【ネタバレ】『部長と社畜の恋はもどかしい』急に始まる大人の関係・・・?

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【ネタバレ】『部長と社畜の恋はもどかしい』急に始まる大人の関係・・・?
【ネタバレ】『部長と社畜の恋はもどかしい』急に始まる大人の関係・・・?

古今東西、正反対の趣味嗜好の者同士が惹かれ合うのは恋愛ストーリーの鉄則だが、毎月残業時間超過常習犯の社畜OLと定時上がりの総務部長の恋模様となれば、話は変わってくる。

1日の平均睡眠時間5.5時間、デスクでランチを済ませる率100%、さらに繁忙期に入ると3食全てをデスクで済ませる率1000%で働き改革に中指を立てる正真正銘の社畜"まるちゃん"こと丸山真由美(中村ゆりか)と、ライフワークバランス重視派で帰宅後は趣味の料理に精を出す"定時の鬼"こと堤司治(竹財輝之助)。仕事へのスタンスの中でもそもそもそこが食い違うと、仕事以外の手持ち時間も全く違えば、帰宅後や休日の時間の使い方、しいては人生における優先順位まで異なってきそうなものだが、そんな水と油の2人が交わる『部長と社畜の恋はもどかしい』(テレビ東京ほか)第1話。

たまたま居酒屋で居合わせた堤司部長に酔った勢いで仕事の取り組み方に対する不満をぶつけ激論を交わした末、「でも私、なぜか満たされないんです」と思わずこぼし、結果一夜を共にしてしまうまるちゃん。彼女は何か埋まらぬ穴を仕事や人から頼られることで埋めているのか、はたまた仕事で人から必要とされることでもどうしても埋まらぬ穴を抱えているのか。

「まるちゃん、これお願いできる? 今日中に」と営業社員からも、同じく営業アシスタントの後輩たちからまでも次々に仕事を依頼され、全てをもはや条件反射的に「いいですよ」と引き受ける。あっという間にto do項目を書いた付箋はPC画面の両サイドを埋め尽くし、デスクにまで所狭しと貼られていく。周囲から頼られることが彼女の生き甲斐であることは間違いないが、その付箋の数=本当に"自分"が周りから必要とされている数だと言えるのか、彼女自身も100%言い切れないことくらいどこかで気がついていそうだ。

果たしてこれは"自分しか"出来ない仕事で、"自分がやるべき"仕事なのか。代わりが利かない仕事なのか、さらには自分は誰かにとって特別な代替不能な存在なのか。自分に仕事を依頼した社員が先に退社していくのを見送る度、どれだけ片付けてもまたすぐに増えていく依頼の山に溺れそうになる度に、達成感や貢献欲が満たされる感覚以外に覗くまた別の感情を自覚しているからこそ、どうしたって満たされなさが残るのだろう。

主人公のまるちゃん役を演じる中村ゆりかは、朝ドラ『まれ』(NHK総合)出演時に美少女として話題を集め、『ギルティ〜この恋は罪ですか?〜』(日本テレビ系)で見せた悪女役、怪演で新境地を開いた。『きのう何食べた?』(テレビ東京ほか)でも、シロさん(西島秀俊)が務める弁護士事務所の事務員・志乃さん役でしっかり者のアシスタント職を好演していたが、本作ではそこに全く異なるエッセンスが加わり、仕事にも恋にも振り回されあくせくする新たな表情の数々が見られる。

堤司部長の「わかってるよな?俺たちは大人だから。言わなくてもわかるよな?」は、まるちゃんが受け取った通り"一夜限りの関係"だということなり、これは口封じを意味するのだろうか。 堤司部長はそこまで酔っておらずしっかりと理性が働いていたように思えるが...この何もかも正反対な2人のもどかしい恋路をこれからヤキモキしながら見守ることになりそうだ。

(文:佳香(かこ)/イラスト:月野くみ)

【第2話(1月12日[水]放送)あらすじ】

「俺たち、大人だから」と言った堤司(竹財輝之助)の言葉を"一夜限りの関係"だととらえ、割り切って仕事に集中することにした真由美(中村ゆりか)。いつも通り、沢山の雑務を請け負う真由美だったが、残業が諫山(丸山智己)に見つかってしまう。
仕方なく、仕事を家に持ち帰ろうとすると、バッタリ堤司に遭遇!家でも仕事をしようとしていることに気付いた堤司は、真由美に「うちに来い」と言う!そんな中、真由美にとって落ち込むある出来事があり・・・。

◆番組情報
ドラマParavi『部長と社畜の恋はもどかしい』
毎週水曜深夜0:30からテレビ東京ほかで放送。
動画配信サービス「Paravi」で前週水曜日の夜9時より毎話独占先行配信中