『カズレーザーと学ぶ。』今回のテーマは『超・回復食材SP』
『キノコの効能を引き出し夏のダメージを超回復できる調理法』
食卓でおなじみのキノコでも、その食べ方次第で健康への効果が変わるとした東京農業大学・学長の江口文陽氏は、夏のダメージを超回復できるキノコとおすすめの食べ方を紹介。まず脂肪燃焼に効果のあるキノコとしてエノキタケを挙げた。エノキタケには脂肪燃焼成分があるそうで、20回以上かむことでこの成分を効率よく摂取できるという。
免疫力アップ成分を多く含むのはマイタケ。マイタケに含まれる特有成分『MDフラクション』にはがんを抑制する効果があるのだとか。マイタケを煮ることでこの成分が抽出されるため、江口氏は煮びたしなどに調理し、よくかんで食べることを推奨した。
血液をサラサラにする効果を持つのがシイタケだとした江口氏は、シイタケの特有成分『エリタデニン』に悪玉コレステロールを減少させ動脈硬化の予防があるとした。シイタケの戻し汁で作る炊き込みご飯などを食生活に取り入れることで、夏場に水分を失いダメージを受けた血管への回復効果が期待できると紹介された。
東京農業大学 学長
江口文陽
『紫外線で弱った肌のダメージを超回復する食材「シャケ」』
最新研究で明らかとなった、筋肉から美肌ホルモンを分泌させる意外な食材を紹介したのは京都府立大学大学院生命環境科学研究科准教授、青井渉氏。青井氏は、運動をすることで体内から分泌され、筋肉の増強や免疫力アップ、さらには美容作用などの効果をもたらすホルモン『マイオカイン』に着目。そして、“体の中から浴びる美容液”ともいえるマイオカインの分泌量を増やすために、シャケの摂取をすすめた。
青井氏は、シャケに含まれる成分・アスタキサンチンを含んだ食事を与えることで、普通の食事と比べマイオカインの量が50%もアップしたというマウスへの研究成果などを紹介。さらにシャケには、タンパク質やビタミンDなど筋肉を作る成分が含まれていることを挙げ、1日2切れほどシャケの切り身を摂取することで、筋力アップの効果があるとした。
さらにこのアスタキサンチンには、紫外線による肌ダメージを回復させる効果もあり、肌の老化を進める『一重項酸素』を分解しシミやシワを減少させることが併せて紹介された。
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 准教授
青井渉
『夏に受ける老化ダメージや胃の状態を超回復する「カレー」』
京都大学大学院薬学研究科教授の掛谷秀昭氏は、カレーに含まれるスパイスが持つ驚くべき効能を紹介した。「ホットなスパイス」として名前が挙がった『ターメリック(ウコン)』には『クルクミン』と呼ばれる成分が含まれており、このクルクミンには認知症やアルツハイマーの予防効果があるほか、中性脂肪の減少効果も期待できるという。
さらに最新研究で、このクルクミンにがんを抑制する効果が発見されたと語る掛谷氏は、秋田大学の研究成果として、ターメリックを加熱することで胃がんの抑制効果が5倍になったことを紹介。加熱されたクルクミンががん細胞を殺す力を持つ化合物に変化するというが、一方で過剰摂取すると、消化管障害などを引き起こすリスクもあるため、日常生活の中で楽しむ程度の摂取がすすめられた。
そして掛谷氏は、夏の終わりにオススメなカレーとして『夏野菜カレー』を提案。ナスやピーマンなどの夏野菜に含まれる成分による抗酸化作用の相乗効果が期待できるほか、肝機能向上や胃の不調の低減に効果が期待できるとした。
京都大学大学院 薬学研究科 教授
掛谷秀昭