女性たちの欲望にまみれた愛憎サスペンスドラマ『女の戦争~バチェラー殺人事件~』(テレビ東京)の第3話が、7月17日に放送された。
ハイスペック御曹司・鳴戸哲也(古川雄大)の花嫁の座をかけて、恋愛バラエティ番組『ゲット・ザ・バチェラー』に参加した7人の女性たち。危険な罠を仕掛けたことを暴露され、最初に脱落した星(真飛聖)に続く二人目の脱落者は、利子(成海璃子)。選挙に出馬する予定で人気取りのために番組に参加したことが暴露されたためだった。
しかし、ここからの利子の大演説が凄まじい。「大切なのは過去よりも今、そして未来~」「戦争は~」「女性が活躍する新時代が~」などと関係のない熱弁をし、麗奈(トリンドル玲奈)に「あなたのようなわきまえた女がいるから!」と噛み付く。論点をずらしながら大仰な演説をする"未来の政治家"の詭弁ぶりは、フィクションのはずなのに、なんだか生々しく既視感がありすぎて、笑えないどころかゾッとする。
そして、ここで利子が脱落し、残る花嫁候補は5人となった。
一方、腹黒そうに見える参加者たちの中で、最初は一番軽薄で自分勝手で他者に対しても攻撃的で失礼に見えたりお(寺本莉緒)が、一番普通の感覚をしているように見えてくる場面は多い。周囲へのツッコミも的確だし、鋭い観察力・洞察力もあるし、なかなかの切れ者だ。やはり百戦錬磨の元国民的アイドル。その裏の顔を存分に発揮し、実は今回、裏で参加者たちを引っ掻き回していた。
リゾートパーク内の3人デート企画にくじで勝った若菜(葵わかな)と一香(尾碕真花)が参加することになる前日、りおは麗奈と理恵(北原里英)にある提案を持ちかける。
まずりおは、2人に哲也のことが本当に好きか聞き、「だって、会ってまだちょっとじゃん? 好きになるの簡単すぎない?」と視聴者目線の正論を投げかけ、2人を挑発したかと思えば、「好きになるってどういうことかわかんないの・・・」と"恋愛禁止"の元アイドルゆえの悩みを吐露する。そこでりおを敵視していた2人は謝罪し、「話してくれてありがとう」などと、簡単にりおの掌で転がされてしまう。
さらに、りおは財閥令嬢の一香に、暴露されるターゲットの投票を「哲也が気に入っていそう」という理由で、若菜に入れてほしいと頼む。自分と理恵が投票する予定で、そこに一香が加わってくれたら、若菜に3票が集まるという説明だ。
確かに、積極的にグイグイいく女性たちと異なり、デート中にも浮かない顔をし、亡くなった父を思い出して涙を見せるような若菜のことを、哲也は明らかに気にしている。実際、「可愛い+楽しんでいなさそう+複雑な家庭事情」は、本家バチェラーでも鉄板の「本命女性」の条件だ。
しかし、暴露タイムで選ばれたのは、意外にも一香。財閥令嬢の一香は家柄などから哲也に「一番釣り合う」ということで、りおにとって邪魔者だったのだ。
そこで裏切りを知り、本性をあらわす一香の恐ろしさときたら。『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のリュウソウピンクがあんな怖い顔をするなんて・・・なかなかの女優ぶりだ。
りおの暗躍ぶりによりかなり盛り上がってきた第3話。しかし、裏切られた一香は当然黙っているようなタマじゃない。「殺す!」の一言と殺意の表情・・・次回、大変なことが起こりそうな予感である。
(文・田幸和歌子/イラスト・月野くみ)
【第4話(7月23日[土]放送)あらすじ】
一香(尾碕真花)の裏の顔が暴かれ、複雑な空気の中、今度は麗奈(トリンドル玲奈)、理恵(北原里英)、りお(寺本莉緒)の3人と、哲也(古川雄大)とのテーマパーク内デート!皆それぞれ哲也に過激なアプローチを仕掛け、よりバトルが白熱する。そんな中、突如謎の仮面男が現れ、空気は一変!予測不能なハプニングが起こり、意外な脱落者も出てしまう盛りだくさんな第4話!
◆番組情報
サタドラ『女の戦争~バチェラー殺人事件~』
毎週土曜23:25よりテレビ東京系にて放送。
動画配信サービス「Paravi」にて前週土曜日夜9時から毎話独占先行配信。