『テイオーの長い休日』第3話より、市川知宏さんからコメントが到着しました。
船越英一郎さん主演の土ドラ『テイオーの長い休日』(6月17日/カンテレ・フジテレビ系)第2話が放送されます。
このドラマは、仕事がなくなった“2サスの帝王”熱護大五郎(船越)が、ある事情を抱えた女性マネジャー・吉田ゆかり(戸田菜穂)とともに、人生のリベンジに奔走するヒューマンコメディ。
関わる人間の悩みを、2サスで得た 経験をもとになぜか解決してしまうのが見どころです。
第2話では、「闇の外科医・ジャック小笠原」として、なぜかドラマの台本打ち合わせに登場。経費削減のため台本をつまらなくしている制作陣に対し、熱護が「あなたたちはどこを向いて仕事をしているのだ!」と一喝したシーンには、SNSで「業界の裏話がリアルすぎる」、「『エルピス』の柔らかバージョン」、「とんでもなく攻めてて面白い」などとリアルな業界ものとしても評判を呼んでいます。
第3話で、ドラマ志望なのにバラエティでくすぶっているディレクター・豆原ユータ役でゲスト出演する、市川知宏さんに話を聞くと、スタッフ側を演じたことで、新たな気づきがあったといいます。
『テイオーの長い休日』第3話は、6月17日(土)23時40分より、東海テレビ・フジテレビ系で放送されます。
<市川知宏 コメント>

今回演じる豆原は、バラエティ番組の再現ドラマの監督をするディレクターです。
演じさせていただき気づいたのですが、監督業って本当に緻密で、大変な仕事なんですよね。
監督って、現場の空気づくりに一番気を遣われることが多いんですけど、そういうことを今まで知っていたようで、実は、ちゃんとは知らなかったなと。
例えば、撮影の現場でカメラの回り始めに「スタート!」、カメラを止めるときに「カット!」と、監督が声をかけるんですが、このタイミングというのが、実はすごく繊細で 難しい。そのことに今回、初めて気がつきました。
「スタート!」は、俳優からしたら、お芝居を始める合図です。俳優として現場に立っているときは、そのかけ声に合わせて芝居を始めればいいのですが、いざ監督としてその場に立ったとき、スタッフ各部署の空気感とか、演者さんのたたずまいを見て、『いま、ほんとにスタートかけていいものか?』と見極めたうえで声をかけなくちゃいけない。これが、かなり難しかったです。
いままでお仕事をご一緒した監督さんたちは、僕らキャスト・スタッフの空気感をすべて感じ取ったうえで、ここだ!というタイミングでGOサインを出してくださっていた。
だから、芝居がやりやすかったんだと改めて気づきました。そうやって現場全体の空気も作り出すのも「演出」ということなのかと思うと、もう尊敬しかないですよね。

