10月期の木曜劇場は、松本若菜さん主演『わたしの宝物』が放送されます。
松本さんは、今作がフジテレビ系連続ドラマ初主演。本作は、夫以外の男性との子どもを、夫との子と偽って産んで育てる「托卵(たくらん)」を題材に、“大切な宝物”を守るために悪女になることを決意した一人の女性とその夫、そして彼女が愛した彼、3人のもつれあう感情を完全オリジナル脚本で描く、ひりつく大人の恋愛ドラマです。
この秋、松本若菜さんを主演に迎え、「托卵」という禁断の決断を下す悪女の物語が幕を開けます。
“昼顔妻”を描いた『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(2014年/フジテレビ)と、“セックスレス”をテーマにした『あなたがしてくれなくても』(2023年/フジテレビ)の三竿玲子プロデューサーが手がける今作は、踏み越えてはいけない一線で葛藤する女性を描いた『昼顔』『あなして』の流れを汲(く)む、夫婦のタブーを扱ったドラマの第3弾となります。
本作のテーマである「托卵」とは、動物の習性のひとつであり、自分の卵と、誕生した雛(ひな)の世話をほかの個体に托(たく)す行為のこと。
カッコウなどの鳥類は、ほかの鳥の巣に卵を産みつけ、その鳥に孵化(ふか)したひな鳥を育てさせています。しかし、それはカッコウに限った話ではありません。
周囲の人間に決して言い出せないことから、明るみにはなりませんが、夫以外の男性との子を産み「夫との子である」と偽って夫に育てさせる女性が実際にいるといいます。
『わたしの宝物』は、「托卵」という禁断の決断を下した主人公と、その真実に翻弄(ほんろう)されていく2人の男性の運命を描いた、愛憎劇です。
人を狂わせる「愛」とは何か? 「托卵」から始まる男女の愛憎劇は、どんな結末を迎えるのか?手にした愛と、犯した罪。その狭間でもがき苦しむ悪女の姿――。
「托卵」という禁断の決断が、松本演じる悪女の運命を狂わせていく
松本さんが演じるのは、専業主婦の神崎美羽(かんざき・みわ)。
かつては大企業に勤めバリバリ働いていたものの、「子どもがほしい」と苦渋の決断をし、仕事をやめて家庭に入った女性。しかし、多忙な日々の中で夫・神崎宏樹(かんざき・ひろき)との愛はすでに冷めきっており、妊活をするどころかモラハラまがいの厳しい言葉を受けるように。
外では“理想の夫”を演じて、家では辛く当たる宏樹に耐えながら、美羽はかごの中の鳥のように毎日を送っていました。そんなとき、かつて密(ひそ)かに思い続けていた幼なじみ・冬月稜(ふゆつき・りょう)と偶然再会。
彼は、美羽が苦しいときに必ず助けてくれるヒーローのような存在で、最愛の人でもありました。「彼が救いにきてくれた…」。そう感じた美羽は、再び冬月に思いを募らせていきます。最初は、心のつながりだけで十分と思っていた美羽でしたが、宏樹のある行動がきっかけで、ついに冬月と一夜をともにしてしまい、彼の子どもを宿します。
仕事を辞めた美羽には、離婚してシングルマザーになる道は残されておらず、もし宏樹が真実を知れば、子どもがどうなるかわかりません。
「この子だけは、必ず私が幸せにする」。追い詰められた美羽は、愛する人の残してくれた宝物を守るために、悪女になる決断をします。冬月との子どもを、宏樹の子どもであると偽り、彼に育てさせるのです。しかし、この「托卵」という禁断の決断が、美羽、宏樹、冬月、3人の運命を激しく狂わせて…。
松本さんは、奇(く)しくも2年前の木曜劇場『やんごとなき一族』で、“松本劇場”とも呼ばれた怪演をきっかけにブレイク。現在放送中のドラマ『西園寺さんは家事をしない』(TBS)で、ゴールデン・プライム帯連続ドラマ初主演を果たしており、今作で2クール連続で民放連ドラ主演となります。
『昼顔』『あなして』旋風再び!新たな夫婦のタブーを描く物語
前述の通り、本作を手がけるのは「平日の昼間に不倫におぼれていく男女」というセンセーショナルな内容で一躍“昼顔ブーム”を巻き起こした『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』や、「夫婦のセックスレス」というタブーに切り込んだ『あなたがしてくれなくても』など、女性のリアルな愛憎を描く作風に定評のある三竿プロデューサー。
今作は、三竿Pが送る、女性の心の奥底に渦巻くさまざまな感情“女の業”を掘り下げたドラマの第3弾!特に前作『あなたがしてくれなくても』は、そのデリケートな内容からリアルタイムにお茶の間で見ることができずに、放送後に“こっそり”と配信で見る人が続出し、TVerでの総再生回数が5600万回を超える大ヒットを記録。
この新たな視聴スタイルは“こっそり視聴”と呼ばれ、「TVerアワード2023」にてドラマ大賞を受賞するほどの社会現象となりました。
脚本を担当するのは、『あなたがしてくれなくても』で夫婦の感情を繊細なタッチで描いた、市川貴幸さん。
新たな夫婦のタブーを描くひりつく大人の恋愛ドラマ『わたしの宝物』は、10月17日(木)スタート!毎週木曜22時より、フジテレビで放送されます(初回15分拡大)。
<松本若菜 コメント>
――オファーを受けたときは、どう思いましたか?
