堀井(塚地武雅)が抱える過去、認知症の母と“向き合い受け容れる”ということ<『新宿野戦病院』第7話完全版>

公開: 更新: めざましmedia
堀井(塚地武雅)が抱える過去、認知症の母と“向き合い受け容れる”ということ<『新宿野戦病院』第7話完全版>

『新宿野戦病院』第7話あらすじ完全版

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ここは東洋一の歓楽街・新宿歌舞伎町。その場所に建つ聖まごころ病院では、高齢者でごった返していた。

どこも悪くないのになんで“まごころ”に来ているのかと問うヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)に高峰享(仲野太賀)はお互いの生存確認のためだと伝える。

一方その頃、警察官の岡本勇太(濱田岳)は、通報を受けてとあるマンションの1室を訪れていた。

嫌な予感しかしない岡本。大家に鍵を開けてもらい、中に入ると80代の独居老人・田辺宗孝が心肺停止の状態で倒れており、すぐさま聖まごころ病院へ緊急搬送される。

必死に心臓マッサージをするヨウコだったが、状況を見た高峰啓介(柄本明)は助かる見込みがないことを伝える。

何もできず、助けることもできなかったと悔し涙を流すヨウコに、死亡確認も医者の立派な役目だと伝え、その場所で手を合わせて仏さんに一礼するのだった。

沈鬱な雰囲気のなか、横山勝幸(岡部たかし)が、享、岡本、田島琢己(馬場徹)に堀井しのぶ(塚地武雅)の件で謝らなければならないことがあると告げる。

明治神宮で行われた花火大会に家族と来場した際、母親と花火を見に来ていた堀井を見かけたという横山。その様子を見て、今までの自分が堀井に対して勘違いをしていたと伝え、みんなに謝罪するも、リアクションの低さに困惑する。

その時、亡くなった田辺の娘が救急から連絡を受けて聖まごころ病院へやって来た。

啓介から死因は「くも膜下出血」だと伝えられ、孤独死なんて情けないと静かに感情を吐露。すると、トラさんをはじめ、“まごころ”へ来ていた老人たちが田辺のもとへやってきて、ついこの間までは元気だったと思い出話を交えながら田辺の娘に伝える。

そして、亡くなってからも孤独にさせないように、最後はみんなでご遺体にお供え物を添えて、お別れをするのだった。

その日の夕方、仕事を終えて聖まごころ病院を後にする堀井。堀井が帰った後、高峰はずき(平岩紙)は、堀井が母子家庭で複雑な家庭事情を抱えていることを“まごころ”の面々に伝える。

一方、堀井はカフェのトイレで着替えをし、メイクを落とし、カツラを被り、中年男性の姿に変わる。そのまま注文したドリンクを片手に自宅へ帰るのだった。

家に帰ると、いつもとは別人みたいに母・房江(藤田弓子)に冷たくあたる堀井。そこには元小学校教師である母への堀井なりの優しさが隠されていた。

翌日、いつものようにメイクをしながら身支度を整え、聖まごころ病院へ出勤する堀井。

はずきから事情を聞いた“まごころ”の面々はどこか神妙な面持ちだったが、横山は悲劇か喜劇かを決めるのは堀井自身であって、我々が決めつけるのは傲慢だと言い、自分自身を納得させる。

その頃、はずきと享はNPO法人「Not Alone」に訪れていた。

“まごころ”と「Not Alone」が業務提携を行い、ホームレスをはじめ、身寄りのない人たちに向けた見回り医療サービスの実施を南舞(橋本愛)と若井あかね(高井千聖)に提案。

しかし若井から、「Not Alone」はあくまで慈善事業のため、民間の医療機関と一緒に仕事をすることはできないと 断られてしまう。

しかし、享は利益を得るための提案ではないと伝え、はずきは私たちソーシャルワーカーがもっと行政と連携すれば、生活保護申請をしたり、家族と連絡を繋げたり、まだまだできることは多いと伝える。

