小池栄子×仲野太賀が語る宮藤官九郎作ドラマ『新宿野戦病院』の世界「コントの延長のような、“エンタメ”として楽しんで」

公開: 更新: めざましmedia
小池栄子×仲野太賀が語る宮藤官九郎作ドラマ『新宿野戦病院』の世界「コントの延長のような、“エンタメ”として楽しんで」

ドラマ『新宿野戦病院』で主演を務める小池栄子さんと仲野太賀さんが、演じる役や作品の世界観などを語りました。

7月3日(水)にスタートする、小池栄子さんと仲野太賀さんのW主演ドラマ『新宿野戦病院』は、新宿・歌舞伎町にたたずむ「聖まごころ病院」を舞台に描かれる、救急医療エンターテイメント。

ホストやキャバ嬢、ホームレス、トー横キッズ、外国人難民などさまざまなバックボーンを持つ“ワケあり”な登場人物たちが、悩みや問題を抱えながらも強く生きる姿を通して、「命」の尊さを投げかける作品です。

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本作でアメリカの元軍医、ヨウコ・ニシ・フリーマンを演じる小池さんと、美容皮膚科医・高峰享を演じる仲野さんに、お互いの印象や撮影エピソードをインタビュー。また、めざましmediaのキャッチコピー「“好き”でつながる」にちなみ、現場の“好き”についても聞きました。

小池栄子 宮藤官九郎の脚本は「“今の時代”が描かれている」

──オファーを受けた際の心境を聞かせてください。

小池:まず面白い企画だなと思いましたし、面白いと思える作品に出演させていただけて光栄だなと思いました。

役柄としてはクリアしなければいけないハードルはたくさんありますが、チャレンジをすることが好きですし、周りは仲野さんをはじめどんなに自分が未熟でもすべてを面白いことに変えてくれる役者さんばかりなので、撮影が楽しみでしたね。

仲野:僕は小さい頃から宮藤官九郎さんのドラマを見て育ってきました。今までも何度か宮藤さんの作品に出たことはあるのですが、主演を務めさせていただけるというのはうれしくて…あの頃の自分に言ってやりたいです。

題材もすごくチャレンジングですし、小池さんをはじめ素敵な俳優の皆さん、スタッフの皆さんと共にこの作品をつくれることがうれしいですし、この先がとても楽しみです。

──宮藤さんの脚本を読んだ感想を聞かせてください。

小池:今4話まで読ませていただいているのですが、すごく面白いです。聖まごころ病院に運ばれてくる患者さんのバックグラウンドはニュースで見たことがあるようなもので、うまく“今の時代”が描かれているなとも思いますし。

患者さんは人ともめたり、悩んだり、いろいろな事情を抱えるなかでケガをしたり、病気をしたりして病院に運ばれてくるのですが、そういう患者さんとふれ合って、医療とは何か、人の命を救うとは何か、自分の存在意義とは何かというものが、これから描かれていくんだろうなと感じています。

あとは、群像劇なので登場人物たちみんなにたくさんエピソードがあって、みんなで作り上げていく感じで。監督は「舞台みたいだね」とおっしゃっていましたけど、まさにそういう感覚を受けました。

仲野:宮藤さんの脚本は、ユーモアいっぱいに物語が描かれていますが、本質はヒューマンドラマで、根底はとても社会派なんです。今回も社会に対する宮藤さんのメスが鋭利だなと思っていて。

小池:Scalpel!

仲野:メスのことですか?

小池:Yes!Scalpel!

仲野:(笑)。今回も歌舞伎町の物語ではありますけど、日本の不条理や不寛容、そういうものが描かれている気がします。

実際、劇中には難民申請をしても受理されない外国の方、元ヤクザ、トー横キッズが出てきます。勝手な偏見、差別、カテゴライズで人のことを決めてしまうような社会だと思うんですけど、あくまでも命は平等で。命の重さに大小はあるのか、公平さって何だろうかとか、そういうことがこのドラマでは描かれていると感じています。

ここまでユーモアのある社会派ドラマってなかなかないですよね。もちろんドラマを見て笑ってほしいし、楽しんでもらいたいけど、考えることも大事で。宮藤さんじゃないと書けない切り口だなと思いました。

仲野太賀 享のチャラさは「探り探りでやってます」

──元軍医のヨウコは英語と岡山弁を話す難しい役柄かと思いますが、どのような役と捉えて演じていますか?

