宮﨑あおいさんが、1年ぶりにゲーム芸人・フジタさんの人生を読みます。
宮﨑さんは、『ザ・ノンフィクション「あの日 僕を捨てた父は2~孤独な芸人と家族の再生~ 前編」』(9月17日14時~/フジテレビ※関東ローカル)のナレーションを担当します。
<【前作・前編】宮﨑あおい「すごいものを見てしまった」小2で父に捨てられた男性の壮絶人生>
そのゲームテクニックでファンを魅了するゲーム芸人・フジタさん。幼少期に母と死別後、父とふたり暮らしをするも、小学2年生で捨てられ、悲しみを紛らわすためゲームに没頭し生きてきました。
そんな父を恨み続けていましたが、父が出て行って35年、再会した父は認知症を患いトイレに行くのにも困るようになっていて…。
今回の放送で、1995年10月の番組開始以来、放送1100回を迎えます。そんな節目の回のナレーションを、1000回スペシャルでも担当した宮﨑さんが務めます。
また、番組終了後より、今回の放送をTVer、FODで2週間(前編は3週間)の見逃し配信を行います。
さらに、9月10日放送の「人生と笑いと震える手~相方が心を病んだ時~」も9月24日まで、TVer、FOD無料配信中です。
認知症を患うも、金に執着し勝手に外出する父…そのとき息子は
小さなアパートの1室で大量のゲームソフトに囲まれて暮らす男性がいます。
ゲーム芸人・フジタさん(45)、独身です。華麗なゲームの技の裏側には、悲し過ぎる生い立ちが深く関わっていました。

小学校入学直前、母親が急死し、父と二人きりで暮らすことに。ところが父は、フジタの同級生の母親と恋仲になってしまい、家に帰ってこなくなりました。小学2年生で始まった孤独な暮らし。自分をこんな目に遭わせる父を憎み、その苦しさと寂しさを紛らすために、ゲームに没頭して過ごしました。
父が家を出ていって約35年。憎み続けた父と相手の女性は、今も内縁関係を続けていました。長年の怒りをぶつけたいフジタでしたが、父の異変に気付き病院へ連れていくと、「認知症」の診断が。
お金の管理がずさんになり、入った年金はすぐに使い切り、カードローンのキャッシングで借金が膨らんでしまいます。しかし、何に使ったのかは記憶がないといいます。
2023年1月。フジタさんは、父との同居を決めました。認知症だけではなく、父は、すでに80歳を超えているため、足腰の弱りがあり、トイレに行くのにも苦労していたからです。

さらに、フジタさんを悩ませたのは、父の異常なまでのお金への執着。体が思うように動かなくても、内縁の妻にお金を渡そうと、目を離した隙にひとりで出かけてしまうのです。
そんな中、フジタさんの元に父が「救急車で運ばれた」と連絡が…。
30年以上も絶縁状態だった父との同居生活で、息子は初めて父の思いを知ることになります。
フジテレビュー!!では、ナレーション収録を終えた宮﨑さんにインタビュー。前作に続き、今作も前後編にわたり、フジタさんと父のやりとりを見守った宮﨑さんに印象などを聞きました。
<宮﨑あおい インタビュー>

――昨年10月の放送の前作に続き、「あの日 僕を捨てた父は~」の続編を担当しました。読み終えていかがですか?
読み終えて一番感じているのは、お父さんの“切なさ”みたいなものです。それは自宅で、台本を読み、映像を見たとき以上に、今日、収録していてとても感じました。
内縁の妻の方と30年以上続いてきた関係が途絶えてしまって。お父さんが、それを理解しているのか、そうではないのか、わからないですが、「この日は(内縁の妻に)会いに行く日だから、お金を渡す日だから」というのを忘れない。それほど強い思いを持っているんですよね。
いろいろなことがわからなくなっていくことは、家族としては悲しいけれど、内縁の妻の方との関係については、はっきりわからないほうが、お父さんにとっては幸せなのではないだろうか、と思ったり…。
それと、お父さんが、自分が思っているよりも体が動かなかったことにショックを受けたときの背中も忘れられません。
――一方、フジタさんにとっては、お父さんの内縁の妻への思いこそがストレスになっていますね。
(怒りで自宅の)壁を蹴っていましたね。フジタさんの気持ちもすごくわかりますし、当事者のふたりは本当に大変だろうと思います。
――昨年、今年とナレーションで寄り添っていると、思い入れも強くなるものでしょうか?
(昨年来)ずっと気になっていましたし、これからもずっと気になる存在です。お父さんのこと、フジタさんがこれからどういう人生を歩んでいくのか、とても気になりますし、ふたりにとってどのような形が幸せなのか、考えてしまいます。
――フジタさんとお父さんの関係性で気になったことはありますか?
今回、お父さんならではの女性との付き合い方とか、今まで話せていなかったであろうことを話せたようでしたし、それをフジタさんが聞きたいと思ったことも大きな変化なのかな、と感じました。
――その話がフジタさんの恋愛観にも影響を与えました。
フジタさんにとって、お父さんがすごく影響力のある人なんだなというのも感じました。子どもにとって親はそういう存在なのかもしれないですね。
――“イタチごっこ”というワードが出てきたように、お父さんの記憶がリセットされてしまうため、同じことの繰り返しとなりますが、結局、諦めないフジタさんの向き合いはどう感じましたか?
子どもは、何度も同じことを繰り返したりするもので、まだ小さい存在だから、こちらも言い続けることができますが、それでもやっぱり「そろそろわかってよ」と思うこともあります。
それが大人で、自分の親となったら…どこか違うところできちんと発散をしないと保てなくなるのではと思います。
自分だけ、身内だけではどうにもできないことがあるのが介護だと思いますので、デイサービスを利用したり、いろいろな人の力を借りたりしながらできたらいいですよね。
そういった面も含めて、さまざまなテーマが含まれている回だと思いました。
――さらに、フジタさんの“婚活”というトピックもありました。
結婚よりもまず「子どもが欲しい」というのは、お父さんに孫の顔を見せてあげたいという思い、そして、人一倍家族に対する思いが強いフジタさんだからなのかな、と感じました。
フジタさんが子どものころに失ってしまったものを一つずつ集め直しているような感じなのかな、と受け止めました。
素敵な方と巡り会って、フジタさんらしい家族を作って幸せになっていただきたいです。
<ナレーションの一部を先行紹介>
<予告動画>
YouTube「FUJITV GLOBAL CHANNEL」で、『ザ・ノンフィクション』の予告動画を配信中!
9月17日(日)14時~「あの日 僕を捨てた父は2~孤独な芸人と家族の再生~ 前編」予告