小松左京氏のSF小説「日本沈没」をアレンジし、主人公・天海啓示らが2023年、一国の海中沈没という未曽有の危機に立ち向かう姿を描く日曜劇場『日本沈没―希望のひと―』。動画配信サービス「Paravi」では『日本沈没』のオリジナルストーリー『最愛のひと～The other side of 日本沈没～』が独占配信中。本作では、運命的に出会い恋に落ちた男女が、日本に迫る未曽有の危機の中で困難に立ち向かい、愛を貫く姿を描いている。今回、ドラマ本編の主人公・天海啓示（小栗旬）らの通う居酒屋の看板娘・愛（与田祐希）と距離を近づけていくことになる蒔田奇跡役・板垣瑞生にインタビュー。本作を通して伝えたいメッセージや、演じる際に意識していることなどを聞いた。
"可能性"を信じられる人間でいたい
――出演が決まったときのお気持ちは？
台本を読ませていただいた時に、目に見えない災害に色んな人が大変な思いをしている中で「がんばろう」としている姿に感銘を受けて。コロナ禍の現状、自分ができる何かで勇気を与えられるようなことがしたいと思っていた中でお話をいただいて運命的なものを感じました。奇跡という役を演じられることがうれしかったです。あと、奇跡という名前を聞いた時にすごくいいなと思って。好きなんです。"奇跡"を与えられるような存在で、台本を読み進めていくと、そういうものを作品を通して伝えていく存在なんだろうなというのを明確に感じるようになりました。
――奇跡をどのような人物として捉えて演じられたのでしょうか？
誰かが何かに踏み出す一歩を後押しできるような存在だと思うんです。世の中の価値観からしたら逸脱してるかもしれないし、ファンタジーに近い考え方の持ち主なのかもしれないですけど、"可能性"を信じられる人間でいたいなと思いながら演じました。生きるために愚直にがんばる姿を見せることで、何かに尻込みしたり、諦めたりした方の背中を押すようなことがしたくて。
――愛と出会って運命が変わるようなキャラクターですが、共感できた部分などありますか？
本編中の愛と奇跡のように、与田さんに出会って変わったことはあるなと感じています。与田さんってとても独特な雰囲気を持ってる方なんですよね。根本に持っているものは、愛ちゃんにとても近いと思うんです。実際撮影を重ねていく中で、与田さんが元々持っている他者への愛が深いというのを感じられて、愛ちゃんと似てるなと思ったんです。与田さんが愛ちゃんですごく良かったなと、直感的に思いました。同い年ということもあって最初から最後まで落ち着いた気持ちでいられたので、それも良かったのかなと思います。
――与田さんとの共演シーンで印象的だった撮影は？
最終話で奇跡がとあるフレーズを叫ぶシーンが有るんですけど、それが最後に撮影したカットになります。撮影時に色々ハプニングもあったのですが、アドリブでそのフレーズを言った時に、最後まで愛ちゃんと奇跡を貫けた気がしました。いろんなことが起きてきて、全部を受け止めきることはできないかもしれないけど、それでも前に進んでいて、その中で今を楽しむということはやっぱり忘れたくないなと思って。くだらない日常ってすごく大事だなと再認識しました。そんな大変な中でも、みんな根本は変わっていないという部分が伝わればいいなと思います。
――オープニングで絵を描いているカットがあってとても楽しそうでしたがご印象はいかがですか？
全編撮影が終わったあとにオープニングの撮影があって、愛ちゃんと奇跡として演じているんですけど本当に楽しい撮影でした。実はあの絵はお互いを描いてるんです。僕らは「へたくそだからなぁ」とか言い合いながら描いていたのですが、いい感じに仕上がっていて良かったです（笑）。
――板垣さんの今の"最愛のモノ"を教えて下さい。
誕生日に、枕をいただいて最近自宅で愛用しているんですけど、ソファーですぐに寝ちゃってます（笑）。とても寝心地が良くて、本当にすぐに寝ちゃうので困ってます（笑）。
――最後にメッセージをお願いします。
奇跡が生還してきて、北海道の人たちは移住しなきゃいけないのではないかという話になってくるんですけど、この『日本沈没』は生きることについて強要されるものじゃないと思うんです。行きたい人は次に行きたいし、その土地で生まれ育った人はそこから動きたくないという方もいると思います。個人の信念や理念だと思うので最終判断はそれぞれになると思いますが、もし迷っている人がいたら背中を押せればと思いながら演じました。
僕らの日常にリンクするところも多くあると思っていて。愛ちゃんと奇跡やみんながいろんな壁にぶつかって悩むときが有るのですが、それでもそれぞれのキャラクターが色々な解決法を提示してくれると思うので、見ている皆さんも一緒に考えて、そんな方法があったんだとか、この方法もいいんじゃないかと思いながら見ていただきたいです。そして、愛ちゃんと奇跡がどうなっていくのか...ドラマを見ながら応援していただけたら嬉しいです！
◆配信情報
Paraviオリジナルストーリー『最愛のひと～The other side of 日本沈没～』
動画配信サービス「Paravi」で独占配信中。
