大沢たかおさんが、映画館で行っている地道な努力を告白しました。
9月24日(日)の『ボクらの時代』は、大沢たかおさん、玉木宏さん、映画プロデューサーの松橋真三さんが登場しました。
映画「銀魂」「キングダム」シリーズなど、大ヒット作品のプロデューサーである松橋さんと、大沢さん、玉木さんは20年来の付き合い。
大沢さんは、松橋さんを「これから世界に行かなきゃいけないし、ミッション、山ほどあると思う。なんとか、そこにくっついていくしかない」と期待を寄せました。
玉木宏「あの体は本当にすごい」大沢たかおの役作り
そんななか、大沢さんは出演する作品について「とにかく自分の参加した作品に、どうしても成功してほしくて、みんなに見てほしくて。そのためだったら、なんでもいいと思っている」と打ち明けました。
松橋:そうですね。ご自分に対するノルマはハンパないですけど。なんていうんですか、(「キングダム」の)王騎将軍の役作り(※)も、何か言ったわけじゃないんですよ。言ったわけじゃないんですけど、オファーして、大沢さんが「イエス」って言ったら、勝手に(役作りを)やってくださると思ってますね(笑)。
(※)大沢さんは、王騎将軍を演じるにあたり、過酷なトレーニングにより、20キロ近く増量した役作りが大きな話題に。
玉木:(笑)。
大沢:しかも、なんなら、最初にオファーが来たときに「ネットで叩かれるのは、何よりも王騎になりますんで」みたいな捨てゼリフを残して去っていって。
玉木:(苦笑)。

それでも、過酷な増量をし、王騎将軍役を作り上げた大沢さんに「あの体は、本当にすごい」と玉木さん。
大沢:いやいや。でも、自分のことは置いておいて、やっぱり、どうしても映画がうまくいってほしいのと、それまで、なかなかマンガの映画化とか実写化が苦戦することもあって。「実写化なんてもうやめろよ」みたいな言葉が、街でも聞かれるようになって。それは仕方ない。今まで我々が積み重ねてきたことに、お客さんが信頼をちょっと失っている事実がやっぱりあるんだろうなと思ったから。
松橋:大沢さんとよく話していたのが、もう配信が世の中の普通になっちゃって、世界中のエンターテインメントと日本の映画もドラマも、比較されちゃう時代になった。本当にちゃんとしたものを作らないと、誰も見てくれなくなっちゃうんじゃないかなっていうようなことを話していて。日本を代表する、ものすごいハイクオリティのストーリーって、今はマンガを中心としたものかなと。それを、いかに資金やら、日本中のすごい役者さんたちを集めて、大きなプロジェクトとして提案して、世の中に出していくっていうことをしないと、もう日本のエンターテインメントがなくなるんじゃないかなって思うんです。
大沢さんが「キングダム」は「規模的にも、あとがない、失敗できないっていうのがわかっていた」と振り返ると、玉木さんは「でも、結果につながってますもんね。僕も、公開初日に観に行きましたもん」と、ファーストシリーズを映画館で観ていたことを明かしました。
松橋真三「大沢さんのコネクションで、許諾がOKに」

また、大沢さんが松橋さんと連名でプロデューサーを務め、玉木さんと共演している9月29日(金)公開予定の映画「沈黙の艦隊」の制作エピソードも明かされました。
大沢:ようやく「キングダム」が軌道に乗ったところで、さらに厳しいハードルの、「沈黙の艦隊」がスタートすることになって。「大丈夫かな」と思いながらやってましたけどね。
松橋:「本物の潜水艦、借りられませんかね」って言ったら、(大沢さんが)「ちょっと私、アイデアがありますので、お待ちください」って(笑)。それで、大沢さんのネットワークで自衛隊、防衛省のほうにコネクションがあり、大沢さん経由で全部、その部分の許諾がOKになったんです。
玉木:どんなコネクションなんですかね(笑)?
大沢:いや、本当にたまたまというか。全然違うときにそういう方々と知り合うことがあって。「じゃあ、防衛省、1回連絡します」ということで、海上自衛隊を含めて。「せっかくだから、みなさんも行っちゃおうか」みたいなことで、4人くらいで菓子折持って、スーツ着て、防衛省の前で待ち合わせして…。
松橋:待ち合わせして、行きましたね。
大沢:「面白そうだから、ぜひ頑張ってみたらどうですか」というのを、防衛省のみなさん、全員一致で言っていただけたので。ただこれ、難易度めちゃめちゃ高いですからね。つまりスケールと、もうひとつは、今まで誰も扱わなかったタブーみたいな、核の問題に真正面からいっちゃっているので。松橋さんが(企画を)詰めていたときは、まだ世の中は穏やかだったんだけど。それが、企画が後半になって、いざ動いたら、ロシアとウクライナの問題が始まってしまった。防衛省も、実際のことをやりながら、我々のプロジェクトも抱えちゃったので、本当に切られるんじゃないかっていう…。
松橋:ありましたね。
大沢:すごく、ヒヤヒヤしてた。

松橋:そういう外的な要因と、よく話されてたのが「(大沢さん演じる)海江田って、どんなこと考えてて、どんな人生を送ってきたんだろう」みたいなこと。で、何か、ヒントになるきっかけがないかっていうので「ちょっと、泳いでみます」って言って。
大沢:それ、言うんですか(笑)。
松橋:毎日、1キロ泳いでたって。
玉木:何か、答えが出てきたんですか(笑)?
大沢:いや、これがね。本当に、半年間、毎日泳ぎ続けてみたの。そしたら今度は、体痛めちゃって。背骨。
玉木:(笑)。
大沢:あるときから激痛がするようになって。
玉木:攻め過ぎなんですよ、たぶんね。
大沢:そう。
玉木:だいぶ泳いじゃったんですね。
大沢さんは「ちゃんとトレーニングしていないのに、毎日1キロ泳いだ」結果、背骨周辺に炎症を起こしてしまったそうで、「そこまで追い込めば、作品が失敗しないんじゃないか」という思いからの「験担ぎ」のようなものだと説明。
これには、玉木さんも「僕も何かしら、自分自身で課題を作ったほうが安心感があるというか。『これをやってるから大丈夫だろう』と思えるときがあって。勝手にそういうことを、自分の中でこれをしようと決めてやったりしています」と共感しました。
大沢たかお 出演作のエンドロールが終わったときに「沈黙になるのが嫌」
鼎談の最後は、大沢さん、松橋さんが映画館でやっていることに玉木さんが驚く展開に。

大沢:(玉木さんに)興行(成績)とか、やっぱり気になるでしょう?そうでもない?
玉木:もちろん、良ければいいなとは思いますけど。ただ、あんまり気にし過ぎてもいけないなとも思ったりもするし。
大沢:最後、(映画が)すごくいいときって、エンドロールが終わったときにザワザワするじゃないですか。あれ、自分の作品は、自分からわざとやるかな。ザワザワザワ…。
玉木:(笑)。
大沢:そこだけでも盛り上がったら、みんなたぶん釣られるだろうなと思って。「面白かったね」みたいなことを言うと、みんなが全体的にこう(広がっていく)。
松橋:(笑)。
玉木:そんなことやってるんですか!
大沢:細かく評価を上げてかないといけないから。
松橋:いや、それ私もやります。
大沢:やりますよね。
玉木:本当っすか(笑)?
大沢さんは、上映が終わったときの客席のリアクションを観察しているそうで、自分か関わる作品で「沈黙になるのが嫌」と語り、3人で笑い合いました。
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