宮藤官九郎『新宿野戦病院』主演の小池栄子を「瞬発力、破壊力がすごい」と絶賛!引っ張りだこの仲野太賀には「“あえて”嫌な奴の役を(笑)」

公開: 更新: めざましmedia
宮藤官九郎『新宿野戦病院』主演の小池栄子を「瞬発力、破壊力がすごい」と絶賛!引っ張りだこの仲野太賀には「“あえて”嫌な奴の役を(笑)」

宮藤官九郎さんが、脚本を手掛けるドラマ『新宿野戦病院』の取材会に出席し、主演を務める小池栄子さんと仲野太賀さんの印象を明かしました。

7月3日(水)にスタートする水10ドラマ『新宿野戦病院』は、新宿・歌舞伎町にたたずむ「聖まごころ病院」を舞台に描かれる、救急医療エンターテイメント。

ホストやキャバ嬢、ホームレス、トー横キッズ、外国人難民などさまざまなバックボーンを持つ“ワケあり”な登場人物たちが、悩みや問題を抱えながらも強く生きる姿を通して、「命」の尊さを投げかける作品です。

本作で脚本を手掛ける宮藤官九郎さんが、取材会に出席。初めて医療ドラマを手掛ける思いや、キャストの印象、舞台となる新宿・歌舞伎町の思い出などを語りました。

 『新宿野戦病院』は『池袋ウエストゲートパーク』『木更津キャッツアイ』の流れの最新作

──1月期に放送され、大きな話題を呼んだドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS)後の脚本作品ということで期待も大きいですが、本作はどのような思いで制作していますか?

『不適切にもほどがある!』もことさら一石を投じてやろうと思ったわけではなくて、いつも通り作ったらすごくいろいろな人が話題にしてくれて、結果、ありがたかったなという感じなんですけどね。

僕のゴールデン(タイム)の連ドラデビュー作は『池袋ウエストゲートパーク』(TBS)でした。池袋は大学のときに通り道だったけど、よく知らない街で。でも、実際に歩いてみて、原作を読んで、「こういう街には、こういう人たちが住んでいるんだろうな」ということを想像しながら作った作品です。

その後、『木更津キャッツアイ』(TBS)を作って、今作は、実在する街シリーズの最新版かなと思っています。

「歌舞伎町に行ったらあの医者たちがいるんじゃないか」「歌舞伎町のあの角を曲がったら(今作の舞台になる)聖まごころ病院があるんじゃないか」「トー横に集まっている若者のなかに、登場人物がいるんじゃないか」と思ってもらえるような、身近な作品になったらいいなと考えています。

医療ドラマはたくさんありますが、患者さんの人生が描かれる作品にしたいと考えています。歌舞伎町という土地柄、一風変わった病気にかかる人がいて、大きな病院で診てもらいたいけど診てもらえない事情があったり、そういうところも描きたいと思っています。

取材をするなかで自分が感じたことなのですが、あまり知られていないことですし、ドラマで書きたいなと。だから、お医者さんたちのバックボーンは、序盤はあまり出さないようにしています。

──河毛俊作監督からのオファーで本作の脚本を担当することになったそうですが、河毛監督の印象や期待していることを聞かせてください。

80年代、90年代のドラマを見ていて、フジテレビのドラマには、“フジテレビのドラマらしさ”があると思うのですが、河毛監督はきっとその下地をつくられた方。

そんな方と23年前に『ロケットボーイ』(フジテレビ)を一緒にやって、そのときにも感じたんですけど、言葉で説明するのは難しいですが、意外とウェットじゃないというか、割と乾いている印象です。そこは期待というか、河毛さんの演出を想定して脚本を書いています。

宮藤官九郎 今の新宿・歌舞伎町を取材!「猥雑な感じが面白い街」 

──今回、宮藤さんは医療ドラマ初挑戦。初めてのジャンルを手掛ける難しさ、医療を扱う本作で大切にしていることはありますか?

僕、あんまり病気にならないんですよ、こう見えて。だから、病気やケガに対してそんなに危機感がなくて。医療に対する意識が低いところからスタートしているんです。だから、最初は「書けるのかな?」と思っていました。

今は、資料で調べたり、周りのスタッフさんたちにたくさん質問をして、教えてもらいながら作っています。たまに僕だけが知らない用語が出てきて「あぁ、なるほど」と分かったフリをして、あとで検索するということもあるんですけど(笑)。

幸いなことに、医療監修に入ってくださっている先生が、すごくいろいろなアイデアをくれるんです。「こういうケガで、これくらい危険な状況を書きたい。それで、あまり見たことがない処置でありつつ、大学病院とか救命センターではなく町医者ができる処置ってありませんか?」と言うと、「こういうケースがあります」と教えてくださって。

そうやって提示してもらった状況にもっていくには…と、病気やケガの症例からストーリーを考えています。これは古典落語からストーリーを考えていた『タイガー&ドラゴン』(TBS)のときの作り方と似ていますね。

──ドラマの制作が発表された際に、「歌舞伎町の設定は、僕のために用意されたもの」とコメントしていましたが、歌舞伎町にまつわる思い出はありますか?

