関口メンディー “スーパーアーティスト”の役作りで困惑も「飲み込んでみたら、見える景色が変わった」

公開: 更新: フジテレビュー!!
関口メンディー “スーパーアーティスト”の役作りで困惑も「飲み込んでみたら、見える景色が変わった」

関口メンディーさんが、役作りで苦労したことを明かしました。

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現在放送中の“音楽青春コメディ”『パリピ孔明』(フジテレビ)は、「ヤングマガジン」(講談社)にて連載中の人気コミックが原作(原作:四葉夕トさん、漫画:小川亮さん)。

中国三国時代の天才軍師・諸葛孔明(向井理)が現代の渋谷に転生して、歌手を目指すアマチュアシンガー・月見英子(上白石萌歌)を成功に導いていくサクセスストーリーです。

これまで、孔明の計略によってさまざまな壁を乗り越えてきた英子たちでしたが、スーパーアーティスト・前園ケイジ(関口メンディー)が何やら暗躍していることが徐々に明らかに。ケイジはなぜ、孔明や英子の前に立ちはだかり邪魔をするのか…。

そのケイジを演じている関口メンディーさんにインタビュー。初だという悪役への思い、“スーパーアーティスト”ケイジを演じるうえで大変だったこと、憧れだった森山未來さんとの共演などについて聞きました。

前園ケイジは初の悪役「いい経験になると思い、がぜんやる気が出た」

<関口メンディー インタビュー>

──改めて、出演が決まった際の心境を聞かせてください。

最初にオファーをいただいたときは、素直にうれしかったです。アニメでこの作品を知ったのですが、音楽業界の話ということもあって、自分と重ね合わせてしまう部分もあり、だからこそ感動して泣いてしまうこともあるくらい、大好きな作品なんです。いちファンとして楽しませてもらっていました。

ただ、最初にマネージャーから「『パリピ孔明』というドラマのオファーをいただきました」とだけ言われたので、どの役を演じるかが分からなくて。四角いヘアスタイルなので孔明かなと思って聞いたら違うと言われ、雰囲気からすると赤兎馬カンフーかなと思ったらそれも違うと言われて。

最終的に、「前園ケイジです」と言われたのですが、原作に出てくるキャラクターで、アニメにはまだ出ていなくて知らなかったんです。でも、作品自体が好きなので「やりたいです」とすぐにお答えしました。

それから原作を見たら、すごくキャラが強い(笑)。だた、自分がやったことのない悪役だったので、また一つ新しい引き出しが増えるというか、自分が試されるいい経験になるなと思い、がぜんやる気が出ました。

──アニメのファンとのことですが、『パリピ孔明』の世界観に惹かれた理由を聞かせてください。

理由の一つは、サクセスストーリーとか、弱いやつが強くなっていく話が好きだからですね。

月見英子というキャラクターは、自分に自信が持てなくて、歌手として伸び悩んでいて、でも自分の行きたい目的地はあって、もがいている人。そのなかで孔明と出会って、仲間を見つけて、目的地にどんどん近づいていくという物語が、自分に重ね合わせられる部分もありますし、自然と惹き付けられました。

僕、GENERATIONSの候補生になったとき、最年長だけど一番ダンス歴が浅くて。明らかにパワーバランスがおかしいところからスタートして、強い人たちの中に入れられてあがいていたんです。だから英子に感情移入しやすいんですよね。

──ここまで放送されたドラマを見ての感想を聞かせてください。

もちろん台本を全部読んでいて、どういうストーリーなのかということは分かっているのですが、実際に映像化されたときの質感が…「今まで地上波でこんなドラマあったっけ?」と感じました。

『パリピ孔明』という作品に対するスタッフさんやキャストの皆さんの熱量とか、作品に対する“好き度”がすごく伝わってきて。僕も出演者として、『パリピ孔明』のファンとして、もっと世の中に広めたいなと思っているのですが、きっと周りの皆さんも同じことを思っているんだろうな、と。皆さんの愛を感じるドラマだなと思っています。

<【毎週更新】水10ドラマ『パリピ孔明』あらすじ完全版まとめ>

歌の披露は「正直不安だった」

──劇中では前園ケイジとして、歌も披露していますね。

歌に関しては、ラップは日頃のアーティスト活動のなかでやっていたのですが、ちゃんと歌の練習をしたことがなかったので、「どこまで(レベルを)持っていけるのかな」と、正直不安な部分もありました。

