“スキャンダルゼロ”の優等生・佐藤藍子、芸能生活ただ一度のワガママが…

公開: 更新: テレ朝POST

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「第6回 全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを受賞して芸能界デビューして以降、ドラマ、映画、バラエティー、CM、舞台と幅広いジャンルで活躍し、清純派女優として知られていた佐藤藍子さん。2007年、30歳の誕生日に結婚を発表。それまで一度も熱愛の記事が出たことはなかっただけに周囲の驚きは大きかった。

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◆仕事以外は引きこもり状態で…

-当時熱愛記事も出ていなかったので、突然の結婚発表に驚きました-

「そうですよね。びっくりしますよね(笑)。それまで一度も出ていなかったので、『誰?』っていう感じだったと思います。自分では30歳で結婚というのは遅いなと思っていたんですけど、今40歳を過ぎてみると、結構早かったかもって思います。もうちょっと独身でもよかったかなぁなんて…冗談ですけど(笑)」

-結婚まではスムーズにいったんですか-

「事務所の人たちも内心は『早い!』と思っていたかもしれませんけど、社長にも誰にも反対はされなかったんですよ。あとから『実は社長泣いていたぞ』って言われましたけど。

それは結婚が早いうんぬんというよりも、“娘が”という感じでいつも見てくれていたので、『藍子がそういうことを言うということは、多分本気なんだろう』ってわかってくれたみたいです。私は仕事のことで会社にわがままを言ったことはなかったし、タレントとしてもスキャンダルは一度もなかったんですよ」

-オスカープロモーションでは「25歳まで恋愛禁止」という規則があると言われていますが-

「私は、そのようなことを言われた記憶はないですよ(笑)。だから、お付き合いをしたことがないわけではなかったんですけれども、そこは仕事先にも事務所にも迷惑をかけてはいけないので、デートをするときは絶対に手をつながなかったし、離れて歩いたり、2人きりでお出かけするということもほとんどしませんでした。

30歳になるタイミングで結婚するというのは、初めてのちょっとしたわがままだったんです。それで婚姻届の保証人のところには(オスカープロモ-ション)古賀社長に書いていただいたんですけど、それが宝物です」

-人気商売ということで結婚をためらう方も結構いるみたいですが-

「そうですね。応援してくれる方のことを考えると申し訳ないなと思ったんですけど、結婚して10年ちょっと経ちますが、私には向いていた感じがします。プライベートの私は考え方がすごく子供なので、あのまま独身でいたら、役者としてこの世界で生き残れていなかったかもしれません。

結婚して他人と暮らしたりとか、性格も業界も違うパートナーといるということで、すごくいろいろ勉強になったことがあったので、それで現在に至っているんだと思います。もし独身でいたら、もっとダメ人間になっていたかもしれません。今でもダメ人間なんですけれども、多分もっとダメになっちゃっていたと思います」

-ご主人は乗馬のインストラクターですが、出会いは?-

「私は仕事以外は引きこもりで、家でゆっくりするのが好きだったんですね。それで同い年のヘアメイクさんに『もう少し外に出て趣味を持ったほうがいいよ。スポーツでもやってみたら?』と言われて、ジムにも行ってみたんですけれども、どうも合わなくてお風呂会員みたいになっちゃって(笑)。

そんなとき、たまたま仕事で競馬場に行くことがあって、競走馬について調べていくうちに乗馬をやってみようと思ったんですよ。それで、周りのアドバイスもあって始めてみたらすごく楽しかったし、いい運動になるし、やっぱり動物が好きなのでリフレッシュできるというので、通って教えてもらっているうちにという感じです」

-最初からご主人が教えてくださっていたんですか-

「メインではありました。私が通っていた乗馬クラブは家族経営で、そこのチーフだったので。やっぱりこういう仕事をしているので、ケガをさせないようにといろいろケアしてもらいながらやっていくうちにという感じです」

-出会ってからご結婚まではどのくらい?-

「乗馬を始めた当時は29歳だったので1年ですね。ちょうど結婚を諦めていた時期だったんです。それでも結婚したいという時期もあったんですけれどもできなくて…。

やっぱり女の人が『結婚』と言うと、男の人にとってはプレッシャーでしかないだろうと思って、独身主義ではないけど結婚のことはあまり考えないで生きていこうと思っていたんですよ。それが1年後に結婚しちゃったから、人生ってよくわからないなぁって思います(笑)」

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◆早朝から馬の放牧、馬ふん掃除、餌やりも

ご主人の実家の乗馬クラブの近くに住み、仕事がオフのときには馬の世話をしている佐藤さん。その生活は、朝7時に30頭あまりの馬を放牧して馬ふん掃除、馬の餌となる青草を集めて餌やり。1頭につき、5キロの青草を手作業で1日に4回。さらに乗馬クラブでブラッシングなどのお手入れもあり、超ハード。

-かなりハードな肉体労働ですね-

「そうですね。私は毎日ではないんですけど、からだを使うというのは結構楽しいです。それに動物は人間がいないと何もできないし、どの世界もそうですけど人間ばかりが多いので、自然の中にいると落ち着きます。