歌舞伎町には昔、友だちが住んでいましたし、(自身が役者として)お芝居をやるのも新宿が多かったんですよね。だから、よく芝居をやって、友だちの家に行って、飲みに行っていました。

その頃、タイ人の方がやっているディスコに行くことがあり、そこでかかっている音楽がめちゃくちゃカッコよかったので、テープを買ってバンドで演奏したこともあります。グループ魂より前でしたけど、阿部(サダヲ)くんも一緒にやっていました。

タイの方がやっているディスコと、コロンビアの方がやっているディスコと、韓国の方がやっている飲み屋さんと、台湾の方がやっている飲み屋さんを1日でハシゴするみたいなこともやっていました。今よりももっと“外国の方の街”というイメージでしたね。

当時は怖い目にも遭ったし、ぼったくられたこともあるし。今は以前に比べてすごく健全な街に見えるのかなと思います。だからこそ、若い人が「ここに来れば友だちができる」と集まってきて、違った意味で治安が悪くなってきているのかもしれませんが…。

──今回、実際に歌舞伎町を取材したとのことですが、新しい発見などはありましたか?

以前は歌舞伎町で撮影なんかできなかったんですよね。何度かチャレンジしたことがあるのですが、やっぱりいろいろと難しくて(笑)。

でも、このドラマをやることになり、ぶらぶらと歩いてみたら、以前とは違って若い人が多い。あと、ホストクラブの多さにも驚きました。

コンセプトカフェがあったり、歌舞伎町タワーができたりもして、僕がよく行っていた頃とは全然違うけど、相変わらず外国の方も多い。その猥雑(わいざつ)な感じが面白い街ですね。

宮藤官九郎から見た小池栄子「できないとは言わないところがカッコいい」

──主演の小池栄子さん、仲野太賀さんは、宮藤さんからのリクエストでキャスティングされたそうですが、お二方の魅力や期待していることがあれば聞かせてください。

小池さんは、僕が書いた舞台や映画に出てもらったことも、役者として共演したこともあり、いろいろと一緒にやらせていただいていますが、瞬発力、破壊力がすごいですね。

あとは、本当に楽しそうに笑ってお芝居をする小池さんを見ると、すごく魅力的だなと思います。嘘がないんですよね。

絶対に「できない」「無理」とは言わないところもカッコいい。今回、英語と岡山弁しかしゃべらないし、小池さん自身がやったことがないっていう手術の芝居までしなきゃいけないですし、本当は嫌だと思うんです。それでも、今のところ「できない」とは言っていないので、すごいなと思っています。

──仲野さんはいかがですか?

自分をカッコよく見せようとしない、嫌な奴の役をやったときにちゃんと「ほんと憎たらしいな、こいつ」と思われるところまでやってくれる人って、今すごく貴重だと思うんです。

以前、ドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ)で“ゆとりモンスター”の役をやってもらったのですが、太賀くんの演じ方が本当にすごくて。説明が難しいんですけど“ホンモノ”に見えるというか。しかも今の状況に甘んじず、常に進化しているというか。だからみんな太賀くんのこと好きなのかもしれない。

今、みんな太賀くんと仕事をしたいと思っていますよね。いろいろな作品に出ていて、いろいろな役をやっていて、どの役を演じても素晴らしいですから。

朝ドラ『虎に翼』(NHK)に出て、2026年には大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK)の主演も決まっていて。だから逆に『新宿野戦病院』で、ちょっと好感度下げといたほうがいいんじゃないかと思って、あえて“嫌な奴”の役にしています(笑)。

──仲野さんが演じる高峰亨がちょっと鼻につくキャラクターなのは、そういう意図なのですね。

太賀くんは“嫌な奴”を演じるのがうまいですから。先日「ポルシェ乗ってるからね」と言う場面を現場で見た時、絶妙な表情で、ほんとムカつく奴だなぁと思ったんです。でも、それがちゃんと表現できるって、本当にすごいなと思いました。

宮藤官九郎からメッセージ「1話だけで判断しないで」

──ほかに出演をリクエストしたキャストの方はいますか?

ほかの皆さんは、みんなで名前を出し合いました。でも、出していた方が皆さんご出演してくださっているので「揃っちゃった」という感じで(笑)。うれしいです。

橋本愛さんは、当たり前だけど、大人になったなぁと思いましたし、(濱田)岳くんは「この人の感覚、面白いな」と共演した時から思っていて、脚本を書いていていつも楽しいです。 

──アメリカ国籍の元軍医、ヨウコ・ニシ・フリーマンのキャラクターは、どこからアイデアが生まれたのでしょうか?

軍医というのは、河毛監督のアイデアですね。日本にも自衛隊の方はいますけど、毎日命がけのところにいたヨウコが急に日本に来て、日本の医療制度のなかで働くことになったら、驚くことがたくさんあるだろうし、面白い設定だなと思いました。

今の日本の医療は、どちらかと言うと病気を未然に防ぐとか、あとは美容系が注目されている。

でも、歌舞伎町って人が刺されたり、喧嘩とか、ちょっと物騒なニュースが多くて、普通は「怖い」と感じると思うんですけど、ヨウコは軍医だから見慣れている、怖いと思う感覚がまったくない、むしろテンションが上がる。

それを現実感を持って演じられるのは小池さんぐらいだと思いますし、脚本もセリフは小池さんの声を想像して書いていました。

──最後に、放送を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。

医療ドラマはやったことがないジャンルなので分からないことだらけですが、今のところ順調に書けている気がしています。

聖まごころ病院で働くお医者さんや患者さんのことが、最終的には全員好きになってもらえるようなドラマにしたいと思っているんですけど…あまり期待しすぎず、粗探しをしないで見てもらえるとうれしいです。あとは、1話だけで判断しないで、ぜひ最後まで見てください!