【ネタバレ】『DCU』横浜流星が目で演じた、瀬能の葛藤と復活

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【ネタバレ】『DCU』横浜流星が目で演じた、瀬能の葛藤と復活
【ネタバレ】『DCU』横浜流星が目で演じた、瀬能の葛藤と復活

衝撃の第3話から2週間。久々の放送となった日曜劇場『DCU』第4話は、ついに成合隆子(中村アン)殺害の真相が明らかとなった。

このドラマ、ツッコミながら観るくらいがちょうどいいです

隆子を殺したのは、法医学医の真鍋宗雄(角田晃広)だった。ギャンブルに狂った末、お金ほしさに2年前の水難事故で偽の司法解剖結果を作成。事件をもみ消した真鍋は、今度は黒幕に命令されるがままに、隆子の命を奪った。

え? 確かロペス(フェルナンデス直行)の乗った船は領海を越えたところまで行ってたと思うのですが、真鍋、どうやってそこまで追いついたん? ダイビングスーツ着てたけどまさか泳いで・・・? ロペスの遺体を見た上で同じ手口で同じ箇所を狙ったと供述していたけど、一発で仕留められるとか、医師よりも殺し屋の方が適職では??

というか、第2話の漁師殺害の件は地元刑事の坂東秀喜(梶原善)が絡んでいて、今回は解剖を依頼した医師が犯人とか、捜査関係者の犯人率高すぎひん??? DCUをどうこう言う前に、まずは組織の浄化から始めてほしい。

この『DCU』、わりと本格派ドラマの顔をしているのですが、意外とこんなふうにツッコミながら観るくらいの方がちょうどいいのかもしれません。そう考えると、DCUメンバー以外、誰もいない新名正義(阿部寛)と黒江真子(市川実日子)の結婚パーティーなど、予算がかかっているんだかかかっていないんだかよくわからないドラマのつくりも理解できる気がしてきました。新名は友達いなさそうだけど、真子、あなたに友達はいないの・・・?

瀬能は、知らないうちに新名のことを救っていた

そんな事件の本筋はさておいて、むしろ今回力点が置かれていたのは瀬能陽生(横浜流星)のトラウマ克服でした。父の死の真相を思い出したことから、水に潜れなくなってしまった瀬能。水のエキスパート集団であるDCUとしては致命的です。

かつて自分も潜れなかった時期があるという新名は、治療の際に言われた言葉を瀬能に伝える。「辛い記憶を治すにはその記憶を消すんじゃなく、新しい体験で上書きすることが最善の方法だ」と。

新名が潜れなくなったのは、成合淳(吉川晃司)の死が理由だろう。その傷を、少年だった瀬能に泳ぎを教えることで上書きした。つまり、今も新名がDCUの隊長として潜ることができるのは、瀬能がいたからなのだ。瀬能自身が気づかないところで、瀬能は新名を救っていた。だから今度は新名が瀬能を救う。まったく言葉足らずの2人だけど、両者をつなぐのは決して憎しみではない。深い愛なのだ。

そして、そんな新名のアドバイスを実践するように、瀬能は再び海に潜る。隆子の無念を晴らすために――。

防波堤の先端で海と対峙する瀬能。その目には、かつて自分の命を奪おうとしたあの日の荒れ狂う海の様子が甦る。激しい動悸。震える体。そのとき、瀬能の脳裏によぎったのは、元気だった頃の隆子の面影だった。

「DCUがひとつになって、今まで捕まえることができなかった凶悪犯人を捕まえる。そして手錠をかける。それが、私の夢でした」

隆子の最期の言葉を思い出したとき、瀬能の目にもう恐怖の色はなかった。迷いのない鋭い目に映っていたのは、確固たる決意。隆子の死をきっかけに瀬能が再生することこそが第4話最大のドラマであり、その肝を横浜流星が担っていた。

瀬能は良くも悪くも熱い男だ。感情の振り幅が極端で、よく吠え、よく怒り、よく泣く。人によってはちょっと暑苦しく感じてしまうキャラクターだけに、さじ加減はセンスが問われる。その微妙な塩梅を、横浜流星は試行錯誤しながらも掴みつつあるように見える。

新名に対してもすぐ噛みつくが、心の奥底では憎みきれていないのがよくわかる。やはり新名と瀬能の関係性がこのドラマのいちばんの見どころだと思うので、この愛憎コンビのバディ感をもっともっと濃く描いてくれたらいいなと思う。

回し蹴り、パルクールと来たら、次は何?

