宮本歩(杉野遥亮)がMMTに復帰することが決まり、メンバーたちも山岳医療への思いを新たに、再び前へ進み始める。
その直後、村松典子(岡崎紗絵)の母・聖子(池津祥子)が院長・松澤周子(檀れい)のもとへあいさつにやってきた。
典子は、母の突然の訪問に何とかその場をやり過ごそうと焦るが、事情を知らない周子の前で取りつくろえるはずもなく、ついに麻酔科医であることを聖子に知られてしまう。
すると案の定、聖子は怒りをあらわにし、今すぐ病院を辞めさせると典子を連れ帰った。
週末、当番だった典子に代わって山小屋診療所を訪れた歩は、カメラマンの長田拓(谷恭輔)と出会う。
拓は、妻と娘と出かける約束をほごにして、山へ写真を撮りにきたらしく、家族より山を優先させたことで妻の怒りを買ってしまったという。それでも山が好きな気持ちは譲れないという拓の思いが、どことなく理解できる歩。
そこへ、典子が聖子の制止を振り切ってやってきた。典子は、なぜ母親にうそをついてまで麻酔科医になったのか、その理由を歩に打ち明けて…。
翌日、鮎川山荘に「落石事故に巻き込まれた」と、登山者自ら助けを求める連絡が入る。
歩が急いで現場に駆けつけると、そこには右足を岩に挟まれ身動きがとれなくなった拓の姿が。事故が発生した時刻から考えると、脚の細胞が壊死(えし)し始めている可能性も考えられる。
岩の撤去作業も難航し、このままでは拓の命が危ない──。考えあぐねた歩が電話で江森岳人(大森南朋)に相談すると、江森は「命を守る方法は一つしかない」と告げる。歩は究極の決断を迫られて…。