札幌の街をさまよい自暴自棄になっていた。死ぬために蟹を食べようとするが、実行できず暑さと空腹により気を失ってしまう・・・。北が目を覚ますと、そこはマリア(久保田紗友)が働くすすきののニュークラブの控室で・・・。◆番組情報
ドラマ24『雪女と蟹を食う』
毎週金曜深夜0:12からテレビ東京系で放送
地上波放送終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信
(C)「雪女と蟹を食う」製作委員会