今日もそこから通ってきたんですけれども、その距離感と時間軸がちょうどオンとオフのスイッチを切り替えるのに、私にはちょうど良いんですよね。車の中は1人の時間になるので、仕事に向かうときにはこういう風にやっていきたいとか考えて、帰りは反省とかをしていくと、その間にリフレッシュできたりして、仕事を家に持ち込まないですむので、時間を有効的に使えている気がします」

-仕事をすることに関してご主人は?-

「どんどんして欲しいと言っています。主人のお母さまも働いていらっしゃるので、専業主婦にということは考えていなかったみたいです。『家で待っていられるのは苦手だな。好きなことをしていてもらったほうがこっちも気が楽だから』という人なんです。一緒にいるけれども個人としての感覚も大事にするような感じで。私は仕事で長く家をあけちゃうこともあったりするので、すごく楽です」

-ブログなどでも本当に仲が良さそうですね-

「仲良いですね(笑)。私はプライベートでは大人になりきれないところがあって、思ったことをズバッと言ってしまったりすることがあるんですけど、そういうときは『ほかの人はもっと気を使って言葉を発しているよ」と注意してくれたりしますし、社会勉強というか、いろいろなことを学ばせてもらっています。だからすごく感謝していますし、そういう人だから続いているんだと思います」

(C) 公益社団法人日本歯科医師会

◆主人公の母親役に挑戦した映画でモナコ国際映画祭のレッドカーペットへ

現在公開中の映画『笑顔の向こうに』では高杉真宙さんの母親役。近年母親役が増えてきたそうだが、成人した息子を持つ母親役は初めてだったという。

※映画『笑顔の向こうに』
技術が高く容姿も端麗で“王子”と呼ばれる若手歯科技工士・大地(高杉真宙)。しかし、歯科技工所を営む父親(池田鉄洋)にその仕事ぶりを否定され、患者(丹古母鬼母二)からは義歯を突き返されてしまう…。

「ここまで大きい子供を持つ役というのは、なかなかなくて。社会人の息子ですからね。台本を読んだときに、『あれ高杉真宙くんの母親?』って思って(笑)。

私自身は母親ではないですし、どちらかと言うと年齢より若く見られることが多いので、ちょっと不安だったんですよね。やっぱりそれは的中して、衣装合わせのときに監督が『うーん』って私を見ながら首をひねっていたので、『どうしよう?どうしたら老けて見えるかなあ』って思って。監督もずっとおっしゃっていたので、眼鏡をかけて髪型を変えて、メイクの力を借りてやりました」

-ずいぶん雰囲気が違っていて、最初に出てきたときに佐藤さんだとわかりませんでした-

「そう言われるとすごくうれしいです。それはやっぱり照明さんだとかスタッフの皆さんが雰囲気を作ってくれたりとか、夫役の池田鉄洋さんとの家族として醸し出す空気感とかも重要でしたし。役者ってその日に初めて会っても、何年も連れ添った家族の役をやるという不思議な世界だなあと思いながら演じていました」

-池田さんは特に普段はコメディーセンスを発揮した役柄が多いですが、今回はシリアスなお父さん役で-

「かっこいいんですよ。池田さんとは初めてだったんですが、そんな気がしませんでした。そういう雰囲気を出してくださったんですよね。そういう意味ではすごくやりやすかったです。何回お会いしていても、そういう雰囲気を作ることができない場合もあるんですよね、やはり人間同士ですから。でも、今回は本当に父親であり伴侶というのが違和感なく入れたので。

『モナコ国際映画祭』で一緒になったときも何十年来の友人のような感じで過ごすこともできましたし、この作品に携わることができて本当に良かったなぁって思います」

第16回 モナコ国際映画祭

-「第16回 モナコ国際映画祭」では最優秀作品賞受賞。モナコはいかがでした?-

「楽しかったです。4泊5日だったんですけど、映画祭は夕方とか夜からなので、昼間はみんなで観光したりしていました。お天気にも恵まれましたし」

-今後はどのように?-

「色々な役を演じたいですね。お芝居の仕事であれなんであれ、携わった方からリピートしてもらえるような人間でいたいと思っています。結婚したら仕事はしないと思われていたみたいなので、誤解を解くために会うたびに『仕事します』って言っています。『家庭があるからというのは私には関係ないですから、バリバリ仕事をやります。海外ロケにもガンガン行きますから』って(笑)」

誰でも平等に年をとる。「人生無駄なことは何もないと思っています。一瞬一瞬が宝物。佐藤藍子も年をとったけど、良い感じと言われる生き方をしたい」と話す姿に充実した日々を感じる。(津島令子)

ヘアメイク:人見理沙
スタイリスト:奈雲恵里
衣裳協力:HIROKO KOSHINO

※映画『笑顔の向こうに』全国のイオンシネマにて公開中
配給:テンダープロ/プレシディオ
監督:榎本二郎 出演:高杉真宙 安田聖愛 池田鉄洋 佐藤藍子 藤田朋子 丹古母鬼馬二 松原智恵子

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