もし大食い社員いたら生まれず…『八天堂のくりーむパン』奇跡的な誕生のウラ側 数十個の試作で思わぬ展開

公開: 更新: カンテレTIMES
もし大食い社員いたら生まれず…『八天堂のくりーむパン』奇跡的な誕生のウラ側 数十個の試作で思わぬ展開

 41日午後、カンテレ『ウラマヨ!』で、広島が生んだ名物パン「八天堂のくりーむパン」を特集。しっとりとしたきめ細かい生地に、とろとろのクリームが絶妙に絡み合う柔らかな食感を生み出した裏側などについて迫りました。

 今回の番組は「奇跡体験やねん!パンビリーバボー!」と題し、大阪・阿倍野で父と3人の娘たちが営む町のパン屋さんで起きた“衝撃の事件”など、人気パン屋さんの奇跡体験を紹介。

 その中で、八天堂では現在の三代目・森光孝雅代表取締役社長が大成功を収めるまでの間に“感動的な家族ドラマ”が繰り広げられていたことが明かされ、インタビュー中に思わず社長が感極まる一幕もありました。

 そんな八天堂の定番商品は全部で5種類。一番人気は「カスタード」で、あっさりとしたカスタードクリームに純生クリームを加えることでなめらかな食感に。

 他にもくちどけが良く甘さ控えめの「チョコレート」や、福岡県産のブランド茶・八女茶を使った「抹茶」は清々しい香りとほのかな苦みが特徴。さらに今の時期は果肉たっぷりの苺ジャムに優しいクリームの甘さが融合した、季節限定「あまおう苺」も人気です。

 「くりーむパン」を主力とする会社の年商は35億円。広島県にある広島みはら臨空工場では、16万個のくりーむパンを製造していて、全国で販売されるほぼ全てがそこで作られています。

 工場をのぞき見していると、製造方法にあのなめらかなくちどけを生み出す秘密が…。通常のクリームパンはクリームを入れてから焼き上げますが、八天堂では先にパンを焼いてから、シュークリームのように後からクリームを注入。

 またクリームにも特徴があり、カスタードと生クリームを混ぜる際、あえて混ぜ切らずマーブル状にすることで濃厚でも重すぎない味わいを生み出していたのでした。

 スタジオに登場した八天堂常務取締役の藤井康平さんは、MCブラックマヨネーズの小杉さんから「こだわりはどういうところにあるんですか?」と尋ねられると、「実は昨年12月に、よりおいしくリニューアルをさせていただきました」と、さらなる美味しさを追求し続けていることだと回答。

 「パン生地を風味豊かにしたのはもちろんなんですけど、クリームを以前と比べて増量して、よりスイーツ感を感じていただけるよう開発しました」と続けると、小杉さんは「今色んなパンが小っちゃなったり個数減ったりしてる中、増量ですか?」とビックリ。相方・吉田さんも「すごいな…別に誰が頼んだわけでもないのに(笑)」と、そのスピリットに感銘を受けていました。

 さらに八天堂の“パンビリーバボーな裏側”として挙げられたのが、冷やして食べるスタイルで人気のくりーむパンは「偶然生まれた」ということ。

 藤井さんは「開発当時、なかなか理想のくちどけにたどり着かず、何十種類も試作していたんですが、1日に何十個も食べられないんですよね」と、正しく試食できる量にも限りがあると説明した上で、「生クリームを使っているものですから、残ったパンを冷蔵庫に入れて翌朝試食をした時、クリームの水分がパンに移行して物凄くしっとりとした美味しいくりーむパンが出来上がっていまして…。『あ!これだ!』ということで完成しました」と、まさかの誕生秘話が明かされました。

 これには「今日はもう無理やから明日やろう言ってたら、明日になったら、もう凄いもんが出来上がってた!?」と驚きを隠せない吉田さん。一方、小杉さんは「大食いの社員がいなくて良かった。もしいたら今の『くりーむパン』は生まれてませんでしたね。全部平らげて『ムリっすね~!』で終わってた(笑)」と指摘。

 それを聞いた藤井さんは、ハッとした表情で「おっしゃる通りです(笑)」と答え、開発チームに食いしん坊がいなかった幸運に安堵していたのでした。


(関西テレビ41日(土)午後1時放送『ウラマヨ!』より)

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