隆子の死にひとつの決着がついたことで、いわば第1章は完結。次回以降は、新たな局面を迎えることとなる。

まずポイントが西野斗真(高橋光臣)だ。今回も漁師たちのもとで潜入捜査をする新名を非難しに来たかと思ったら、まわりくどい言い回しでサポートするというツンデレっぷりを披露した。しかし、相変わらず次長の早川守 (春風亭昇太)と内通しているなど完全な味方ではないようだ。『TOKYO MER~走る緊急救命室~』でいえば、音羽先生(賀来賢人)のポジションが西野。板挟みに遭いながらも、最後はDCUの使命を貫き、新名の力になるのは既定路線だと思うので、そのあたりをすかっと爽快に見せてほしい。

そして今回最大の衝撃は、成合が生きていたということだ。隆子が死の直前、ロペスのスマホから見つけたのは、死んだと思っていた兄の写真だった。どうやって成合は生き延びたのか。なぜ生きているのに身を潜めているのか。ロペスとどういうつながりがあるのか。次々と疑問符が浮かんでくる。

真鍋に隆子殺害を命じた黒幕の正体を含め、このあたりが『DCU』最大の謎として展開されていくのだろう。男の渋み全開の阿部と吉川が対決するという、『下町ロケット』以来の2ショットにも期待がかかる。

そもそも15年前、瀬能の父・陽一(西尾浩行)が持っていたあの鍵は何なのか。海上保安庁の機密情報をリークしたのは誰なのか。まだ明らかになっていない点も多い。ここから成合を追っていくことで、これらの謎も解き明かされるはずだ。

とりあえず2話の回し蹴りがとってもよかったので、もっとほしいと思っていたら、今回は横浜流星の全力ダッシュがたっぷりと拝めた。走る姿勢の美しさはもちろん、次々と障害物を飛び越える横浜流星のアクションはパルクールさながら。

いや、一緒に追いかけていた大友裕也役の有輝土佐兄弟) は下をくぐってたやん・・・。なのに横浜流星だけジャンプさせるのは、明らかに制作スタッフの意図。公式からの供給、ありがたく頂戴しておきますので、次回も何卒よろしくお願いいたします!

(文:横川良明/イラスト:たけだあや)

【第5話(2月20日[日]放送)あらすじ】

新名(阿部寛)が隊長復帰を果たす中、瀬能(横浜流星)は15年前の事件を再び調べ始めていた。

そんな折、国土交通省副大臣の長男・木下裕司(三浦獠太)が海上で行方不明になり、DCUに捜索命令が出された。新名はこれまでの捜査方針を一蹴して新たな指示を出す。すると、間もなく裕司のものとみられるゴムボートが発見されるが、そこに彼の姿はなかった。そして聞き込みで立ち寄ったサーフショップで、瀬能は学生時代の先輩・中林(藤井流星)と再会する。このサーフショップのオーナーだという中林との再会を瀬能は喜ぶが、顧客名簿提出を求められた際に中林が何か細工をしたことを新名は見逃さなかった。

捜査が続く中、新名のもとに、裕司は海上で行方不明になったのではなく誘拐されたという情報が入る。副大臣秘書の日村(栁俊太郎)によれば、2億円の身代金を要求されており、また裕司は危険ドラッグに手を出していたという。誘拐も危険ドラッグもマスコミに知られるわけにはいかない。DCUは極秘捜査に乗り出すが、厚生労働省麻薬取締部と公安からの要請で、捜査中止命令が下されてしまう。

◆番組情報

日曜劇場『DCU』 毎週日曜日21:00からTBS系で放送中。 地上波放送後、動画配信サービス「Paravi」でも配信中。

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