夏こそ気をつけたい?現代人が注意するべき目にまつわるトラブルの原因と予防法

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夏こそ気をつけたい?現代人が注意するべき目にまつわるトラブルの原因と予防法
夏こそ気をつけたい?現代人が注意するべき目にまつわるトラブルの原因と予防法

カズレーザーと学ぶ。』今回のテーマは『現代人を襲う目のトラブルの予防法』

『視力低下 充血 シミ・ソバカス全ての原因はヤバい目の日焼け!?』

肌だけでなく目も日焼けをしてしまうと語った島根大学医学部助教の海津幸子氏は、そのメカニズムと人体に与える影響を解説。皮膚の場合、表面にある死んだ細胞が紫外線を受け、その奥にある生きた細胞はある程度守られるが、目の場合は、一番外側の生きている細胞である角膜が紫外線のダメージを直接受け、角膜炎を起こして充血するといった危険性がある。またこの紫外線ダメージは蓄積するのだそうで、長年紫外線の影響を受け続けた結果、白内障などの発症リスクが高まるという。

さらに海津氏は、目が紫外線を浴びると、脳の視床下部からの働きによってメラニンが生成され肌が黒くなる可能性を指摘。目の日焼けがシミやソバカスなどの肌トラブルにも関係しているとした。加えて、最近ではスマホを長時間使用することでまばたきの回数が減るほか、ハンディファンの普及によって目に直接風が当たりドライアイになる人が急増していることに言及。通常、紫外線で傷ついた目の細胞は、涙の作用によって修復されるが、ドライアイによって涙の量が足りず、修復機能が低下している恐れがあると指摘した。海津氏は風を直接目に当てない工夫や、サングラスの着用を推奨した。

島根大学 医学部 助教
海津幸子

『見える範囲が狭くなる現代病トンネル視野を引き起こす〇〇』

これまで20万人以上を診察してきたという慶應義塾大学医学部眼科医の綾木雅彦氏は、若い世代で増えている危険な目のトラブル“トンネル視野”の原因と、このトラブルを予防する効果的な食べ物を紹介した。そもそも“トンネル視野”とは、通常左右200度ほどある人間の視野が、まるでトンネルからのぞいているかのように著しく狭くなってしまう症状で、スマホの使いすぎによって、目の筋肉・外眼筋に疲労やコリが発生する結果、無意識的に周りを見なくなってしまう状態を指す。目の筋肉だけでなく脳も、スマホなど視界の中心にあるものだけを意識するようになり、さらに視野は狭くなってしまうという。

さらに綾木氏によれば、人間の脳は視野の見えない部分を補正する働きをもっているため、“トンネル視野”を自覚しづらいそうで、自覚した時には、緑内障など失明の一歩手前の状態に陥っていることもあるのだとか。こうした症状を予防するため、スマホの使いすぎを避けることや、外眼筋の疲労を回復させる作用を持つ色素物質・アスタキサンチンを多く含む、エビやカニ、ベニザケ、オキアミなど赤い魚介類を摂取することをすすめた。

慶應義塾大学 医学部 眼科医
綾木雅彦

『夏場の異常繁殖に要注意!まつ毛ダニデモデックス』

ドライアイ研究の第一人者である慶應義塾大学医学部特任講師で眼科医の内野美樹氏は、目元の衛生状態について提言。目元の不快症状に“まつ毛ダニ”と呼ばれる常在菌『デモデックス』の存在が影響していると語った。そもそもこのデモデックスは皮脂を食べて分解する作用を持っており、通常は肌の健康を守ってくれる存在だというが、エサとなる皮脂が過剰に分泌された不衛生な状態が続くと、異常に繁殖し、アレルギーや炎症、目ヤニやかゆみの原因になるという。さらに目元の腫れやまつ毛へのダメージなど、見た目への影響もあるそうだ。

内野氏は、デモデックスの異常繁殖を予防するため、目元の洗浄を推奨。メイクを落とすことはもちろん、目に入ってもしみにくいアイシャンプーの利用を促した。

慶應義塾大学 医学部 特任講師 眼科医
内野美樹