ただ、いいきっかけになるなと思いましたし、一つの挑戦としてやる価値があるなと思ったので、ボイストレーニングにも通って、臨ませていただきました。

今回のドラマに出てくる楽曲は、プロフェッショナルなチームが制作しているので、GENERATIONSでも使いたくなるくらいかっこいい曲がいっぱいあって(笑)。僕自身、ケイジとして劇中で歌わせていただくことで、新しい可能性を引き出してもらっているなと感じています。

<関口メンディー「歌が下手なのがコンプレックス」>

──ケイジは、歌、踊り、作詞、作曲、振り付けまでこなすスーパーアーティスト。演じるうで意識したこと、工夫したことはありますか?

自分なりに解釈して、「こんなふうに演じてみよう」という考えを現場に持っていっていましたが、監督とお話するなかで「こうしてみたらどうですか?」「こういうふうにやってもらえませんか?」というオーダーは常に出ていました。

そういう監督の話があると、自分の中でもキャラクターが明確になっていく部分もあったので、意識したことというと、監督やスタッフの皆さんの話を聞いて一緒に作っていくことですね。

──ケイジは、英子、BBラウンジに嫌がらせのようなことをしていますが、彼の軸には何があると思いますか?

根っからの悪人かと言うとそういうことではないと思っていて。すごく純粋で、エンタテインメントが大好きであるが故に、それがねじ曲がってしまったところがあると思うんです。

そのエンタテインメントに対する純粋さや、エンタテインメントが好きだという部分に関しては僕と同じ。しかも、ケイジと同じように負けたくないとか、一番になりたいとか、そういう気持ちは僕にもあるので、近しい部分のあるキャラクターなのかなと思います。僕の黒い部分を思いっきり引き出したらケイジになるのかな、と。

──演じていて苦労したことはありますか?

歌って踊れるスーパーアーティストの役なので、歌の練習も、ダンスの練習もしました。でも、僕自身、ずっとパフォーマーとして舞台に立ってきた人として、「舞台の上では何かしていなきゃ」という勝手な思い込みがあって。

たぶん、スーパーアーティストは舞台の上に立っているだけでもスーパーアーティストなんですよね。僕には“ただ立つ”とか“間を使う”とか、マイケル・ジャクソンのように何も言わずに仁王立ちするということができなくて。「何かをしなきゃ」とどうしても思って、振り付けを“踊りすぎ”てしまうんです。

それに対して、振り付けを担当している辻本(知彦)さんから「今の踊りだとスーパーアーティストっぽくなくて、ダンサーのようだから、いろいろ試してみよう」と指導していただいて、アプローチを変えていきました。

歌って踊れるスーパーアーティストが“踊る”ときに意識する根源は何かといえば、自分の歌を人に伝えることであり、同時に自分のテンションをあげるためでもあるというんです。

でも、一般的なダンサーには、そういう感覚はなくて、目の前の人を楽しませるとか、そういうベクトルで踊っていて。その根源の違いを、辻本さんから教えていただきました。

今まで自分がやってきたことをアンインストールしなければいけなかったので、全否定されたような気持ちにもなりましたし、異物を飲み込んでいる感覚で、気持ちが乱れそうにもなったので大変でしたね。でも、それを飲み込んで頑張ったからこそ見える景色が変わったので、辻本さんには感謝しています。

憧れの森山未來と共演!撮影初日に“好きな理由”を熱弁

──本作にはさまざまな経歴を持つキャストが参加していますが、最も刺激を受けた人は?

森山(未來)さんですね。というのも、僕が一番好きな映画(「モテキ」/2011年)に主演されていて、映画を見てからずっと森山さんが大好きで。森山さんは役者以外に、コンテンポラリーなど身体表現もされていて、憧れの存在なんです。

出演している作品は全部見てきましたし、いつか共演したいとも思っていて。だから、今回ご一緒できて、本当にうれしかったですし、一つ夢が叶いました。

クランクインの日が森山さんとのシーンだったのですが、前園ケイジの人格を作るうえで大事なシーンだったので、すごく意気込んでいたんです。そういう僕の緊張感を察したのか、森山さんが場を和ませてくださって。ただお芝居が洗練されているだけではなくて、周りの人への気遣いも完ぺきな方なんだな、と。その現場での姿は勉強になりました。

──森山さんとどんな会話をしましたか?

