杉野遥亮「毎日てんてこ舞い」子役との撮影は“修行”?中尾明慶と語る『ばらかもん』撮影裏話

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杉野遥亮「毎日てんてこ舞い」子役との撮影は“修行”?中尾明慶と語る『ばらかもん』撮影裏話

杉野遥亮さんと中尾明慶さんが、子役との撮影で苦労していることを語りました。

現在放送中の『ばらかもん』(フジテレビ)。本作は、日本一美しい海を擁するともいわれる五島列島を舞台に、孤高に生きてきた都会育ちの書道家・半田清舟(杉野)が、島民たちとの交流を通じて成長していく、ハートフル“島”コメディです。

第5話で、書展へ参加するために一時東京へ戻った清舟。そこで新しい作品を書こうとしますが、スランプに陥ってしまいます。しかし、なる(宮崎莉里沙)ら五島列島の面々とテレビ電話をすることでインスピレーションが湧き、作品を書き上げました。

そんな清舟は、第6話で五島列島へ戻ろうとするも、母・えみ(長野里美)の反対にあい…。

物語が後半に入り、新たな展開を見せる本作で主人公・清舟を演じる杉野さんと、清舟のマネージャー・川藤を演じる中尾さんが取材会に出席。放送を見た感想、宮崎さんら子役たちとの撮影の裏話、自身の“成長”について語ってくれました。

杉野遥亮 ゴールデンプライム帯ドラマ初主演「いい経験ができてよかった」

<杉野遥亮、中尾明慶 インタビュー>

──まずは、ドラマの放送を見た感想を聞かせてください。

杉野:いいドラマだなと思って見ています。大きなことは起こらない作品ですが、島の豊かさ、自然、人と人との心の距離が描かれることで、暗いニュースが多い今の世の中に、癒しや安心をお届けできているという自信があります。

そして、そういう作品の一員になることができてうれしいな、という気持ちです。

中尾:僕は、主人公・清舟が島の方と触れ合っている、その表情や空気感がすごく好き。出演していないシーンも多くあるので、いち視聴者として、出来上がりをいつも楽しみに見ていますね。

杉野:中尾さんは五島列島の撮影も、2日くらいで帰りましたもんね。

中尾:「(天候の関係で)飛行機が飛ばなくなるから、帰って」みたいな空気になったんだよ(笑)。結局、飛行機が飛ばなくて、福岡から長崎までタクシーで行って、高速フェリーに乗って帰りました。

──杉野さんはゴールデンプライム帯のドラマ初主演です。物語は折り返し地点ですが、手応えなどはいかがですか?

杉野:自分はまだ何もできていないなと思うし…難しいですよね。座長ってなんなのかよく分からないし。自分らしさってなんだろうとか、立ち止まって考えることもあるのですが…どれだけ考えても「自分がやるべきことを一生懸命やるしかない」ということに行きついて。

そうやっていろいろと考えながら今この場所にいる自分自身と、演じている清舟はリンクしている気がしています。それは自分でドラマを見ていても面白いなと思う部分です。

監督やプロデューサーさんと話していても、このドラマに関するポジティブな話を聞くことも多いですし、いい経験ができてよかったなと思っていますね。

──中尾さんから見て、杉野さんはどのような座長ですか?

杉野:毎日てんてこ舞いですから!

中尾:いやいや、ちゃんと現場を引き締めてくれているな、と思います。

杉野:本当ですか?

中尾:自ら緊張感を作り出していますし、「背中を見ておけ」というか…僕らキャストを含め、スタッフの方たちに対してもしっかりと締めるところは締めてくれる座長だな、と。

この現場に関して言うと、子どもたちもいるし、どんどん“楽しい”が先行してしまって、やるべきことがズレてしまうこともあると思うんですけど、杉野くんがいてくれるからズレることはないですし。お芝居も含めて、すごく頼りになります。

杉野:(満面の笑みで)うれしい!マジですか?

