『私が女優になる日_』推しの順位がいよいよ厳しいことになってきた

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『私が女優になる日_』推しの順位がいよいよ厳しいことになってきた
『私が女優になる日_』推しの順位がいよいよ厳しいことになってきた

秋からのTBS新ドラマへの出演権をめぐって、10人の女優の卵が演技バトルを繰り広げる『私が女優になる日_』(TBS系/毎週土曜深夜0:58〜放送)。今週は、映画監督で劇団ゴジゲン主宰の松居大悟を脚本に迎え、これまでとはまたちょっと違う展開が見られました。

今までとは違う高倉萌香の魅力が開花

松居大悟が書き下ろしたのは、「15年に1度の流星群を見に行く」というストーリーラインを軸とした、それぞれ立場や性格の異なる10人の女の子の群像劇。それを、5人ver.、2人ver.、3人ver.とバラバラの人数編成で描くことで、集団の中でどう自分の役を立たせるか、それぞれの力量が問われる回となりました。

観ながら、つくづく思ったのですが、もうこれくらい実力が拮抗してくると、採点を決めるのは配役の妙だなと。いかに自分の個性とマッチした役を得られるか。それでだいぶ印象が変わる。

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過去最多となる5人でのお芝居となった「高台」で光っていたのは、高倉萌香。今回に限り審査員は2票投じることができるのですが、全員がそのうちの1票を高倉に与えていました。これはもう大納得。明らかに高倉の存在感が図抜けていました。もちろん役柄的においしいのも確か。ひとりだけ仲良くないという設定は、キャラクターを立たせるにはむしろ好条件。そこを高倉がうまく押さえて、いい演技をしていました。

そして、ここに来て高倉の新たな魅力が垣間見られたという面も。非常にガーリッシュな印象の高倉は青木琴美脚本で見せた恋する女の子や、根本宗子脚本の母親との近すぎる距離感に戸惑う女の子のような、等身大の明るいキャラクターを得意としていたように見えました。が、今回与えられた緑という役はその逆。無口で、どこかミステリアス。でもそれがバチッとハマっていたのです。

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どんな俳優にも得手不得手はつきもの。その中で、どれだけ幅広い役を演じられるかが、息長く活躍できる俳優の条件と言えますが、陰と陽、どちらもしっかりこなせる高倉の振り幅は、間違いなく武器になるはず。しかも、審査員の渡辺えりが舌を巻いていたように、陰のある女性像の方がむしろ魅力的。あの黒目がちの瞳と、ちょっと泣き顔なところが、人を惹きつける力があるな、と演技バトルも佳境に入ってきたところで、その真価を再発見した気分でした。

いわゆるキラキラ系の恋愛ドラマより、むしろ玄人が好みそうな叙情的で文学的な映画の方が持ち味が光るのでは? ある日突然やってきた物憂げな転校生の役とかやってほしいもん! 複雑な家庭の事情とか抱えてほしいもん! そんなふうに、人の想像力をかき立てるある種のポエジーを、高倉の演技から感じました。

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過去最高に審査が難しい高橋VS三浦の2人芝居

一方、これまた配役の妙にうならされたのが、その後の高橋七海VS三浦涼菜の演技バトル。ひそかに女友達に想いを寄せる和歌子を高橋、その片想いの相手であるアキを三浦が演じます。

三浦の持っているちょっとマニッシュな雰囲気が、女の子が好きになりそうな女の子という感じで本当ぴったりなんですよ。髪型は本人が決めるのではなく、ヘアメイクさんのお仕事かもしれませんが、今までのように前髪を下ろしているのではなく、おでこを出したスタイリングが、三浦のクールな清涼感を引き立てていて、そこも良かった。「地図、反対にしてたの、わざとでしょ?」と言い終わったあとの視線の動かし方も生っぽくて、いい緊張感を生んでいました。

対する高橋も、三浦とは対照的に非常に女の子らしいタイプで、想いを告げたときの泣き出しそうな顔が、本当に恋をしている女の子そのものなんです。最後に「2人で見れて良かった」と目が潤むのにもグッとくる。これまでも甲乙つけがたい演技バトルは数多くありましたが、ここまで拮抗しているのは、個人的にはこれが初めて。正直、どちらかに票を振るのが申し訳ないくらい両者共にベストな配役と、魅力あるお芝居だったと思います。

それでも勝負がついてしまうのが、演技バトルの残酷さ。三浦は2ポイントを獲得し、5位までジャンプアップ。「3位以内に入りたいので、言葉でも言霊みたいに言っていこうと思います」と宣言する表情は、どこかこの演技バトルをゲームのように楽しんでいる余裕すら感じました。

2人の推しをプレゼンさせてください!!

そして、です。1回目のレビューでもふれましたが、個人的に僕は岡田里穗と渋谷風花を推しとるわけです。が、現時点で岡田は7位、渋谷は10位と、目標の3位圏内までは厳しい状況。正直、審査結果が出るたびにこっちまでお腹の痛い想いをしております。

ということで、独断によりここから2人を少しプレゼンさせてください。今回は松居大悟から「明日の夜、流星群がくるから、集まりませんか」と友達を誘うための動画を撮るという課題が与えられていました。まずは岡田の課題発表がこちら。

超可愛い。いや、もう、演技バトルに可愛さなんてものは関係ないことは百も承知なのですが、女優になるには万人から好かれる愛らしさも大事。こんな動画が友達から送られてきたら秒で保存するわ。「高校生最後の夏。みんなで思い出作ろうぜ」って言うときの握りこぶしとはにかみは、スマホの画面が割れる破壊力。僕がNHKのプロデューサーなら今すぐ朝ドラつくります。

お芝居も変な癖がないし、嫌味もなくて、ナチュラルで、ティーン向けのドラマや映画で大活躍できそうな逸材なのにな〜。もっと評価されてほしい。

そして渋谷の課題発表はこちら。

方言最高。普段の演技バトルではたどたどしさが否めない渋谷ですが、方言だとこんなにも力の抜けた演技ができるんですね。絶対こっちの方がいい。いい意味で色気がないというか、飾り気のない台詞回しがいかにもそこらへんにいる普通の高校生という感じがして、「あれ?僕、同級生だったっけ?」って疑似クラスメイト感覚を味わわせてもらいました。

今回も渡辺えりから「輝くものを感じた」と評価されるなど、他の人にないものを持っているのに、どうにもこの演技バトルではそれを活かせていないのが残念無念。でもそのあたりは監督なり演出家の力によっていかようにでも伸ばしていけるもの。あの大女優だって昔は棒読みだったから!!大丈夫!!!!

そんな感じでもはや1位が誰になるかより、推しが生き残れるのかの方が気になって仕方ない『私が女優になる日_』。あなたの推しは誰ですか?

(文・横川良明)

◆番組情報
TBSスター育成プロジェクト『私が女優になる日_』
毎週土曜日深夜0:58からTBSで放送。
動画配信サービス「Paravi」で初回放送分から見逃し配信中。
(C)TBS

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