そして享は、もうシゲさん(新井康弘)の時のような悲劇を繰り返したくないと訴えるのだった。

実際に、享が南と若井に同行し、ホームレスたちが集まるエリアへ。

南と若井には終始にこやかに対応していたホームレスたちだが、南が医者として享を紹介すると態度が豹変。

医者はみんな“銭儲け”ばかりしていると言われ、享が“まごころ”の医者であることを知ると、“まごころ”に行くくらいなら死んだほうがましだとまで言われる始末…。

道のりの険しさを痛感する享だった。

翌日の朝、高峰啓三(生瀬勝久)が突然、享に外科医になれと提案。啓介に享は外科医になれるかと聞くと、啓介は臨床だけなら可能だと答える。

自身が癌になり、死の淵から生き返れたことで身をもって医療のありがたみを実感したという啓三。

そして、人生を見つめ直し、生き方を180度変えることにした啓三は、聖まごころ病院の存続のために、享を外科医にしたいと思いを明かすのだった。

「いちいち極端なんだよ!」とあしらう享だったが、目の前でやりとりを見ていたヨウコは、形成外科なら享がいま担当している美容皮膚科に近いのではと伝え、啓介もその意見に同意する。

享は聖まごころ病院でいつもの面々にその話を打ち明けるが、みんなは、最近の享の活躍が美容皮膚科の範疇を超えてい ることに驚いていた。享自身も自分が何科の医者なのかわからないと吐露する。

享の話から、矛先は田島にシフト。なぜ田島は泌尿器科を選んだのか、深堀するべく話を聞こうとした矢先、岡本の携帯が鳴り響く。南からの電話だった。

岡本がドハマりする監督の映画作品があるから、一緒に見に行こうと提案するが、岡本が享と一緒に居ることを伝えると、かけ直すと言われ、電話を切られてしまう。

その一部始終を見ていた享は岡本の言動がひっかかり、しつこく問い詰めると、観念した岡本が南と電話していたことを明かす。

それを聞いた享は、親父とはSMの主従関係で岡本とはカルチャーな間柄、自分と南との関係の薄さに平等じゃないと“まごころ”内に響き渡る大声で激昂し、感情を爆発させた。

一方、堀井は買い物を終えて実家に帰ると、玄関前に停められていた自転車のカゴの中に、スーパーのチラシに紛れて訪問介護サービスのチラシが入れられているのを発見し、どこか複雑な表情でそのチラシを見つめていた。

家では房江が得意料理を作っていたが、堀井が夜勤であることを忘れており、お弁当にするからと伝えるもペヤングを食べるからいいと断ってしまう。

そして堀井は、房江が自転車に乗っていたことを注意するのだった。

房江はお弁当を持って行かなかった堀井にお弁当を渡すため、急いで支度をし、あれほど注意を受けたのにも関わらず自転車に乗って追いかけに行く。

その時、歩道から飛び出してきた少年の順太とぶつかってしまい、交通事故を起こしてしまった。

いつものようにメイクをして出勤の準備をしているところに携帯が鳴り、現場に居合わせた男性から、 房江が交通事故に遭った通報を受ける堀井。

聖まごころ病院にも救急コールが入り、搬送準備を整えることになる。

事故に遭った順太を運んだ救急車が“まごころ”に到着するが、そこには堀井が同乗しており、自分の母が起こした事故であることを告げる。

さらに、搬送中に順太の容体が悪化しており、啓介は事故の衝撃で頭蓋内に損傷がある可能性を伝え、急いでCT検査の準備にとりかかった。

房江も後続の救急車で“まごころ”へ搬送されており、ヨウコは人手が足りないと白木に伝え、急いでヘルプを呼ぶように指示を出す。

そんな状況とは知らず、享は気まずい空気が流れるなか、南と岡本と一緒に映画を見に来ていた。

2人の間に陣取った享は2人のためにポップコーンを買いに行くが、南は岡本に何で連れてきたのかと、嫌悪感をあらわに。

その時、聖まごころ病院から享の携帯に連絡が。ポップコーン片手に“まごころ”へ駆けつける享。そのタイミングで房江も“まごころ”へ搬送されてくる。

堀井の母が起こした交通事故であると知った享は状況が理解できず、困惑するが、ヨウコは股関節の後方脱臼に、脊椎骨折の可能性もあり、重症だと伝え、急いで処置の準備をするように享に伝えた。

そして、順太のCT検査をした啓介は、頭蓋内の異常は見当たらず、脳震盪の疑いを示唆するが、激しい痛みを訴える順太の肘を見て、ヨウコは三次救急へ搬送することを告げる。

