【ネタバレ】『妻、小学生になる。』実力派キャストが描く不思議な家族再生の物語

PlusParavi
【ネタバレ】『妻、小学生になる。』実力派キャストが描く不思議な家族再生の物語
【ネタバレ】『妻、小学生になる。』実力派キャストが描く不思議な家族再生の物語

堤真一が主演を務めるドラマ『妻、小学生になる。』(TBS系)の第1話が1月21日に放送された。本作は「週刊漫画TIMES」(芳文社)で連載中の村田椰融による同名コミックを原作に据えたホームドラマ。妻・新島貴恵(石田ゆり子)を亡くして以来、生きる意味を失った主人公・圭介(堤)とその娘・麻衣(蒔田彩珠)のもとに、貴恵の生まれ変わりだと名乗る小学生・万理華(毎田暖乃)が現れるという物語だ。

冒頭で映し出されたのは、10年前の新島家の仲睦まじい様子。しかし、貴恵が交通事故で亡くなってから、父と娘の時間は止まったまま。圭介は、仕事では役職を外れ、無気力でうだつの上がらない様子で、麻衣は高校を卒業後、定職につくこともなく過ごしている。

亡くなった妻が別人の姿でやってくるという設定や、最初は拒絶した父娘が信じるようになる展開は、阿部潤による同名コミックの実写化で、小澤征悦が主演を、「おっさん」姿で現れる妻を塚地武雅が演じた『パパがも一度恋をした』(2020年/東海テレビなど)と同じ。

しかし、本作の場合、「生まれ変わった妻」が10歳になって、突然前世を思い出すこと、小学生としての現在の生活もあることから、物語は意外な方向に転がっていく。そして、こうした家族再生の物語にとって、成否を分けるのは、残された夫と娘、何より「別人として現れた妻」によるところが大きい。

その点、本作では喪失感によりしょぼくれた堤真一、拗らせまくった蒔田彩珠の安定感に加え、舌を巻くのが、小学生・万理華を演じる、実年齢も10歳の毎田暖乃だ。

NHK連続テレビ小説『おちょやん』(2020年度後期放送)で、主演・杉咲花の幼少時を演じたのは記憶に新しい。その時点で非常に達者な演技が絶賛されていたが、本作ではさらにパワーアップ。圭介が玄関を開けるなり、笑顔で「ただいま」と言い、当然のように家に入って行く貫禄は、登場時だけですでに只者じゃない。事態が飲み込めず、うろたえる圭介に「間違えてないわよ。ここは私の家。私は新島貴恵。あんたの妻。麻衣の母親」と歯切れ良く自己紹介してみせる。

その後も、万理華は、圭介や麻衣のもとに度々現れ、2人を困惑させる。役柄同様に、物語そのものをパワフルな万理華が牽引しているように見えるのだから、恐るべき10歳だ。圭介には「目的はなんなんだ!?」と訝しがられ、「あんたが死んだような顔してるから。地面ばかり見ても、美味しいものは落ちてないわよ、顔を上げなさいよ」と励ます。

また、万理華が「親にやらされている詐欺」だと友人に吹き込まれた麻衣は、台所で料理する万理華の姿を見て激怒。「出てって!」「ママのものに触らないで!」とエプロンを奪い取り、万理華を追い出す。

しかし、万理華は自分が貴恵であることを信じてもらうために奔走。 かつては夜食として目を覚まさせるため、今は眠ったままの圭介の目を覚ますためのWミーニングとして、思い出の味「ハバネロミートボール」を再現した弁当を渡す。さらに、20歳を迎えた麻衣には、自分が亡くなって以来ずっと祝うことができなかった11歳から20歳までの分のバースデーケーキを作って贈るのだった。

これにより、貴恵の生まれ変わりを信じた圭介と麻衣は、小学校から下校する万理華を迎えに行く。しかし、校門前で万理華にハグする圭介の様子に対し、不審者だと思った周囲の子どもたちは、一斉に防犯ブザーを作動。万理華は慌てて言い訳し、圭介の手を、さらにそれを見ていた麻衣の手をとり、三人手を繋いだ状態で笑顔で走り出す。

まるで最終回のような多幸感溢れるラストだが、ここは第一話のラストであるだけに、今後の不穏な展開が気になるところ。

ちなみに、メインキャストは『おちょやん 』の毎田に、『マッサン』の鴨居の大将(堤)、『おかえりモネ』のみーちゃん(蒔田)と気象予報士・野坂(森田望智)と、"朝ドラキャスト"だらけ。

さらに、脚本の大島里美、演出の坪井敏雄&山本剛義、劇伴のパスカルズは、『凪のお暇』(TBS系)チームで、タイトルやエンドロールの入れ方の遊び心にも『凪のお暇』の香りが漂う、ドラマ好きを刺激する要素が詰まった作品になっている。

(文・田幸和歌子/イラスト・まつもとりえこ)

【第2話(1月28日[金]放送)あらすじ】

貴恵(石田ゆり子)を亡くしてから止まっていた新島家の時間が、再び動き始めた。圭介(堤真一)は、小学4年生の万理華(毎田暖乃)が貴恵の生まれ変わりであると確信。人生に張り合いが生まれ、職場でもついニヤニヤしてしまう。そんな圭介を周囲は怪訝に思うが、異動してきたばかりの上司・守屋(森田望智)は、親切で誰にでも分け隔てなく接する圭介に好感をもつ。ただ、圭介のスマホの待ち受け画像が小学生の女の子だったことが気にかかる。

「18歳になったら結婚しよう」と万理華にプロポーズした圭介は、その日の会社帰りに彼女が同級生のタケル(川口和空)から告白されているところに遭遇し、動揺する。そして、圭介がプロポーズしている姿をある男に目撃されていて・・・。

そんな中、圭介の娘・麻衣(蒔田彩珠)は就職活動を始める。さらに、幼馴染の弥子(小椋梨央)に誘われて人生初の合コンに参加することに・・・。圭介と万理華は麻衣の就職祝いを買いに出かけるが、街で守屋とばったり会い、2人の関係を聞かれ・・・。

◆番組情報
『妻、小学生になる。』
毎週金曜日22:00からTBS系で放送中。
地上波放送後、動画配信サービス「Paravi」でも配信中。