小池:ヨウコは、おおらかさがあって、どんな立場の人とも対等に、自分の意見をハッキリ言う。時に日本の文化のなかでは失礼に感じてしまう言動もあるかもしれませんが、ヨウコには失礼に感じさせない突破力があって。元軍医という設定もあって、思いっきり遊べる役柄だなと感じています。

今は語学指導をしてくださる先生に、アメリカで育った方ならではのちょっとした会話中の手のアクションなどを教えていただきながら、リハーサルでいろいろと試しながら役をつくっています。

私が英語をしゃべっていることすらも、視聴者の皆さんには笑いながら楽しんで見ていただきたいですね。頑張ってはいますが、やはりネイティブな発音には達していないところもあると思うんです。それでもドヤ顔で突っ走りますので(笑)。

コントの延長のような、“エンタメ”として楽しんでいただけたらうれしいです。

──気持ちを追い込みすぎずに臨んでいるということでしょうか。

小池:そうですね…やっぱり難しいですから。英語はレッスンを積み重ねても、「これでいい」というラインはなくて。先生が細かく指導してくださいますけど、実際にお芝居をしてみると、うまくいかないことも多くて。セリフが飛ぶことも多いですし。

特に医療シーンの長セリフなんかは、もともと医療の知識がないうえに、医療用語が英語になっているので、作業をしながら、人に指示を出しながらセリフを言うとなるとパニくるんですよ。

でも、クランクイン前にやったリハーサルのときだったと思うのですが、「周りもみんな、日本語だけど英語っぽいなまりになっていたら、私の(英語の)下手さが目立たないんだけどな」と言ったら、瞬時に太賀さん、濱田(岳)さん、岡部(たかし)さんが取り入れてくださって。

本当に心強いなと思いましたし、大変なことも多いですけどこのメンバーとだったら楽しめそうだなと思いました。

──仲野さんは役柄についていかがですか?

仲野:僕が演じる享は、美容皮膚科医師として麻酔の勉強をするために聖まごころ病院に来ているので、外科手術の経験や専門的知識も少なくて、運ばれてくる患者に対しての覚悟もないような人。

小池さんが演じるヨウコは自由で芯を持っていますが、享は逆になんの芯もない、いろいろなことに流されていくキャラクターなのかなと思っています。港区で豪遊していそうな、チャラチャラした成金です(笑)。

小池:素足ですしね(笑)。

仲野:7分丈パンツで、素足です(笑)。

そういうキャラクターが、新宿・歌舞伎町といういろいろな人が入り混じっている街で、ヨウコという人に影響されて成長していくような役になっていく気がしています。

──享のチャラさはすでにつかめてきていますか?

仲野:チャラさの種類もいろいろあるでしょうし…いい塩梅を探り探りやっています。享は聖まごころ病院の院長・高峰啓介(柄本明さん)の孫で、一応医療の道を志した人間でもあるので、きっとどこかには「人のために何かしたい」という思いもあるだろうし、丁寧に表現していきたいです。

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──現場はどのような雰囲気ですか?

小池:本読みと医療シーンのリハーサルをやっていて思ったのは、なんか早かったですよね?

仲野:現場の空気ができるのは早かったですね。

小池:事前に、私たちの代役の方が動きを作ってくださっているのですが、それを2回見て、3回目で急に監督から「はい、入って!」と言われて動揺したのをすごく覚えてる(笑)。

仲野:そうでしたね(笑)。

小池:しかも皆さん完ぺきにセリフを入れて、すごく念入りにリハをしてくださっていて。自分の代役の方をスタジオの端から一生懸命のぞき込むように見て、「ヨウコはこうか…」と思っていたら急に芝居するように言われたから、どうしようかと思いました(笑)。

でも、スタッフの皆さんが「こっちから撮ったほうが面白いんじゃないか」とか、本当に細かく考えながら作ってくださるので、「リハができるっていいな」と思いましたね。

動きだけじゃなく、役と役の関係性、この人はどういう気持ちでここにいるのか、そういうことも丁寧に演出してくださるので楽しいです。

──初共演のお2人ですが、お互いの印象を聞かせてください。

小池:こんなに肩に力の入っていない役者さんって、すごいですよね。普段からいち視聴者として作品を見ていますが、硬派な役、情けない役、怪しい役、胡散臭い役、すごくいろいろな顔を見せてくださいますし。

あと、「この役はこういう人だからこうする」と決め込まないで、自分の役柄の範囲内でシーンの温度を大切にしながら遊んでいらっしゃる方なのかなと勝手に思っていました。

それはリハーサルを一緒にやらせてもらっているなかでも感じたんですけど。皆さんの芝居をしている温度や声のトーンを聞いて、自分が一番おいしくなるところにスッといくのがうまいな、と。

仲野:そんなことないです(笑)。そう言っていただけるのはうれしいですが。

小池:さすがだなと思いました(笑)。

仲野:小池さんは、子どもの頃からずっと見ていて…。

小池:私、まだ43歳だよ(笑)。

仲野:…すみません、大ベテランみたいに言っちゃって(笑)。でも、本当にずっと活躍されているのを見ていたんです。

小池:いえいえ(笑)。うれしいですよ。

仲野:小池さんはいろいろなフィールドで活躍されていて、できないことはないんじゃないかというくらいスマートで。お芝居をしていてもそうですし、バラエティを拝見していても、本当に頭のいい方なんだろうなと思っていました。

それでいて、どんな立場や役柄でも、どんなシチュエーションでも、誠実さが伝わってくるというか。仕事に対するプロフェッショナルさを感じますし、いつかご一緒できたらいいなと思っていたんです。だから、今回の共演でいろいろと勉強させていただきたいです。

小池:頑張るよ…。でも、途中で「キツいよ、太賀くん…」「やばいよ、どうしよう」って言っていると思う(笑)。

仲野:僕なんかで良ければ、いくらでも言ってください。受け止めます!!

