きゃりーぱみゅぱみゅさんが、有名になることへの葛藤を明かしました。
きゃりーさんは、『ザ・ノンフィクション「生きる歌~三角公園の歌姫とわたし~後編」』(8月20日14時~/フジテレビ※関東ローカル)のナレーションを担当。
<【前編】きゃりーぱみゅぱみゅ、西成の歌姫・坂田佳子に「魂の叫びが聞こえる。本当にミラクル」>
大阪・西成の“三角公園”で歌うジャズシンガーの坂田佳子さん。唯一無二のキャラクターと独特の歌唱がSNSなどで話題となりますが、2022年頃になると、葛藤を抱えるように。
歌声を聴きにくる人々が詰めかける一方、酒にのまれ暴れる坂田さんの姿を動画に収めようとする人たちが絶えないからです。
坂田さんには、その歌を心の支えに闘病を続けるファンもいますが、彼女は「見せ物」になることを拒み、三角公園でのライブをやめる決断をします。ところが、そういった選択がプレッシャーとなり…。
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歌い手ではなく「見せ物」になっている…歌姫が抱える葛藤
大阪・西成にある通称・三角公園。この場所で響いていた歌姫の歌声が、ある日を境に聞こえなくなりました。
2022年の冬。異色のジャズシンガー・坂田佳子(51)さんは、深い葛藤を抱えていました。「西成の歌姫」とSNSで話題となり、歌声を聴きにくる人々が詰めかける一方、酒にのまれ暴れる坂田さんの姿や激しい発言を動画に収めようとする人たちとトラブルが絶えないからです。
歌い手としてではなく、「見せ物」になってしまっている…。

かつては、ライブハウスに引っ張りだこだった彼女は、その自由奔放な言動や、アルコール依存症による問題行動で、数々の店を出入り禁止に。その末にたどり着いたのが、自分を受け入れてくれた三角公園でした。変わりゆく状況のなか、坂田さんは三角公園でのライブをやめる決断をします。
そんな坂田さんの歌に「救われた」と涙ながらに語る人々がいます。いつか失明する難病を抱えながらも一人で居酒屋を経営する女性。末期がんを宣告され、一時は自ら命を絶つことも考えたという女性…。
坂田さんは、自分の歌を支えにしている人々の思いに応えようと、ガード下の店先でライブを再開。以前の自分を取り戻そうと奮闘するも、そういった重圧からか再び、酒をあおり、まともに歌えなくなる日も。

周囲が心配するなか、かつて出演していた大阪の老舗バーで歌うことを許されますが…。
フジテレビュー!!では、先週に続きナレーションを担当したきゃりーさんに、話を聞きました。
<きゃりーぱみゅぱみゅ インタビュー>

――佳子さんは常に「自分の使命」ということを口にしていました。きゃりーさんは、意識したことはありますか?
具体的に歌でメッセージを届けることはないんですけど、私がステージに立って、好きな格好で好きなように世界観を作って歌っているのを見て、ファンの方から「ありのままの自分でいていいんだと思いました」と言われることが多いんです。
LGBTQの方も多いなかで、具体的にそういうメッセージを発信しているわけではないのですが、さまざまに受け取っていただいていると実感しています。
今回、佳子さんの歌が力になっている、がん闘病中の女性のように、歌が持つ力や素晴らしさのようなものを改めて感じました。
――ご自身が歌で救われた経験はありますか?
人並みに失恋したら失恋ソングを聴いたり、ドライブではアゲアゲの曲を聴いてみたりとか、そういうことはあります。でも、この一曲に救われた、というものにはまだ出会えていないので、これからの人生で見つけられたらいいな、と思います。
――現在の生きる励みや生きる糧になっているものがあれば教えてください。
愛犬のあめちゃんです。どんなに疲れていても、うちに帰ってあめちゃんとハグしたら癒されます。ただ、私にはほかに好きな人とご飯に行ったり、楽しい時間を過ごすこともできるけど、ワンチャンにとって世界は私しかないので、これからも一緒に寄り添える関係でいられたらいいな、と思っています。
――後編では、佳子さんの知名度が上がり売れっ子になっていくなかでの苦悩も描かれます。どのように感じましたか?
今回の佳子さんのように、知名度があがることで、絡まれたり、冷やかされたりするようなこともあって、人気者になったから幸せか、というとそうではないこともありますよね。“人気者になって苦しい、ならなくても苦しい”というのは、この業界の友達とも話して思うことです。
私も、本名の自分ときゃりーぱみゅぱみゅがいて、きゃりーぱみゅぱみゅばかりが人気になったときに、「果たして、ありのままの自分を誰が好きでいてくれるんだろう」と、そのギャップに悩んだことがありました。
今は、もう大丈夫ですが、やっぱりすごく忙しくてスケジュールが詰め詰めになると、心の余裕がなくなりますから。
それでも、ステージに立たないと感じられない喜びやスペシャルな景色というのはあるので、そのバランスが崩れないようにみんなうまく調整しながらできたらいいのにな、と思います。
『ザ・ノンフィクション』好きが高じて聖地巡礼も!
――きゃりーさんは、『ザ・ノンフィクション』好きを公言していますが、(番組で、取材を続けていた)レストラン大宮に行ったそうですね。
そうなんですよ(笑)。(こちらも番組で取材を続けていた)人力車の会社もレストラン大宮も浅草なので、そのコースで行こうと思ったら、人力車の俥夫(しゃふ)の彼がもう辞めてしまっていたようで、大宮に行きました。
ドキドキしながらドアを開けて、シェフはいらっしゃいませんでしたが、接客担当の女性はいらして、接客をしていただきました。
大宮は番組で見たときにお料理もおいしそうで、行きたいと思いました。今は、先日放送になったさる回しが気になっているので、日光さる軍団を見に行きたいです。
私は忙しいときは録画をしてでも毎回番組を見ていて、それが、自分が前向きになれるきっかけであり、息抜きであり、人生勉強にもなっていて。
だからこそ、そこに出てきた人たちにも会える人には会いたいし、聖地巡礼ツアーじゃないですけど、現場にも行きたいなって思うんです。
もちろん、声をかけたりすることはなく、ただお客さんとして行けたらいいな、という思いです。
――『ザ・ノンフィクション』好きのきゃりーさんから見た、今回の見どころを教えてください。
西成の三角公園でよく目撃されていたシンガー・坂田佳子さんの生きざまや背景、あそこで歌うことへの思いが描かれていて、彼女の魅力や愛されている理由もわかると思います。
目標も夢もないな、人生疲れちゃったな、とか…私もわりとそう思うタイプだったんですけど、そういうタイミングで見たら、救われる方もたくさんいると思います。
佳子さんは、今日もどこかで歌っていると思いますので、私もそんな佳子さんを探して、いつか会いに行きたいと思います。
<ナレーションの一部を紹介>
<予告動画>
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8月20日(日)14時~「生きる歌~三角公園の歌姫とわたし~後編」予告