<試写室>ヒューマン系じゃない!多幸感に包まれる普遍的なラブストーリー

フジテレビュー!!
<試写室>ヒューマン系じゃない!多幸感に包まれる普遍的なラブストーリー

みなさん!知ってました!?

このドラマ、ラブストーリーなんですよ!!??

ラブ、ストーリーなんですよーーー­­­­­ーーーーーーッ!!!

ついつい興奮のあまり、ただの「ジャンルのお知らせ」が絶叫になってしまいました。大変申し訳ございませんでした。

「ラブストーリー」って改めて叫ばなくても、そもそもタイトルが『僕の大好きな妻!』だし、公式で「珠玉のラブストーリー」つってるんだけどもね…。

ヒューマン系だと思うじゃないですか?そうじゃないんすよー!

いやだってね、このドラマ。「大好きな妻が“発達障害”だったら?」っていうテーマがあるもんだから、ヒューマンドラマ寄りの、重大な困難が訪れて、それを夫婦がどう乗り越えていくのか?を見守る…そいでもって視聴者の涙を誘う…感動へ持ってく…つまり“泣けるドラマ”へと帰着させる、そういうヒューマン系だと思うじゃないですか?(最後の方、悪意感じる)ねぇ?そう思うじゃないですか?(誰に?)だけどね、そうじゃないんすよー!

こういうヒューマンものって大抵、前提として、二人には“確固たる愛”があって、その愛で困難に立ち向かっていく…愛が試される!的な、そういう展開じゃないですか?(雑にまとめすぎ)だけどね、このドラマはね、主人公夫婦に、愛、もちろんあるんだけども、いつもの“確固たる愛”までには到達できてなくって、そもそも二人が、人としてまだまだ未熟の、成長段階なもんだから、愛?思いやり?…っていうか、「相手は一体何考えてるんだろう?」っていう、そんなとこからもう揺らいじゃう。つまり、このドラマ、そういう、大前提の部分から丁寧に紡いでいく、その成長をまず第一に描いていく…そういうお話なんすよ。で、そんな、未熟で成長段階の夫婦が、“妻が発達障害”という事実を目の前にしたとき、どう乗り越えていけるのか?…それは、これから一つずつ愛を育むことで、自然と乗り越えていく…その“愛の過程”を描く=「ラブストーリー」ってこと!!そういう、こと!!なんすよ!!!

で、そんな、丁寧に丁寧に紡がれる過程の、ラブストーリーが、まぁ新鮮だこと!!一時期ラブストーリー減ってきて、最近、また盛り返しつつあると思うんだけど、コメディからシリアス、三角関係やら不倫やら、性に刺激的なものまで、いろんなテーマが今、あるけど、この『僕の大好きな妻!』の、新鮮さは、久しぶり!!

『僕の大好きな妻!』のシーン

あまたの夫婦が繰り広げてきた、“夫の夕飯食ってきた問答”が…

もうね、どんくらい新鮮かっていうと、「夕飯作るね」「食べてきた」「聞いてない」っていう、ほんのこれだけ。このレベルでリビングに戦慄が走る…ていう新鮮さよ。…うんうん、はいはい、わかります。わかりますよ?この、何度見たかわからない。ドラマでも、リアルでも、あまたの夫婦が繰り広げてきた、“夫の夕飯食ってきた問答”のどこが新鮮か?って、はいはいわかります。いやだけどね、そうなんだけどね。この、何度見たかわからないエピソードでありながら、ことこのドラマにおいては、とてつもない気まずさ、が、ちゃーんと表現されてるの。だからこそ新鮮、なの!

それはきっと、この主人公夫婦が“未熟”だから、で、結婚しているのに、まだ未成熟で、かつ、こんなに不器用なラブストーリー、なかなかないですよ。だけどね、未熟過ぎて見てらんねぇ…でもないし、わっけーなー!でもないし、そこはちゃーんと、二人にやきもできて、二人を応援したくなる。こんな夫婦の物語、新鮮だなーって、感動しちゃうのです。そして、そんな夫婦に、百田夏菜子ちゃんと落合モトキくんが見事に仕上げているからこその、新鮮な夫婦の物語、成立しちゃうわけ…なんですよ。

『僕の大好きな妻!』のシーン

お互いの気持ちがわからない…この“すれ違い”は、“発達障害”のせい?

で、今回のエピソード、大まかに言うと、前回ラストの続き…「(妻が)結婚指輪なくしちゃった!!」から始まる、“すれ違い”を描いた物語なんだけど、それがまた丁寧だこと…。

お互いの気持ちがわからない…この“すれ違い”は、“発達障害”のせいなんだろうか?と思い悩む二人と、本当はどんな夫婦、カップルでも起こりうる“すれ違い”だよねってのを、夫と同じ漫画アシスタントで、“焼肉に白飯ないと不機嫌”な河口くん(古川毅)のカップルとオーバーラップさせることで、決して他人事ではない、誰にも共感が得られる…、そして深く考えさせられるストーリーに仕上げています。

『僕の大好きな妻!』のシーン

…いや、深く…とかまた言うと、やっぱりヒューマンドラマ寄りになっちゃいそうだな。だけどそこはちゃんと、このドラマらしく、楽しくって、微笑ましくって、多幸感に包まれる…ラブストーリー。“発達障害”がテーマでありながら、ごくごく身近に感じられて、普遍的なラブストーリー。それこそが、新鮮な、ラブストーリー。何回言うんだ、ラブストーリー…。何度も言います!『僕の大好きな妻!』ラブストーリーです!お間違いなく!!(?)

『僕の大好きな妻!』のシーン