──本作は、新宿・歌舞伎町が舞台ですが、新宿の思い出はありますか?

小池:高校生の頃、新宿アルタのあたりには遊びに行っていましたけど…この間、歌舞伎町で深夜ロケをやらせていただいたのですが、もう随分と様子が変わったなと感じました。

たぶん少年少女だろうなという子たちがウロウロしていて。私はもう年齢的に母心で見ちゃうから、こんな深夜の繁華街に…って、他人ながら心配になるけど、そうやって心配してくれる親御さんがいる人は幸せだけど、そうじゃない子たちの行き場にもなっているんだろうなと思うと、やりきれない気持ちになりました。

仲野:僕は新宿が地元から近くて、小さい頃からよく行っていました。

昔、新宿スカラ座という大きな映画館があって、『ハリーポッター』を見るために母と並んだ記憶があります。帰り道にすごく怖いおじさんとすれ違ったときに、「この街怖い」と思ったんですよね。

でも、地元の駅に着いて、父(中野英雄さん)が迎えに来てくれていて…父の見た目が一番怖かったという(笑)。

小池:ははは!

仲野:それを今思い出しました(笑)。 やっぱりコワモテ俳優だな、と。

小池栄子&仲野太賀 ドラマや映画の現場で“好き”な瞬間は?

──めざましmediaは“好きでつながる”がキャッチコピーなのですが、お互いの好きなポイントを聞かせてください。

小池:人懐っこいワンちゃんみたいな印象があって、きっといろいろな人に可愛がられる方なんだろうなと思います。でも、年下の子に相談されたらビシッと言ってあげる男気もありそうな、芯の通った方なんだろうと思いますし、そこが魅力的だなと感じました。

裏表ないですよね?

仲野:このままと言えばこのままかもしれないですね。

──わしゃわしゃしたくなる感じがありますか?

小池:年下ということもあって、すごく可愛く感じるんですよね。でも、頼りがいもあって。

仲野:土佐犬みたいな感じですか(笑)?

小池:そうそうそう!目を見たら可愛いみたいな(笑)。今日、取材でずっと一緒に過ごしていますが、安心感がありました。

──仲野さんから見て、小池さんの好きなポイントは?

仲野:テレビで見ている印象は本当にクレバーな方なんだろうなと思っていて。

バラエティでもどっかん、どっかん場を沸かせて、みんなを楽しませて、そのプロフェッショナルな感じが本当に素敵だなと思います。

小池:うれしい~!

仲野:今日一緒に取材を受けていても、僕や周りの人の緊張を和ませてくださいましたし。

小池:いや、緊張なんかしてないでしょ(笑)。

仲野:めっちゃ緊張します!

小池:本当?でも堂々としてるって言われない?

仲野:言われることはあります。

小池:誰が相手でもひょうひょうとしてますよね。

仲野:緊張していることをバレないようにしつつ、汗だくだくみたいな感じです。でも、小池さんがいるとすごく楽しいし楽(らく)です!

小池:うれしい。そう言ってもらえてよかった。

──ドラマや映画の現場で好きなものや好きな瞬間はありますか?

小池:他愛のない話をしている瞬間が好きです。スタッフさんがちゃちゃを入れ合っていたりして、でも、本番になったら各部署の方がプロフェッショナルとしてピリッとする。その緩急がいいですよね。

緩和の部分でスタッフさんの笑顔を見ると、「こんな顔をするんだ」とか新しい発見があって、うれしくなります。

特に、今回はチーフ監督がベテランの方で、冗談も言うけどオーラがすごいんです。そういう人の意外な一面は、撮影期間中にいろいろと発見していきたいですね。太賀くんはどう?

仲野:そうだな…(熟考)。やっぱ他愛もない話を…(笑)。

小池:一緒(笑)。

仲野:ちょっと待ってください!

小池:好きな瞬間がいっぱいあるんじゃない?

仲野:いっぱいあります!例えば、日中の撮影が早めに終わって、日が暮れるのを待つ、中空きがあったりするのですが、そういうときにスタッフさんがただただボーッとしている姿を見るのが好きです。

小池:分かる!

仲野:く何をするでもなく、ボケーッとしている感じがいいんですよね。普段パリッとしている人たちが緩んでいる瞬間は、すごく好きです。

小池:スタッフさんの素が見えるのがやっぱりいいですね。

──最後に、視聴者へメッセージをお願いします。

小池:宮藤さんの脚本ということで、視聴者の皆さん期待されてると思います。その期待を裏切らないように一生懸命頑張ります。 ホットなものをお届けしたいなと思っておりますので、楽しみにしていてください!

仲野:…僕も小池さんと同じ思いです。“夏感”はないかもしれないですが、このドラマで夏を楽しんでもらえるように一生懸命頑張ります。気楽に楽しんでください。

撮影:YURIE PEPE