【ネタバレ】『DCU』突然の悲劇は阿部寛&横浜流星に何をもたらすのか

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【ネタバレ】『DCU』突然の悲劇は阿部寛&横浜流星に何をもたらすのか
【ネタバレ】『DCU』突然の悲劇は阿部寛&横浜流星に何をもたらすのか

いや、確かに前回のレビューで、誰かが命の危機に見舞われるスリル感を楽しみたいみたいなことは書きました。でもそれはちょっとした遊び心というか、まあそういう展開もあったらいいよねというくらいでして、まさか本当に誰かが亡くなるとは思っていませんでしたよ、しかもまだ第3話で!

日曜劇場『DCU』第3話は、衝撃の結末にしばし呆然とさせられた回だった。

隆子の「甘え」とはなんだったのだろうか

国外逃亡を図ろうとしているロドリゴ・サンチェスもといジョアン・ロペス(フェルナンデス直行)を追い、新名正義(阿部寛)の命令を背いて、領海侵犯を犯した成合隆子(中村アン)。その末に待っていたのは、非業の死だった。

しっかし、まさか隆子がこんなに早く退場するとは思わなかった。ほら、誰か亡くなるにしても、森田七雄(岡崎体育)あたりだと思うじゃない・・・? なんか、チョロっぽいし・・・。それがまさかの隆子。ポスターで主役の横をどーんっと陣取っているのに、3話で死亡。この死の早さ、『FIVE』(日本テレビ系)の榎本加奈子以来です。

主要キャストの死は、ストーリーを盛り上げるカンフル剤。『海猿』(フジテレビ系)でいえば池澤(仲村トオル)も海賊に撃たれて命を散らしました。でもあれもわりと終盤の話でして。『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)だって涼香(佐藤栞里)が死んだのは最終回直前。突然の悲劇に涙し、怒りに震え、使命に燃える。理不尽な死というのは、そうやっていつも主人公たちを強くさせてきたのです。

が、3話はない。3話は早いっす。これが高校生のデートなら、3回目でようやくチューのひとつでもしようかなというレベル。そこでいきなり手を出そうものなら、横っ面ぶっ叩かれちゃう。3回目というのは、まだそういう時期なのです。

そんな定石を蹴散らすような鬼展開。これがハリウッドとの国際共同制作ってやつなのか。もうこの感じでいったら7話くらいで森田も大友(有輝[土佐兄弟]) も死んでるんじゃないだろうか。どこかの権力によって解散されるより前に、メンバーが全員殉職してそうなDCU。『金田一少年の事件簿』より生き残るのが難しそう。

それにしても、なぜ隆子はあそこまで躍起になっていたのだろうか。自分のミスによってロペスを取り逃がした。その責任感からというのもわからなくはない。だけど、ああも何度も命令違反を犯すのは、規律の厳しい海上保安庁の人間としては考えられない。

しかも、領海侵犯なんて国際問題に発展するような禁忌。いくらその前に瀬能陽生(横浜流星)の留守電に辞任のメッセージを残していたとしても、DCUへの誹りは避けられないだろう。それを独断で犯す。あれは正義感というより、むしろ暴走だった。

隆子は言っていた。「私は兄が殉職して以来、どこかで言い訳をし、甘えて生きてきました」と。彼女の言う「甘え」とはどこの部分なのだろうか。ロペスを取り逃がしたことかもしれないが、あれが「甘え」や「言い訳」から来るものとは思えない。正直、こうした背景の部分がまだ3話では伝わりきっていないのだ。

あの缶コーヒーも仲間たちの絆が見えるいい小道具だったけど、それまでの2回で隆子の缶コーヒー好きというキャラクターが視聴者に確立しているわけではないので、どうしてもただの死亡フラグにしか見えない。

愛着は、時間とともに膨らむ。連ドラの場合、特にそうだ。3ヶ月かけて、視聴者もじっくり物語と付き合っていくから、いつの間にか登場人物たちのことを自分の友人のように感じてくる。だから、もしその中の誰かが命を落とすことになったら、まるで旧友を失ったような悲しみに襲われ、身がもげるほど苦しくなるのだ。

でもな~、3話だと早いのよ~。正直、まだ隆子とそこまでの付き合いじゃねえってなる。転職して早々、新しい職場の同僚の結婚式に参列した気分。「あ、下の名前、隆子さんって言うんだ~」って、そんな感じですよ! DCUのみんなが泣いているのを見ながら、「関係性が薄くてすまん・・・」とちょっと申し訳ない気持ちになってしまいました。

ロペスと一緒に写真に写っていた男性は何者か

だが、まあこうした反応は予想の範囲内だろう。王道を無視した早すぎる死も、きっと何か狙いがあってのもの。この隆子の死が、DCUに何をもたらすのか。そこが今後の注目ポイントだ。

父の死の件で亀裂が入った新名と瀬能もこれで一旦休戦状態。隆子の死の真相を追うという点で2人の目的は一致している。次回あたりからまた一緒に行動する場面も見られそうだが、2人の愛憎がどんなドラマを生むかに期待したい。

とりあえず依然謎のまま包まれているのが、ロペスと一緒に写真に写っていたあの外国人男性は誰なのか。隆子は、ロペスのスマホから何を見つけたのか。そして、隆子を殺した犯人は誰かという3点。

短絡的に結びつけるなら、あの写真の男性がロペスが落ち合う予定の仲間で、あの男性がロペスと隆子を殺したのだろう。そして、なぜ犯人がロペスを殺さなければいけなかったのか。その理由が、きっと隆子がロペスのスマホで見たものにつながっているのだと思う。

1話完結のミステリーかと思いきや、思った以上に連続性のある物語になっていて、先読みできない面白さはある。また、序盤からテロリストが物語に絡んでくるなど、スケールの大きさは海保ならではといったところ。

前半戦の山場である隆子殺害の犯人逮捕をどう描くかで、本作の評価が定まってきそうだ。

(文:横川良明/イラスト:たけだあや)

【第4話(2月13日[日]放送)あらすじ】

隆子(中村アン)の殉職に言葉を失うDCUのメンバーたち。

新名(阿部寛)は隊長から外され自宅待機が命じられた。その間は副隊長の西野(高橋光臣)が隊長代理を務めることに。他のメンバーは事件捜査を公安に任せて通常業務に戻るよう指示される。この指示に納得できない瀬能(横浜流星)のもとに公安の清水(山崎育三郎)がやってきた。隆子のパソコン内にあったプライベートデータをわざわざ持ってきてくれたのだ。そのデータに違和感を覚えた瀬能は、DCU機動班第一部隊のメンバーとして新たに加わった瑠璃(趣里)に解析を依頼する。解析の結果、今回の事件は2年前に起きたある溺死事故に起因している可能性が浮上する。

瀬能は、隆子の司法解剖を行なった医師・真鍋宗雄と事故が起きた際の機材会社の月島秀樹の元を訪れる。しかし、既に自宅待機中の新名が訪れた後だった。独自に捜査をしていた新名は瀬能に手を組むことを提案。やがて共に捜査に乗り出す2人だったが、事件は想像以上に混迷を極めており・・・。

◆番組情報

日曜劇場『DCU』 毎週日曜日21:00からTBS系で放送中。 地上波放送後、動画配信サービス「Paravi」でも配信中。