中尾:そんなに照れる(笑)?こんなに喜んでくれるとは思わなかったですけど、本当についていこうと思える座長です。

杉野:うれしいですよ~。こういう話ってなかなか聞けないじゃないですか。こういう取材の機会とかじゃないと。だから、うれしいです。

個人的には、台本について考えることもあるし、現場で子どもたちはいつもにぎやかだし、書道の練習もしなきゃいけないし。自分でも「ヤバいやつなんじゃないか」と思うくらいアップアップになっているから、そういう言葉をもらえると「頑張ろう!」って思える。本当に聞けて良かった~。

中尾:杉野くんはピュアな人なんですよね(笑)。

子役たちが泣くことを覚えた!?中尾明慶「僕も泣こうかな(笑)」

──子役の宮崎莉里沙さん、寺田藍月さん、加藤叶和さんとの撮影はいかがですか?

杉野:大変ですよ。

中尾:第一声が「大変」って(笑)。

杉野:大人との仕事とは全然違いますし、たまに「これは修行かな?」と思うこともあります。でも、あの明るさに救われているところも正直あって。こんなにしっかり子役とお仕事をすることは初めてですが、成長が見られると励みになるし、得られるものがあるなと感じています。

ただ、3人が揃うとなかなか大変です(笑)。

──現場で流行っている遊びや、仲良くなるためにやっていることはありますか?

杉野:最初の頃は、子どもたちはみんな人見知りで、現場にも慣れていなかったので、積極的にコミュニケーションをとろうと思っていたんですけど…途中から、僕自身も集中しなければいけない状況になってきて。今はあまり遊ぶということはしていないですね(笑)。

──番組公式X(旧Twitter)では、撮影中に泣いてしまった加藤さんを慰める動画もアップされていました。

杉野:ケン太(謙太郎/加藤さん)はあのとき頑張っていたんです。だから声をかけたのですが…そうしたら最近、泣くことを覚えちゃって(笑)。

中尾:誰か1人泣くと、みんな泣くよね。

杉野:泣くんですよ。

中尾:不思議だよね。心配してもらっているのが羨ましくなるのかな。だから、俺もそろそろNG出したら泣こうかなと思っていて(笑)。

杉野:ははは(笑)。この間、なる(宮崎さん)は3時間で5回くらい泣いてましたよ(笑)。

中尾:なんなんだろうね。でもすごいよ、その感情の豊かさ。そういう子どもたちのおかげで、明るい現場です。

──中尾さんは、お子さんがいるので、子役との関わり方も慣れているのでしょうか?

中尾:どうでしょう。杉野くんが叱るところはしっかり叱ってくれているので、僕は甘やかすだけ甘やかしています(笑)。

杉野:でもやっぱり、ちゃんと子どもの扱い方を知ってる人だなと思います。…遠藤(憲一)さんよりも(笑)。

中尾:遠藤さんは全然ダメ(笑)。今日、ケン太(加藤さん)が将来の夢を話していて。役者はもちろんだけど、最近書道も好きで待ち時間にずっと練習してるから「書道家にもなりたい」と。あともう一つ、「警察官にもなりたい」と言ったら、遠藤さんが「それは無理だろ」って(笑)。

子どもが一生懸命夢を語っているのに、そんな風に言っちゃダメだって遠藤さんに注意しましたけど。

杉野:そういう意味では、中尾さんはやっぱり頼もしいです。

中尾:僕、子どもいるんでね。息子の友だちが家に遊びに来ることもあるし。子どもたちがいる環境には誰よりも慣れていると思います。

ただ、今日もそうでしたけど、真面目なシーンがあると…僕は“いつも遊んでくれる人”になっているから、そこは切り替えなきゃとは思っていて。

杉野:今日、助かりました!

中尾:(子どもたちと遊んでいて)杉野くんに叱られたらどうしようかと思ってたんだよ(笑)。

杉野:いやいや、そんな(笑)。

中尾:だから、「今日はあんまり話しかけてくるなよ?」っていうオーラを一生懸命出して、あまり遊ばないようにしていたんです。

杉野:集中してるんだなと思っていました。

中尾:大事なシーンだったから、空気を大事にしなきゃと思って。

杉野:ありがとうございます!

