「わかってるよな?俺たちは大人だから。言わなくてもわかるよな?」
定時上がりの総務部長・堤司治(竹財輝之助)のこの言葉を"一夜限りの関係"と受け取った残業三昧の社畜OL "まるちゃん"こと丸山真由美(中村ゆりか)。大人の割り切った関係を受け入れられる物わかりの良い女になろうとさらに仕事に全集中するまるちゃんの様子が描かれた『部長と社畜の恋はもどかしい』(テレビ東京ほか)第2話。
その結果、推しのために働くアイドルオタクの後輩アシスタント・三森さとみ(小野莉奈)の見え透いた嘘にも乗っかり、仕事を代わりに引き受けることに。三森さんからのLINEの誤送信により、嘘をつかれていたことが自明のこととなると、さすがのまるちゃんも「わかってても嘘つかれて利用されるのは悲しくて」と泣き出してしまう。そんなまるちゃんの頭に手を乗せ、堤司部長はまさに"欲しい言葉"をくれた。
「お前は良い奴だな。こういう時普通は怒るもんだ。なのにお前は悲しいって思うんだな」
ちょうど酔った勢いで堤司部長に口論をふっかけた末、2軒目のバーで「頑張ってもどこか満たされないんです・・・」と愚痴をこぼすまるちゃんの頭をそっと撫でたように。
そもそもまるちゃんにとって堤司は、入社したての頃の教育担当で、直属の上司だったようだ。当時、営業成績トップだった堤司に営業のいろはを教わったというが、なるほど彼の自宅で向かい合って仕事に取り組む2人の様子にはどこか懐かしさが漂い、妙な連携感があり、互いに信頼関係があるからこその心地良い空気が充満していたように思える。
良かった。仕事でも人から頼られることを良しとしすぎるあまり、今回のケースのようにどうしたって、ともすれば都合良く扱われてしまうこともあるのだろうまるちゃんのことを、よくわかってくれている人が近くにいて。近くでずっと見てくれていた人がいて。
ちなみに、営業部時代の堤司は"定時上がり"ではなく、どちらかと言えばまるちゃんのように残業が当たり前という生活を送っていたようだ。堤司の総務部への異動は周囲にとっては寝耳に水で、彼本人の希望だったと言うが一体その当時、彼の身に何があったのかも気になるところだ。
堤司部長はまるちゃんを自宅に招き入れ残業を手伝い「今日も何も食べてないだろ」と言って手料理まで振る舞う至れり尽くせりぶり。就寝前にも「今日はさすがに疲れてるか...」と気遣う言葉があり、到底まるちゃんが受け取った"一夜限りの関係"には思えない。(そもそも、スマートで合理的であろう堤司部長が、そのような関係をあえて社内で築くことはまずなさそうだ。)
堤司部長役の竹財輝之助は、『にぶんのいち夫婦』(テレビ東京系)でも自分のコンプレックス、弱みを妻に打ち明けられず事をややこしくしてしまう夫・中山和真役を好演していた。本作での堤司部長も常にポーカーフェイスで何を考えているのか、本音を読み取りづらい人物ではある。次週予告では、そんな堤司部長の何やら"デレ"な表情が公開されており、早くも第3話が楽しみだ。
(文:佳香(かこ)/イラスト:月野くみ)
【第3話(1月19日[水]放送)あらすじ】
またしても堤司(竹財輝之助)と関係を持ってしまい、身体だけの大人の関係を継続中だと思っていた真由美(中村ゆりか)だが、自分たちは付き合っていると勘違いしている堤司。「体から始まっても許してくれるよな?」そんな思いに真由美は気付くはずもなく...!?
一方、ひょんなことから、社内で、"「いいよ、いいよ」のまるちゃん"と呼ばれていることを知ってしまう真由美。そんな中、後輩・三森(小野莉奈)のミスで仕事を手伝うことに。しかし、追われる大量の業務に恐怖を感じてしまい・・・。
◆番組情報
ドラマParavi『部長と社畜の恋はもどかしい』
毎週水曜深夜0:30からテレビ東京ほかで放送。
動画配信サービス「Paravi」で前週水曜日の夜9時より毎話独占先行配信中