初日に、どれだけ森山さんの作品が好きかということは熱弁しました。「これだけは伝えたくて」と。森山さんは、はにかんでいらっしゃいました(笑)。

──お芝居で対峙した感想を聞かせてください。

迫力というか、今まであまり感じたことのない…圧というか、そういうものを感じて。率直に「あ、本物だ」と思って(笑)。でも、大好きで、憧れている方だからこそ、「ここで負けちゃいけない」とも思いました。

その思いは、ケイジの小林への思いと通じるものがありますし、そういうことも含めて森山さんに引き出していただいた感じがして。森山さんから感情をもらって、いいお芝居ができたんじゃないかなと思っています。

──森山さん以外のキャストとも印象的なエピソードはありますか?

ケイジって、すごい短パンを履いていますよね。本当にしょうがないんですけど、短パンが短すぎる故に、座っていると隙間から下着が見えちゃうことがあるんです(笑)。

座っているケイジとKABE太人(宮世琉弥)が対峙するシーンで、宮世くんのツボに入っちゃって、芝居ができなくなったことがありました。僕もそれが面白くなっちゃって、わざと下着が見えるようにして(笑)。そういうやり取りが楽しかったです。

──そのケイジの衣装は、どのような経緯で生まれたのでしょうか?

正直に言うと、「用意していただいたものを着た」というのが答えです(笑)。Babymixさんのスタイリングなのですが、とても印象的な衣装の組み方をされるスタイリストさんですね。

ケイジに関しては、漫画を読んでイメージしていたものとはまったく違う衣装が置いてあって、「これを着るのか…」と一瞬ためらってしまいました。でも、周りのキャラクターが濃いですし、これくらいやらないと前園ケイジの存在がいいスパイスにならないよな、と思い納得して。

いざ着てみると、最初は足が出ていて恥ずかしいなと思ったのですが、ちょっと快感になってきちゃって(笑)。普段は絶対に着ない服だからですかね。あみあみのインナーも、「着てみるとカッコいいな」と。それ以来、「早くあの短パンが履きたい!」という気持ちになっていました。撮影が終った今はもう“短パンロス”です。

ロケのとき、みんなに見てほしくて、あの格好のまま吉祥寺を闊歩したこともありましたね(笑)。

今一番楽しい時間は?「全国各地でインプットしているとき」

──GENERATIONSの活動のほか、ドラマ、バラエティとさまざまな活動をしている関口さんが、今一番「楽しい」と思う時間は何をしているときですか?

好奇心がすごく旺盛なタイプなので、インプットしているときが楽しいです。何かをつくるとき、自分の中に“材料”がないと作れないと思うんです。だから、いろいろな場所に行って吸収しています。

ライブで各地を回らせてもらっていますが、そのライブの前後に、その土地にある有名な建造物、美術館、博物館、エンタテインメント施設に行くのですが、そうすると、まだまだ日本にも知らない場所やものがたくさんあることに気づいて。もっと日本のことが知りたいな、日本の良さをもっと知りたいなと思いながら、各地でインプットしているときは楽しいですね。

──最近「行ってよかったな」と思った場所は?

佐賀県の御船山楽園でやっていたチームラボの「かみさまがすまう森-ジーシー」です。樹齢3000年の巨木とか、池にデジタルアートを投影していて、その自然とデジタルアートの融合が、インスピレーションを刺激してくれました。

デジタルアートと自然が紐づくことで、人が自然に着目することが面白いなと思っていて。普通に見ると“ただの木”“ただの石”でも、アートを投影することによって、「この木は樹齢3000年なんだ」と興味がいくことが大事。世の中の見方も変わるし、ものに対する解像度が上がるので、すごく楽しかったです。

──最後に『パリピ孔明』の終盤の見どころを聞かせてください。

これから9話、10話と、一気に前園ケイジのエンジンがガーッと入って、最終回に向けて畳みかけていくようなストーリーになっております。

最終舞台となる超大型音楽フェス・サマーソニアでも、前園ケイジを含め、『パリピ孔明』全アーティストのパフォーマンスがあり、圧巻です。僕も現場にいて、いちアーティストとして、1人の人間として、とても感動したので、テレビの前の皆さんに何かを感じてもらえたらと思っております。最後までお見逃しなく!

<関口メンディー メッセージ動画>

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