中尾:結果として、すごくいいシーンができたから楽しみですね。

──2人は、彼らのような年の頃、どんな子どもでしたか?

中尾:杉野くんってどんな子だったの?

杉野:なるみたいな感じでした。

中尾:どういうこと?

杉野:自由奔放というか…じっとできなかったし、注意が散漫でよく怒られていました。

中尾:そんなふうに全然見えない。すっごい落ち着いてるイメージ。

杉野:そういう子どもだったからかもしれませんが、子役の子たちを見ていると「自分もこういう感じだったな」と思って、ちょっと気にかけたくなりますね。

ただ、子どもといるときは自分がしっかりしなきゃと思うんですけど…遠藤さんがちょっと子どもみたいなところがあるから、一緒に子どもに戻ったような感じになってしまう部分もあります(笑)。

中尾:僕は、親がよく学校に呼び出されるような、本当にやんちゃな子でした。典型的な、イタズラ好きの悪ガキ。そういう子だったから、子役の子たちを見るとすごいなと思います。自分が同じ年のときにこういう現場で仕事ができたかと言われると、できなかったと思いますし。勉強させられます。

「(子どもたちを)叱っちゃった」とこぼす杉野遥亮

──2人は同級生の役ですが、実年齢では差があると思います。その点で、演じるのが難しいと思うことはありますか?

杉野:あまり年齢は考えていないかもしれないです。第5話のあるシーンで、監督から「ここは川藤に対して甘えて」と言われたのですが、スッと甘えられましたし。

中尾:年齢はあまり関係ないですね。ドラマを見た方が「同級生に見えないよ」と思っていたらきついけど(笑)。普段は気になることはないです。

──先ほどの話からも、撮影以外の部分で杉野さんが中尾さんを頼っているようにも感じました。そういう関係性が役にも生きているのでしょうか?

杉野:そうかもしれません。中尾さん男らしいんですよ。こう見えて…いや、こう見えてじゃなくて(笑)。

中尾:おい(笑)!

杉野:頼りになるなと思っています、本当に!

子どもたちと関わる中で、中尾さん、遠藤さん、鷲尾(真知子)さん、花王(おさむ)さん、大人の方々に助けられているなという実感があります。特に中尾さんは、今お話されていましたけど、子どもたちと積極的に関わりながら、状況を見ていろいろ対応してくれていると知って、こういう先輩はありがたいなと感じています。

中尾:ははは(笑)。頼られるとうれしいですね。杉野くんはすごくピュアだから、子どもにも全力でぶつかるし、そこがすごく素敵だなと思っていて。

しかも、「ちょっと叱っちゃったんですよ」と、あとで言ってくる。「それはそれでいいんじゃないの?」と言ってあげる人がいないとですよね。そういう意味では、清舟と川藤の関係性にちょっと近い部分があるかもしれません。

──中尾さんは、制作発表時に「田中みな実さんと仲直り」を七夕の願いとして挙げていました。すでに仲直りしたそうですが、具体的に経緯を聞かせてください。

中尾:久しぶりにお会いして最初に話したことは、「私のことをネタにするんだったら、もうちょっと笑いとってください」という田中さんからのダメ出し。そのあと、田中さんのマネージャーさんと3人で海鮮丼を食べたんですけど、「デザートが食べたい」と言い出しまして…。

杉野:誰がですか?

中尾:田中さんが。ロケ地の近くにあまりお店がないので、どうしようかと思っていたんですけど、近くにファミレスを見つけて、3人でファミレスに行きました。ドリンクバーで2時間くらい(笑)。

杉野:マジですか!

中尾:…長かった(笑)。田中さんは撮影の合間の空き時間だったんですけど、僕は撮影が終わっていたから帰りたかったんだけどさ…。

杉野:またケンカになりますよ(笑)。

中尾:だって、3人で何話すのって感じじゃないですか(笑)。でも、お店に入った手前、「帰りたい」とも言えないし、お会計のこともあるし。それで2時間話して、田中さんが現場に行く時間になったので解散して。あの食事のおかげで仲直りできました。

──2時間、何を話しましたか?