順太の肘は折れた骨が皮下組織に引っかかって、凹みが起きており、神経麻痺を起こしている可能性があると言う。

ヨウコは、順太にサムズアップや手のひらをグーやパーにしてと指示するが痛くて動かせないと訴える順太。

このまま放っておくと、橈骨神経麻痺の後遺症が残る可能性があり、最悪のケースを想定すると事故を起こした加害者側である房江の罪になってしまうと話すヨウコ。

状況を鑑みた啓介は北新宿救命救急センターの医師・広重(画大)へ連絡を取るように白木に伝えた。

啓介が同乗し、順太を北新宿救命救急センターへ搬送した“まごころ”の面々は、房江の処置に取りかかる。

房江の心境を考えて、着替えてメイクを落とすように伝えるヨウコと享だったが、堀井はもう遅いと言い、ありのままの姿を房江に見せながら手術の準備を進める。

自身の怪我よりも、女性として働く息子の姿に驚きを隠せない房江。“お互い”に受け入れないといけないと伝える堀井。そして、堀井の口から房江が認知症を患っていることを聞かされるヨウコと享。

頭も良く、いつも元気でハキハキしていた母親だったからこそ、その現実をなかなか受け入れることができなかったと胸の内を語った。

高校を卒業し、看護学校に入学する直前に、幼い頃から感じていた違和感を初めて両親に告白したという堀井。

頭の固い父・英輝(野添義弘)は聞く耳を持たず、着たい服を着て、好きなときにお化粧することのどこがいけないのかと言い返すと、英輝は「男なんだよ!お前は!」と怒鳴りながら堀井を叱責したという。

唯一、房江だけが「どんなことがあってもお前の見方だよ」と自分のために泣いてくれたこと語る。

堀井は男の子として生まれてきたのに、こんな息子になってしまって、房江の気持ちを考えると本当は悲しかったんじゃないかとヨウコと享に伝えた。

享は、それが理由で母親の前で男らしく振舞ってきたのかと問うと、堀井は少し違うと答える。

亭主関白な英輝が大好きだった房江。そんな両親を見るのが嫌で、堀井は20代の頃に家を出てから、ほぼ絶縁状態だったという。

しかし、15年前に英輝が他界し、房江の定年退職もあり、独居老人になってしまうことを心配した堀井は、 実家に近い病院で働くことに決めた。

ただ、こんな身なりや性格を受け入れてくれる病院が簡単に見つかるわけもなく、面接受けても軒並み落とされる日々。

そんな時、聖まごころ病院の面接を受けた際に、啓介から「女性とか男性と関係ない、うちが欲しいのは優秀な看護師だから」と言われ、面接に受かり、晴れて“まごころ”で看護師長として働き始めたのだった。

“まごころ”に就職が決まってから久しぶりに実家に帰ると、家の中がゴミで溢れかえっており、キレイ好きで家事が好きだった房江が何もできない人になっていた。

一時的なもので時間が経てばそのうち元に戻ると思っていた堀井だが、認知症は思いのほか進行していて、房江のなかで堀井と英輝が混同するように。

最初のうちはその都度訂正していたものの、あと何年一緒に過ごせるかも分からないことを考えると、最後まで房江の気持ちに付き合ってあげようと考え、堀井は身なりを中年男性に変えて、他界した英輝のふりをしながら過ごしていた。

しかし、堀井は今回の事故をきっかけに、房江の現実をしっかりと受け入れなければならないと痛感。ちゃんと介護認定を申請して、ホームヘルパーをお願いすることに決めようとする。

その時、順太の三次救急で北新宿救命救急センターに行っていた啓介が戻ってきた。ヨウコの見立て通りだったが、手術は無事成功し、順太は大事に至らず済んだと啓介から聞き、安堵する面々。

そして、房江の病室に移動したヨウコは、骨がくっつくのに1ヵ月ぐらいかかると言い、当分は寝たきり生活になることを伝える。

落ち込む房江だが、啓介からリハビリがてら“まごころ”にしばらく入院しないかという提案を受けた。

英輝に扮した堀井の後押しもあり、お言葉に甘えて入院することに決めた房江。そして、正式に認知症と診断され、“まごころ”で本格的な介護生活がスタートするのだった。

一方、享はNPO法人「Not Alone」でボランティア活動を続けていたが、やがてホームレスの人たちが診察を受けにきたり、生活保護申請を受けるため“まごころ”にやってきたりと、見回り医療サービスが少しずつではあるが形になってきていた。

そして、房江の病室では、房江の自転車とぶつかり救急搬送された順太が面会にやって来る。 誠心誠意、心を込めて謝罪する房江。その後の怪我の具合を聞くと、順太は満面の笑みでサムズアップをし、無事を伝えるのだった。

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