「カット!」も、やはり役者さんが気持ちいいタイミングでかけないといけない。舞台と違って、映像の場合はカット割り(監督が決める映像の構成)次第で、セリフの途中でカットをかけなきゃいけなかったりするんです。
僕が一回、船越さん演じる熱護のシーンで、豆原ディレクターとしてカットをかける場面があったんです。
でも、カットをかけたあとで、僕として「あ、今、ちょっと早かったな」と思ったんですよ。そしたら、船越さんも「今の豆原くんのカット、ちょっと早かったよ」と指摘してくださって…(苦笑)。あ、やっぱりそうだったんだ!と反省しました(笑)。
僕が演じる豆原は、クリエイターとして自分がやりたい映像作品へのこだわりを持っている人間です。
でも、テレビ局の中でそれがうまく実現できず、周囲のさまざまな人と衝突したり、やりたいこととできていることが乖離(かいり)しているジレンマに陥ったりして、結果、いまや半分以上あきらめながら、波風の立たない、当たり障りのない仕事をしているような役どころなんです。
実は、豆原の気持ちがものすごく理解できて…僕も20代のころ、お芝居をやっていて思うようにいかなかったとき、極端な話、「自分は俳優には向いてないかも…」と悩んでしまうことがよくあったんです。
台本を読んで、役をこなして、監督さんからもOKもいただいているんですけど、実際でき上がった作品をオンエアで見たときも「わ、これ、全然できてないな。作品の世界に入れていないな」とか感じてしまうことがあって…。
周りの人がその世界にしっかりと立っている分、違いを直に感じてしまうんですよ。やりたいことができていない自分に気づくのはメンタル的にはしんどいです。
でも、その悔しさがあったから、反骨精神で「だったら、もっと頑張んなきゃ」と思えて…そこが成長のきっかけにはなったかな、と思っています。
豆原は、テレビ局の軋轢(あつれき)のなかで、ほんとに “完全にあきらめてしまう一歩手前” まで行ってしまっている状態なんです。そんな豆原を、熱護さんがわざわざ呼びつけてこう言うんです。
「スタッフは、自分たちの本気を引っ張り出してくれる演出家を常に求めている」
これを言われた豆原は、自分がすべきことに改めて気がつく…という展開なのですが、この言葉って、僕が俳優・市川知宏として聞いても、まさにその通りだと思ったんです。
俳優としての自分の本気を引き出してくれる演出家さんってすごく貴重で、その熱量は僕自身を俳優として引っ張ってくれるものなので。
撮影では、豆原として実際に心に響いたんですが、こういう言葉を演出家にかけられる熱護は、役者の大先輩として、かっこよすぎる!と俳優・市川知宏の心も鷲掴(わしづか)みにされてました(笑)。

あと、船越さんの存在感がすごいです。いるだけで、その場の空気が変わって、良い“締まり方”がするんです。ピリピリする、という締まり方ではなくて、チームのみんながぎゅっと一つになる…チーム感が強くなる感じで。
本番前、船越さんが「よしっ、本番いこうか!」と、ひとことサラッと言うだけで、みんなきっちりと気合が入る感じがするんです。
その圧倒的存在感は、簡単に作れるものではないと思いますが、自分も船越さんくらいの年齢になったときに、そういう空気感を出せる俳優になれていたらいいなと思いました。自分の中での大きな目標です!

『テイオーの長い休日』という作品は、熱護大五郎という一人の人間が周囲に“影響”を及ぼして、みんなが成長して、みんながいい方向に進んでいくという、「希望」がテーマだと僕は思っています。
とくに、今回、僕が出演する第3話は、熱護自身も崖っぷちに立っているし、僕が演じる豆原も崖っぷち。
同じ「崖っぷち」という境遇に立たされた二人なんですが、心折れた豆原と違って、熱護は希望を持って生きているんです。
同じ崖っぷちでも、そのときにどう立ち回るか。そのやり方で人生が変わってくるというのが、テーマじゃないかと感じています。少なくとも、豆原の人生は熱護との出会いで変わっていきますから。
ドラマを見てくださる方にも、人生で“うまくいかないとき”というのがあるでしょうし、そういうときに「自分を勇気づけてくれる人や、元気づけてくれるような人との出会い」を大事にしてほしいと思います。
また、今、悪くはない状態にある人は、周りにそういう「ちょっとうまくいけてなくて折れかけている人」がいたら、その人を引っ張ってあげる側になってみようか、という気持ちになってもらえたらいいな、と思って、この第3話を演じていました。
人生に「希望」を見出し、そこに向かって進んでいくストーリーとなっています。視聴者のみなさんにも、ぜひこの第3話を見て、それぞれの“希望”を見つけていただけたらうれしいです。

<第3話あらすじ>
せっかくの人気ドラマ出演をふいにした熱護(船越英一郎)。相変わらず仕事はなく、バラエティNGのため、ゆかり(戸田菜穂)は営業にも困り始めていた。
そんななか、再現ドラマの仕事を取ってくるゆかり。バラエティとはいえ芝居の仕事!これなら熱護もOKするのではないか!?しかし、熱護が興味を持ったのは別のことだった。
ドラマ志望でくすぶっているディレクター・豆原(市川知宏)に才能の片鱗を見出した熱護は、豆原とある特訓を始める。

そのころ、ゆかりの長女・陽向(宮下結衣)が友人関係で悩んでいることがわかり、「自分のやり方を貫くには、強さが必要だ」と、熱護は…。

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