宮﨑あおいさんが、先週に続き、ゲーム芸人・フジタさんと父の物語を読みます。
宮﨑さんは、『ザ・ノンフィクション「あの日 僕を捨てた父は2~孤独な芸人と家族の再生~ 後編」』(9月24日14時~/フジテレビ※関東ローカル)のナレーションを担当します。
<【前編】認知症の父と同居し爆発するゲーム芸人・フジタに宮﨑あおい「気持ちはすごくわかる」>
そのゲームテクニックでファンを魅了するゲーム芸人・フジタさん。幼少期に母と死別後、父とふたり暮らしをするも、小学2年生で捨てられ、悲しみを紛らわすためゲームに没頭し生きてきました。
そんな父を恨み続けていましたが、父が出て行って35年、再会した父は認知症を患いトイレに行くのにも困るようになっていて…。フジタさんは、親子の時間を取り戻すために同居を決意しますが…。
また、番組終了後より、今回の放送をTVer、FODで(前編は10月8日まで)の見逃し配信を行います。
さらに、9月10日放送の「人生と笑いと震える手~相方が心を病んだ時~」も9月24日まで、TVer、FOD無料配信中です。
30年以上も絶縁状態だった父と息子…家族再生の行方
ゲーム芸人・フジタさんは、独身の45歳。ファンに見せる華麗なゲームの技の裏側には、悲し過ぎる生い立ちが深く関わっていました。
小学校入学直前、母親が急死し、父とふたりきりで暮らすことになります。ところが父は、フジタさんの同級生の母親と恋仲となり、家を空けるように。小学2年生で余儀なくされた孤独な暮らし。自分をこんな目に遭わせる父を憎み、その苦しさと寂しさを紛らすために、ゲームに没頭して過ごしました。
そんな父が家を出ていって約35年。80歳を過ぎた父が「認知症」と診断、お金の管理やひとりでの生活が危うくなり、フジタさんはかつて自分を捨てた父との同居を決意。積年の怒りの一方、父を許し、残り少ない親子の時間を取り戻そうと考えたのです。

認知症は進行し、体が不自由になるも、お金へに執着し続ける父に、フジタさんはその理由を尋ねます。父が語り出したのは、貧しかった幼少期の記憶。父にとって「お金を渡すことが一番の愛情表現」であり、だからこそ、幼いフジタさんにも、週に1度の生活費3万円だけは欠かさずに渡し続けていたし、現在、もはや関係を断たれている内縁の妻にでさえそうなのです。

父の思いを初めて知ったフジタさんは、「自分も家族を持ちたい…」と婚活を始めます。
そんななか、父が突然、姿を消しました。日付が変わっても帰ってこない父を、フジタさんは捜し続けます。
30年以上も絶縁状態だった父と息子。家族の再生の行方は…。
フジテレビュー!!では、ナレーション収録を終えた宮﨑さんにインタビュー。前作に続き、今作も前後編にわたり、フジタさんと父のやりとりを見守った宮﨑さんにVTRの印象などを聞きました。
<宮﨑あおい インタビュー>

※前編の再掲載となります。
――昨年10月の放送の前作に続き、「あの日 僕を捨てた父は~」の続編を担当しました。読み終えていかがですか?
読み終えて一番感じているのは、お父さんの“切なさ”みたいなものです。それは自宅で、台本を読み、映像を見たとき以上に、今日、収録していてとても感じました。
内縁の妻の方と30年以上続いてきた関係が途絶えてしまって。お父さんが、それを理解しているのか、そうではないのか、わからないですが、「この日は(内縁の妻に)会いに行く日だから、お金を渡す日だから」というのを忘れない。それほど強い思いを持っているんですよね。
いろいろなことがわからなくなっていくことは、家族としては悲しいけれど、内縁の妻の方との関係については、はっきりわからないほうが、お父さんにとっては幸せなのではないだろうか、と思ったり…。
それと、お父さんが、自分が思っているよりも体が動かなかったことにショックを受けたときの背中も忘れられません。
――一方、フジタさんにとっては、お父さんの内縁の妻への思いこそがストレスになっていますね。
(怒りで自宅の)壁を蹴っていましたね。フジタさんの気持ちもすごくわかりますし、当事者のふたりは本当に大変だろうと思います。
――昨年、今年とナレーションで寄り添っていると、思い入れも強くなるものでしょうか?
(昨年来)ずっと気になっていましたし、これからもずっと気になる存在です。お父さんのこと、フジタさんがこれからどういう人生を歩んでいくのか、とても気になりますし、ふたりにとってどのような形が幸せなのか、考えてしまいます。
――フジタさんとお父さんの関係性で気になったことはありますか?
今回、お父さんならではの女性との付き合い方とか、今まで話せていなかったであろうことを話せたようでしたし、それをフジタさんが聞きたいと思ったことも大きな変化なのかな、と感じました。
――その話がフジタさんの恋愛観にも影響を与えました。
フジタさんにとって、お父さんがすごく影響力のある人なんだなというのも感じました。子どもにとって親はそういう存在なのかもしれないですね。
――“イタチごっこ”というワードが出てきたように、お父さんの記憶がリセットされてしまうため、同じことの繰り返しとなりますが、結局、諦めないフジタさんの向き合いはどう感じましたか?
子どもは、何度も同じことを繰り返したりするもので、まだ小さい存在だから、こちらも言い続けることができますが、それでもやっぱり「そろそろわかってよ」と思うこともあります。
それが大人で、自分の親となったら…どこか違うところできちんと発散をしないと保てなくなるのではと思います。
自分だけ、身内だけではどうにもできないことがあるのが介護だと思いますので、デイサービスを利用したり、いろいろな人の力を借りたりしながらできたらいいですよね。
そういった面も含めて、さまざまなテーマが含まれている回だと思いました。
――さらに、フジタさんの“婚活”というトピックもありました。
結婚よりもまず「子どもが欲しい」というのは、お父さんに孫の顔を見せてあげたいという思い、そして、人一倍家族に対する思いが強いフジタさんだからなのかな、と感じました。
フジタさんが子どものころに失ってしまったものを一つずつ集め直しているような感じなのかな、と受け止めました。
素敵な方と巡り会って、フジタさんらしい家族を作って幸せになっていただきたいです。
<ナレーションの一部を先行紹介>
<予告動画>
YouTube「FUJITV GLOBAL CHANNEL」で、『ザ・ノンフィクション』の予告動画を配信中!
9月24日(日)14時~「あの日 僕を捨てた父は2~孤独な芸人と家族の再生~ 後編」予告