中尾:田中さん、女優業に対してすごい熱い思いを持っていて。僕も俳優業を長くやらせてもらっているので、そういう話をしました。お芝居に対する思いはステキでしたね。

2人が落ち込んだとき、乗り越える方法は?

──清舟は、五島列島での生活を経て、書道家としての挫折を乗り越えていましたが、2人は落ち込んだとき、何をして乗り越えますか?

中尾:落ち込む?

杉野:しょっちゅう落ち込みますよ。

中尾:僕、あんまり落ち込まないかも。

杉野:メンタル的にマイナスになることはないんですか?

中尾:うーん…結婚してるから、そんな落ち込んでいる余裕がないというか、時間がないというか。家に帰ったらもうオフなんだよね。「宿題がどうだ」とか「あれをやりなさい」とか、子どもとか家族のことを考えなきゃいけないから、ある種リセットされているのかもしれない。

もちろん「あそこ、もうちょっとこうすればよかった」と、仕事のことを考えることもあるけど、引きずらないかもしれないです。

杉野:僕は1人の時間が多くあるので、結構考えて…でも、翌日には持ち越さないようにしてるかも。

中尾:どうやって気持ちを立て直すの?

杉野:友だちに話すこともあるし、ダメだったことはちゃんと振り返るとか。「あれはダメだった」と思ったら、「明日、自分から謝っておこう」と。(底辺まで)落ち込むというより、考えるという感じですね。

中尾:なるほどね。

──劇中には、さまざまな書が出てきます。杉野さんは待ち時間にも練習していると聞きましたが、成長は感じていますか?

中尾:本当にすごいんですよ!ずっと書いてる。「そんな楽しいですか?」っていうくらいずっと書いていて(笑)、どんどん上手くなってる。

杉野:最初は、筆を持って、ぐるぐる丸を書くところから始めて。「これは面白くない。どうしよう」「どうやって練習しよう」と思っていました。でも、タイトルバック撮影のときに、大筆を使ったら小さい筆が簡単に思えて。

そこから自分でアレンジをしたり、逆筆という書き方をやってみたり。そうやって書き続けているうちに楽しくなって…というか、当たり前になってきていて。今、待ち時間に書いているのも、書いていると落ち着くからなんです。だから、成長と言えるか分からないんですけど。

中尾:いや、そのストイックさがすごい。続けたい?

杉野:続けられたらいいなと思っています。中尾さんは、書道じゃなくて、何か成長したことってありますか?

中尾:なんだろう…分からない(笑)。芝居に関しては成長していないから、ずっとやっている気もするし。今撮影していても、ずっと緊張してるしね。

杉野:緊張する!できるかどうか分からないし。

中尾:子役の子たちはNGを出すときは出すけど、しっかりやっているところを見るとプレッシャーに感じちゃって(笑)。これで大人がNGを出したらやばいな、と。

杉野:陽菜(寺田)がさ、劇中でむっちゃ泣くじゃないですか。だから、「(自分が)泣けなかったらどうしよう」と、今日ちょっと思ってました(笑)。

中尾:そういうプレッシャーあるよね。だから、成長してるのかどうかは自分には分からないけど、やり続けるしかないかなと思っています。

──最後に、ドラマ後半の見どころを聞かせてください。

杉野:今までは、清舟が五島列島の人たちとふれ合い、“何か”に気づいていくという話に重きがありました。そういう話を経て、後半は人間ドラマが中心になってきます。

清舟と父・清明(遠藤)の話、清舟と川藤の話、なるや浩志(綱啓永)の話を通して、もう少し人間的に深いところが描かれます。ヤスば(鷲尾)もね…。

中尾:今までは自然な空気感というか、のんびりと時間が流れていたけど、少し慌ただしくなって、人間の喜怒哀楽が明確に見えてくる感じ。みんな感情がドカッと出るシーンが多いよね。

杉野:そうですね。もちろん五島列島の景色なども見られるので、引き続き楽しんでください。

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