お笑い芸人のヒコロヒーさんが、『ザ・ノンフィクション』のナレーションに初挑戦しました。
担当したのは、6月5日(日)に放送される『ザ・ノンフィクション「うちにおいでよ ~居候たちの家~」』(フジテレビ※関東ローカル)。
都内のある小さな一軒家に、男女の居候ふたりと暮らす5人家族…森川家の物語を読みました。
不思議な同居生活を続ける森川家と”居候“の日々をカメラが追う
都内で暮らす森川家の食卓は、普通の家庭とはちょっと違います。
両親と3人の子供たちのほかに、テーブルを囲む2人の男女。実は、この2人は家族ではなく、「困った人がいたら放っておけない」母の愛さん(41)が連れてきた“居候”なのです。

1年前からこの家で暮らすコウジさん(仮名・29)は、幼い頃から、医師になることを強いられ、家族に息苦しさを感じていたといいます。実家を飛び出した後、とあるイベントで、愛さんと知り合ったのです。「うちにおいでよ」という、愛さんに招かれ、居候生活が始まりました。
子供たちのお姉さん的存在のユリさん(仮名・30)は、大学を卒業後、会社を3ヵ月で辞めて海外へ。その後、結婚を反対されたことがきっかけで、親と距離を置くようになりました。
森川家で暮らし始めたきっかけは、コウジさんとの出会い。ユリさんがコウジさんとの子どもを身籠ったことを知り、愛さんが呼び寄せたのです。
そんな森川家に、さらにもう一人、同居人が増えることに。香港からやってきた11歳の少年です。愛さんには、どうしても少年を森川家に住ませたい「理由」がありました。

“居候”が増えたことで、家計や居住スペースなど、新たな問題を抱えることになった森川家。そして、迫るユリさんの出産予定日…。家族会議の末に愛さんが出した結論とは…?
不思議な同居生活を続ける森川家と”居候“の人々。それぞれが「家族」の答えを探していく姿を見つめました。
また、ナレーションという形で家族を見つめたヒコロヒーさんは、何を思ったのでしょうか?収録後に話を聞きました。
<ヒコロヒー インタビュー>

――今回、『ザ・ノンフィクション』からオファーを受けての感想は?
いや、「売れたなあ」と思いました(笑)。『ザ・ノンフィクション』のナレーションなんて、夢にも思ってなかったですね。実際によく見ていた番組ですし、ちょっと旬みたいな人がそれだけでナレーションしているって思われないようにしないと、と。
だから、すごく気合いが入りました。光栄でした。
――収録は順調でしたが、読み終えての手応えは?
全然、リテイクがなかったというか、少なかった気がして…。気を使っていただいたんですかね?もっと「録り直し、録り直し」ってなると思って、そのつもりで来ていたので、大丈夫なのかなっていう。
――今回、居候を受け入れる家族の物語を見ていかがでしたか?
困っている人を助けたいという理想と、(住環境などの)現実の折り合いをつけるのが難しいところですが、それでも、愛さんというあのお母ちゃんは、現実的にできる一番高い(レベルの)やさしさを持っていらっしゃる方だなっていう。
居候を受け入れて、そのうえ後見人にもなるんや、っていう。すごい人だなぁ、と思いました。
明るくてたくましくて、いいお母ちゃんだなという印象を受けました。
――特に印象的だったのはどんな場面ですか?
香港から森川家に来た11歳の男の子が、「愛さんのどんなところが好きですか?」と聞かれたら、「いつも元気に『ありがとう』って言ってくれる。僕は、メンタルが弱い方だから…」と答えていて。
11歳で、そこまで自分を分かってんねや、って。強がることもなく、そんなことを言えちゃうのが、すごいなぁと思いました。
あとは、以前、森川家に居候していたという玄太朗さんという方も、ちょくちょく家を訪ねてきているみたいな感じで。ちょっと不思議な感じがしましたけど、詳しく描かれていなかったので、読みながら想像力を働かせていました。
居候をさせる…その根底にある思い
――ご自身は、居候をしたこと、させたことはありますか?
めちゃくちゃありますね。先輩の家に居候させていただいたり、恋人の家に転がり込んだり、逆に、後輩や同期がうちに来たり…ということがありましたけど、私はなかなか愛さんのようには思えず、「うっとうしいな。はよ帰らんかな」とか思っていて。
光熱費や食費もかさみますから、だいたいの人間は、なかなか耐えられるものではないですよ。その経験がある分、やっぱり愛さんはすごいな、と思いました。
しかもそれを、立派なことをしているふうでもなく、押しつけがましさもなく、すごくフラットに描いていたのがいいな、と思いました。
――そんな愛さんを見て、また居候を経験したい、と思いましたか?
思いましたね。居候って形だと思うんですけど、その根底には、目の前にいる困っている人を助けたい、寄り添いたいとか、そういうものが、愛さんや森川家にはあるのかなって思いました。
私はあそこまではできないですけど、居候というか、なんかもう少し人にやさしくしよう、みたいなことは思いました。
――ヒコロヒーさんは、お笑い以外に俳優としても活躍していますが、今後もさまざまなジャンルの仕事をしたいと考えていますか?
声がどうの(良い)、ってことはよく言っていただけるので、そういうところが武器や特徴になるのだとしたら、お仕事をいただける限りは頑張っていきたいなという気持ちです。
お笑い以外の仕事をするときは、とにかく迷惑をかけないようにしようという思いが強いです。畑が違うっていう思いが、自分の中でデカいので。
お笑い以外の仕事は、その畑のプロの人たちの仰せの通りにやらせていただくということで、とにかく最優先でやっています。
――最後に、視聴者のみなさんにメッセージをいただけますか。
本当に軽やかに見られる回だと思います。穏やかでフラットな気持ちで見ていただきながらも、見る人によって解釈は変わるとも思いますので、ご自分なりの解釈で見ていただければ。
それでもきっと何か胸に残るものがあると思いますので、楽しんでいただければいいなと思います。