<試写室>『嗤う淑女』最悪のラストを迎えているというのに、ほのかに爽快感があるような、ないような…うん、この感覚は一体、何!?

公開: 更新: めざましmedia
<試写室>『嗤う淑女』最悪のラストを迎えているというのに、ほのかに爽快感があるような、ないような…うん、この感覚は一体、何!?

 

<試写室>『嗤う淑女』第4話

初回は、大手銀行に勤める超浪費家の紗代ちゃん(小島藤子)が相談にやってきたので、架空口座を作らせて2億円を奪い(正確には2億と140万、だまし取ってたんだけど…)、前後編だった第2話~第3話では、小説家になるとか言ってちっとも働かない夫に悩まされる主婦の佳恵(青木さやか)がやってきたので、その夫を保険金殺人へと誘導して1億をせしめる…という、気軽にこれまでのあらすじを書いてみたら、気軽に書くもんじゃない!とんでもない内容すぎる!!そしてあっさりし過ぎ!!!ってのは置いといて、ここまで、まさかの、たった3回で、クライアントたった2人で、いとも簡単に、3億円もの大金をゲットしちゃった(ゲット言うな!)主人公の、謎のライフコンサルタント業を営む、蒲生美智留(内田理央)…。

で、この仕事ってば(仕事なのか?)、オフィス以外はそんなに?お金はかからないし(ここまで見た感じ、会社パンフレットと、架空口座のために免許証に貼りつけた偽装シールくらい??)、従業員はアシスタントの恭子(松井玲奈)だけだし。

ってことで、そら「MK人生コンサルティング」のオフィスだって、第1話冒頭で恭子の会社を花瓶投げつけて乗っ取った(言い方)あの古ビルから、回を追うごとにゴージャズになっていくよね…って感じなわけですが、それよりもなによりも、この第3話までを終えて、とにもかくにも重要だったのは、その3億という大金をゲットするために、美智留はというと…。

「口は出すけど、足は動かさない」(印象としてね)

「営業は恭子まかせ?で、クライアントが勝手にやってくる」(第2話の冒頭で、なぜかすでに噂のコンサルタントとして話題になってたし…)

という、もう笑っちゃうくらいの、蒲生美智留の、いや、蒲生美智留様の(“様”つけちゃったよ)、圧倒的利益率を誇る、異次元の仕事ぶり!!を見せつけられてきたわけです。

…が、今回の第4話…手口的にも、金額的にも、それまでの壮大さと比べると、ある意味、ホントにある意味、美智留様的、“どさ回り営業”回、に仕上がっています!!!(意味わからん)

いやだってだって、今回の美智留様ときたら、クライアント獲得のために自ら動き(しかもかなりの地道作業)、これまで以上に恭子へ指図し(前回で主従関係がより屈強になったしね)、クライアントには一挙手一投足の指示を出し(マジのマジで一言一句の指示)、そして、なんと、体まで張っちゃう!!(っていうか命かけてる)

…だけどだけど、今回は、いつもより利益率低い!!(とはいえ、結構なもんだけど)という、蒲生美智留は、金のためじゃない!!!人のために働くの!!!と言わんばかりの(いや、客観的に見るとちっとも人のためにはなってないんだけどさ…)お話が繰り広げられるのです。

左から)野々宮恭子(松井玲奈)、蒲生美智留(内田理央)左から)野々宮恭子(松井玲奈)、蒲生美智留(内田理央)

“最悪”と“惑わし”…これこそが『嗤う淑女』的、エンタテインメント!!!

うん、という、そんな第4話はというと…。ネット配信の討論番組にて、暴論と暴露を繰り返し、 “神”と崇められている神崎ドグマ(宮田俊哉)。その背後には、なんでかはわかんないんだけど、蒲生美智留がいた…!!という導入部。

うん、で、その、“なんでか”が、これまでのお話にはなかった新展開。

蒲生美智留の、これまでも存分に発揮されていた、笑っちゃうくらいの圧倒的な人心掌握術はそのままに、足を使った営業力(足っていうか、地道)、恭子を巻き込んだ行動力、そして、命もいとわない体の張りっぷりが披露されることで、第4話にして、『嗤う淑女』新章が始まる…そんな、感じなのです。

で、これまで通り「はいはい、そういう展開ね…」というこっちの想像通りの展開を見せて、油断させてきた?…とか思ってたら、次の瞬間、いきなりすかしてきて、そっから怒涛の驚き展開!!

で、ラストは、ちっとも爽快じゃない…まったく持って爽快じゃないし、なんなら最悪のラストを迎えているというのに、ほのかに爽快感があるような、ないような…うん、この感覚は一体、何…?…いや、この感覚が、なんだろうと、なんであろうとも、どうしても次回を待ち望んでしまう!!!

次回の、蒲生美智留も、期待せざるを得なくなる!!!こと間違いなし、の物語に仕上がっています。

で、その、今回のクライアントである神崎ドグマの結末がとんでもなくてさ…。

第1話の紗代ちゃんは、職場から不当な扱いを受けていた?ってことはあるのかもしれないけれど、自分を良く見せたいと浪費に走る女性だったもんで、あのラストでも、少なからず“自業自得感”はあったわけです。

だけど、前回の佳恵ってのは、佳恵の造形があんまり同情できないタイプってのはあったんだけれど(青木さやかさんがうますぎたよね?)、佳恵は佳恵で家庭を守るために一生懸命働いてたわけだし、いくら保険金殺人に見せかけたからといって、最終的に、その金を娘たちにすべて持っていかれる…という、超絶バッドエンディングには、よくよく考えると“自業自得感”はそこまでなかったと思うんです。だからこそ、こっちもどう反応していいかわからなかった…わけなんです…。

が、今回も前回同様、その結末は、これまで以上に超最悪。特に巻き込まれちゃった“あの人”なんて、ポッと出の人なのに、超絶最悪…で、最後の最後の結末があまりに予想外かつ、最悪、なので、今回もどんなリアクションをすればいいのか…おおいに惑わされることになります…。

だけど、そうはいっても、その“最悪”と“惑わし”こそが、クセになってたまらない…うん、これが、これこそが、『嗤う淑女』的、エンタテインメント!!!

さて、そんな最悪な結末とは!?そして、蒲生美智留的“どさ回り”とは!?っていうか、前回までに大金を手に入れたから、今回はチマチマとした業務をやってみせたのか!?考えれば考えるほど深みにはまる!!うん、もう、なんにしろ、今週も見逃せませんよ!??!

中学生の美智留(河村ここあ)中学生の美智留(河村ここあ)

麻生(大東駿介)麻生(大東駿介)