今作の主人公・美羽のような、等身大の女性を演じられることに喜びを感じました。そのなかでも、女性としての悩みといいますか、もしも自分の知り合いに美羽のような女性がいたら、私はなんて言えるのか、どういうふうに接することができるのか。
そう考えたときに、もしかしたら私は背中を押してあげられないかもしれないと思いました。ですが、その女性は一体どんなものを背負って生きていくんだろうとか、誰か助けてくれるのだろうかということを思ったときに、その女性像の厚みというものが私の中でどんどん膨らんでいって、美羽という女性を演じることは、私にとっても挑戦だと思うようになり、ぜひともやらせていただきたいとオファーを受けさせていただきました。
――台本を読んだ印象は?
あっという間に読み終わりました。美羽と夫の宏樹は、理想的な夫婦と周りには見えているけれど、お互いが抱えているストレスだったり、日常の不満だったり、そういうものが家庭でぶつかって、すれ違っていきます。
そんなときに幼なじみだった冬月さんと出会い、そこから美羽の人生が変わっていく…というお話なのですが、第1話から本当に展開がめまぐるしいんです。人生で何かが起こるときって、いろいろなパズルのピースが偶然ぴったり重なり起きたりするよなって思って、何かこの話が人ごとには思えないし、もしかしたら自分にも降りかかってくることかもしれないと思いました。
第1話は、怒濤(どとう)のように過ぎるのですが、その1話の中で美羽という女性、そして周りの人間たちの関係性がうまく重なり合ったら、とんでもないドラマができてしまうのではないかと思っています。
――今作でフジテレビ系連続ドラマ初主演となります。
フジテレビさんには、ここ数年でもいろいろな作品に出させていただいています。視聴者のみなさんには、『やんごとなき一族』が私のことを知っていただくきっかけになったドラマだという方もいるかと思うのですが、今回のチームは、そのときのスタッフさんも多くいらっしゃって、また声をかけていただいたということがすごくうれしかったですし、私の女優人生としてもかなりの挑戦となる、この美羽を演じる機会を作っていただいたということに、とても感謝しています。
――主人公・美羽を演じるにあたって、心がけようとしていることはありますか?
悲劇のヒロインには見えないようにしたいと思っています。美羽に起こった出来事は、もしかしたら誰にでも起こりえることなのかもしれないですし「実は、そういうことってあるんだよね」と、私も周りから聞いて「ドラマだけの世界じゃないんだ!」と驚きました。
実は、知られていないだけで、実際にも起こっているということを考えたときに、この作品をただのフィクションとして楽しむこともできますが、もしかしたら、ラブストーリーの先に、ちょっと怖い身近に潜む人間の業や欲といったものを感じることができる、奥深いドラマになるのではないかと思っています。
――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
あなたの宝物は何ですか?このドラマを通して、私はひとつの宝物を守り抜きたいと思っています。最後まで、それを見届けていただけたらうれしいです。ぜひ、ご覧ください。
<三竿玲子(プロデュース)コメント>
今回の題材である托卵は、私が「『昼顔』のラストをどうしようか…」と考えて、いろいろ調べていたときに知り、とても衝撃を受けて、そのころから「いつかこの題材をドラマにできないか…」と温めていた企画です。
ただ、托卵をする女性のエピソードを調べれば調べるほど“恐ろしい悪女の話”が多く、企画に落とし込むのに相当悩みました。これまで自分がやってきたドラマは、“女性の奥底に眠る感情”を大事にしながら作ってきて、それが視聴者のみなさまに受け入れてもらえていたと感じていたので、ただの悪女の話にはしたくない…。そんな試行錯誤の末、できあがった企画が『わたしの宝物』です。
主人公の美羽は、悪女になる選択をせざるを得なかった女性です。親にとってわが子は何にも代えがたい存在。この子のためならなんだってできる。そんな大切な宝物を守るためには、この選択肢しかない…と、托卵という、取り返しのつかない嘘をつきます。
それが、身勝手で人を傷つけることになることもわかっていて、覚悟をもって悪女になったけれど、ずっとその罪にもがき苦しんでいる“悪女になりきれない”女性です。振り切った悪女ではないので、とても難しい役ですが、“悪女”という言葉とは対極にいるような方にお願いできたら、見ている方がよりリアルに感じられる物語になると思い、今回、松本若菜さんにお願いさせていただきました。
若菜さんは、何度か番組をご一緒していて、いつも現場を明るく楽しくしてくれる気遣いの人ですが、お芝居が始まると、雰囲気も変わり、役としてそこに生きていて、見ている人を惹(ひ)きつける魅力のある方です。
いろんな役を経験されていて、その作品ごとに違った顔が見られる若菜さんだからこそ、美羽という役をどう生きてくださるのか、とても楽しみにしています。
もし、明日、自分が同じ立場に置かれたら、みなさんはどんな選択をするのか…。もしかしたら、美羽と同じ選択をしてしまうかも…。そんな、“もしも…”を感じながら、ひりつく大人の恋愛ドラマを楽しんでいただけたら幸いです。
<番組概要>
『わたしの宝物』
放送日時:10月17日(木)スタート!毎週木曜22時~(初回15分拡大)
出演:松本若菜 ほか
脚本:市川貴幸(『あなたがしてくれなくても』、フジテレビヤングシナリオ大賞『まるでドーナッツみたい』)
演出:三橋利行(FILM)(『SUPER RICH』『ガリレオ 禁断の魔術』『あなたがしてくれなくても』ほか)ほか
プロデュース:三竿玲子(『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』『あなたがしてくれなくても』『BOSS』シリーズほか)
(敬称略)
制作・著作:フジテレビ
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