<試写室>いつの間にか深い世界にハマってしまう…これぞまさに「土ドラ」!!山口雅俊Pファンの方は特に必見

公開: 更新: フジテレビュー!!
<試写室>いつの間にか深い世界にハマってしまう…これぞまさに「土ドラ」!!山口雅俊Pファンの方は特に必見

「土ドラ」、またしても、とんでもないドラマが始まりました!!

昨年10月、「オトナの土ドラ」から「土ドラ」へと生まれ変わったこの枠…。とはいえ、そんなこと、視聴者的には全く関係はなく(時間帯は変わってないしね)、いちいち気にしているのは、東海テレビさん界隈か、僕しかいない…、っての…、わかっては、いるんだけどさ…。言わせてください。このドラマ、まさに「土ドラ」!!「土ドラ」でしか味わえないドラマです!!!

『おいハンサム!!』の伊藤源太郎(吉田鋼太郎)

うん、冒頭から、何を言ってるのか意味不明なわけですが、いや、だって、このドラマ、なんと言っていいものやら…。開始2秒から心掴まれて、面白い!ってのは間違いないんだけど、「こんなドラマです!!」って、一言では全然言い表せない作品なんだもの…。前作の『顔だけ先生』も、なんと形容していいのか、いろんな味わい、見方ができる、そんなドラマだったんだけど、舞台が“学校”ってのもあって、“一風変わった学園ドラマ”くらいには言えたんだけどさ…。はて、今作…、何と言えば、みなさんに伝わるのか…。うーん…(熟考中…)。っというわけで、そういう時の頼みの綱、公式HPのうたい文句を拝借しましょう(結局)。

何かと融通が利かない父・伊藤源太郎(吉田鋼太郎)と、男を見る目がない三姉妹、由香(木南晴夏)・里香(佐久間由衣)・美香(武田玲奈)、そして全てを超越した母(MEGUMI)。伊藤家が織り成すまったく新しい LOVE&FAMILY コメディ!

『おいハンサム!!』いよいよスタート!

「LOVE&FAMILY コメディ!」うーん、たしかに!!加えて、こんな触れ込みも…「恋×家族×ゴハンをテーマにした最新コメディ」…うーん、まさに!!つまり、まとめてみると、頑固なパパと神的ママと、個性豊かな娘たちが織り成す、ホーム&ラブコメディwithグルメ!!っという、そんなドラマ…な、わけだね…。

…うん、だけど、それはそうなんだけれども、なんだかモヤモヤする…。きっとみなさんが想像する、ドタバタホームドラマではないし、お手軽ラブコメでもないし、飯テログルメドラマ…でも…ない…んだよな…。奇想天外な物語とキャラクターに見入ってたら、いつの間にか深い世界にハマってしまう…。そう、それは、つまり、前作『顔だけ先生』のあの感覚!!あの感覚を、ガラッとテイストを変えてお届けします!!的な、まさに「土ドラ」でしか味わえない!作品!!なのです!!

って、結局、全然説明になってませんが、もう少し、僕なりに簡単に説明しないとな…。

何気ないようで、何気なくないような伊藤家の“日常”を描きながら、おいしそうなグルメもさりげなく登場したりやんやするんだけど、え?そのグルメ、おいしそうではあるんだけど、物語との関連性、ないんじゃない?…っていうか、この人、この話、物語に関係あんの?とかちょっと油断してたら、そのグルメをきっかけに、ちょっといい話、深い話、心温まる話が展開されたりしてたら、気づけば最後、すべての物語が美しくまとまっていく…そして、ちょっとした奇跡が起きて、大波乱…。という、そんな物語。で、その“奇跡”ってのも、巧みな展開過ぎて、ちょっと感動しちゃうんだけど、涙の感動、とかそういう類のものではなくって、誰も想像できない、おかしすぎる“奇跡”。で、そのことで、次回への引きにつながる…そんな構造になっているのです…。

『おいハンサム!!』の(左から)伊藤源太郎(吉田鋼太郎)、伊藤千鶴(MEGUMI)

そして、何と言っても、このドラマ、登場するキャラクター、どれもが今まで見たことのないような造形で、だけど愛らしくって、おかしいんです。まず吉田鋼太郎さんのパパは、タイトルの通り、ハンサムとめんどくささが行ったり来たりする絶妙なキャラクターで、MEGUMIさん演じるママも、3姉妹の母という年齢的におかしな設定にも関わらず、あの表情、ひょうひょうと達観してる雰囲気が今回のママにぴったりで全く違和感なし。で、3姉妹のキャラクターも、その周辺の人物たちも、全員もれなく、いろんな意味で“おかしい”んだけど、ちょっとしたシーンでも隅々まで丁寧に描かれているから、ちゃーんと、愛すべきキャラクターになっている…のです。

『おいハンサム!!』の由香(木南晴夏)
『おいハンサム!!』の里香(佐久間由衣)

個人的には、次女・里香(佐久間)の夫婦が、恐怖方面に振れるのかどうか…今後も注目。で、今回、最も衝撃だったのが、三女の彼氏(須藤蓮)とのエピソード。とにかく、お話的にも画的にも超衝撃。それまであまり共感する部分が少なかった三女(武田)だったんだけど、そのエピソードから、一気に、心底、同情しました。とにかく、その辺も含めて必見です!!

『おいハンサム!!』の(左から)ユウジ(須藤蓮)、美香(武田玲奈)

…で、最後に、このドラマ。僕が最も尊敬するドラマクリエイターで、僕の“ドラマ好き”の礎を築いた、山口雅俊プロデューサーが、今作では脚本も演出も手掛けちゃってるんですが、これに関して僕が語れば、長くなりすぎるし、『おいハンサム!!』の紹介どころではなくなるし、何よりマニアックすぎて誰もついていけないので、言及しないでおこう…と心に決めていた…そのはずだったんだけど…。ドラマ視聴中、山口Pから、僕に対して「気づいて!」と言わんばかりに、どうしても触れたくなっちゃう、隠しメッセージの数々が散りばめられてたもんで、山口Pファン以外にはネタバレにはなってないと思いますので、それをぜひここに紹介させてください…。

このドラマ、恋×家族×ゴハン=『ランチの女王』クリエーターが令和に仕掛ける!ってあるけど、それだけじゃないです。パパのオフィスシーンにあった“HIYODORIGOE(ひよどりごえ)”は、『不機嫌なジーン』(2005年)(主人公が勤務するのが鵯越【ひよどりごえ】大学)だし、何気ないセリフの中で登場した架空の芸能人、“まつゆき・きょうか”は『きらきらひかる』(1998年)(松雪泰子さん、鈴木京香さんが出演)だし、終盤に流れたピアノのメロディは『ビギナー』(2003年)(のサントラ、ですよね?)だし、エンディングテーマは『危険な関係』(1999年)(「There must be an angel」が同じくエンディングテーマ)だし(すべて山口Pのフジテレビ作品。『不機嫌なジーン』『ビギナー』はFODにあり!)、随所に繰り広げられるテロップ芸(別に必要なさそうなのにテロップ出す)や、丁寧な静止画説明は、まさに、THE山口Pワールド!!!僕、ここに書いた分だけ、それだけは気づけたんですけど、ほかにあったでしょうか!?(誰に)

『おいハンサム!!』の伊藤源太郎(吉田鋼太郎)

とにかく、この世にどれだけいるのかは不明ですが、山口雅俊Pファンの方は特に必見!!そうじゃない方も、1月8日(土)23時40分、テレビの前に集合だぞ!!!

PICK UP