きゃりーぱみゅぱみゅさんが、「好き過ぎる」という『ザ・ノンフィクション』で、すれ違う母と娘の物語を読みました。
「私の居場所はきゃりーぱみゅぱみゅ」34歳 秋葉原メイドの物語で思う現在地
きゃりーぱみゅぱみゅさんは、8月21日(日)14時~放送の『ザ・ノンフィクション「彼女が旅に出る理由〜すれ違う母と娘の行方〜」』(フジテレビ/関東ローカル)の“語り”を担当。
自由でお金に縛られない暮らしに憧れ、定住先を探す旅を続ける娘と、その生き方がどうしても理解できず、旅をやめてほしいと願う母。お互いを思いながらも、すれ違う母娘の物語です。
お金に縛られず、心の豊かさを大事にし旅を続け…
番組スタッフがカフェでの取材中、カメラの前でケンカを始めた母と娘…。
都会の生活に疲れ、お金に縛られない自由な暮らしに憧れる娘・ミサト(28)さんは、定住先を見つけるための旅を始めたと言います。しかし母は、その生き方が理解できず、旅をやめて働くべきだと主張。互いの意見をぶつけ合うものの、話は平行線をたどり…。
旅先で購入した“軽バン”に乗り、気の向くままに全国を旅して回るミサトさん。東京の専門学校を卒業後、有名老舗ホテルに就職するも、人間関係に折り合いが付かず退職。その後、勤めたベンチャー企業でも、働く意味が見つけられませんでした。

これまでの人生をリセットするべく、旅に出たのが27歳の時。訪れる先で出会う、新たな価値観に心を揺さぶられ、理解し合える仲間も増えていきました。
旅することで自分の生き方に少しずつ自信が芽生える一方、旅の資金80万円はどんどん減っていき、残りは5万円に。それでも、都会で働き、お金に縛られるよりも、自由な旅を続け、心の豊かさを大事にしたいと考えるミサトさん。
そんな生き方を母にも理解してもらいたいと、旅の道中で立ち寄る実家で話し合うも、堅実に生きる母とは一向に折り合いがつきません。心配ばかりの母に強く反発し、ミサトさんはまた旅へ…。

旅に出て1年。ミサトさんの旅の資金は、底を尽きかけます。「お金がない」という現実を前に、ついに定住先を見つけたミサトさんは意外な決断を下すことに。すれ違ってばかりの母と娘の行方は…。
フジテレビュー!!では、ナレーション収録を終えたきゃりーぱみゅぱみゅさんにインタビュー。母と娘のすれ違いを見た感想、番組に対する思いなどを聞きました。
<きゃりーぱみゅぱみゅ インタビュー>

――久しぶりとなる『ザ・ノンフィクション』のナレーションはいかがでしたか?
声をかけていただいて、うれしかったです。こうやってまた大好きな『ザ・ノンフィクション』に携われるというのは、めちゃめちゃうれしいことです。
今回、ミサトさんとお母さんの様子を自分なりにどういうふうに伝えたらいいのかな、と考えて収録に臨みましたが、ミサトさんが久しぶりにちゃんとしたご飯を食べられた、というシーンでは、テンションが上がってポップにいき過ぎてしまいました(苦笑)。
ただ、そうやって考えながら収録できるのも、勉強になるな、と思いました。
――きゃりーさんは、番組のファンを公言していますが、最近のお気に入り回を教えてください。
ミナミさんの婚活の回は、すごく面白かったですね。ウワサによると、その後、ミナミさんはご結婚されたとか。Twitterの情報で知りました。
あとは、先日のいしいさん家も前後編で見ました。なんか、特に最近は、紹介されるみなさんの気持ちがわかってグッとくることが多いですね。
誰かが悪いというのではなく、双方に思いがあるからぶつかったりする。どうしようもないなかでも解決に向かっていく話とか、見ていてすごく面白いなあ、と思います。
最近、『ザ・ノンフィクション』が好き過ぎて、フィクションの映画が見られなくなってきちゃっているんです(笑)。
好きだし、すごく応援している番組です。

――今回番組で密着した、すれ違う母と娘はどう見ましたか?
ミサトさんの思いって、結構“あるある”な気がしました。理想と現実がかけ離れているけど、漠然と夢を持ち続けているっていうのは、今の若者たちにもすごく通じるんじゃないかなって。
「自由な娘を心配する母親」という組み合わせも、全国にたくさんあると思いました。
自分的には、ミサトさんに感情移入しながら見られる回なのかな、というのはありました。
――どのあたりに感情移入できましたか?
私は一人っ子ということもあり、両親は私を私立の高校に入れてくれたんです。たぶん、そのまま大学に行って就職して…ということを望んでいたと思うんですけど、私が高校で急にファッションに目覚めて、ぶっ飛んだ世界に行ってしまって。
そのことで母親からいろいろ言われ、家の近所では派手な格好はしない、といったルールもできて、どこかへ出かけるときは、最寄りの駅のトイレで着替えてから行っていたんです。
今思うと、あのころの自分は、結構『ザ・ノンフィクション』向きだったな、なんて思いますね(笑)。
だから、お母さんとミサトさんの距離感やぶつかり合いは、人ごとではない感じで見られました。
――ご両親との今の距離感は?
音楽活動をするようになってからは、応援してくれていて、ライブにも来てくれます。
今は、親の気持ちもわからなくはないんです。やっぱり、大切に育ててきた娘が、自分たちが思っていたのと違うレールに乗って走っていけば、親は心配になりますよね。
――同世代のミサトさんに声をかけるなら、なんと言ってあげたいですか?
振り返って、私も高校生のときは、学校にそこまで仲良くできる友だちがいるわけでもなく、居場所がないような感じがありました。
その後、原宿という街に出会って、そこで「これが仲間だ」と思える人たちに出会ってから今の道に行けたので、やっぱり「出会い(が大事)」というのはあるのかな、と思います。
――ミサトさんは葛藤したり、心が揺れ動くことも多いですね。
私もいろいろな人の意見を聞くタイプなので、人に左右されそうになるというのはわかります。
そのとき、そのときは本気でそう思っていても、一年経ってみると、真逆に思えることもあるんですよね。人間ってそういうことがあるのも面白いところだと思います。
――ほか、気になった場面、印象的だった場面といえば?
西成の佳子さんは気になりました。TikTokの動画を見て知ってはいたんですけど、佳子さんがシンガーだったということや、(活動している)公園のことなんかも知らなかったので、今回、知ることができて面白かったです。
ぜひ、佳子さんの『ザ・ノンフィクション』も見てみたいと思いました(笑)。
――今回は、「幸せとは何か?」といった究極的なテーマをも追求しています。そのあたりはどう感じましたか?
お金か、お金じゃないか、といった問題も出てきますけど、やっぱりお金があると、満足のいく生活と夢をかなえられるというのはありますよね。
そのために下積みじゃないですけど、資金を貯めながら夢に向かっていくというのがいいのかな、とは思いました。
ミサトさんは、周りの人から食品をもらったり、援助を受けたりしていて、愛されているようでした。そこは人柄なのかな、って。
あと、お母さんに対しても結局優しいですよね。あれだけ分かり合えない関係が続いたら、「もういいや」って縁を切ってしまう人もいると思うんです。
でも、お母さんにお土産を買ったり、ぶつかりながらも何度も話し合っている姿を見て、結構、グッとくるものがありました。