俳優・菅原大吉、妻の“ピンクの電話”竹内都子と夫婦で夢見たライフワーク「17年前から我々の子ども代わり」

公開: 更新: テレ朝POST

放映中の連続テレビ小説『らんまん』、『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系)、『この素晴らしき世界』(フジテレビ系)、公開中の映画『高野豆腐店の春』(三原光尋監督)など多くの出演作で知られる実力派俳優・菅原大吉さん。

11年の交際を経て、1995年に竹内都子さんと結婚して28年。「おしどり夫婦」として知られるふたりが、12年ぶりに舞台『満月~平成親馬鹿物語(改訂版)』(作・演出:水谷龍二)で共演する。

※「夫婦印(めおとじるし)」プロデュース
『満月~平成親馬鹿物語~(改訂版)』
2023年9月27日(水)~10月2日(月)
新宿シアタートップス
作・演出:水谷龍二
出演:菅原大吉 竹内都子

◆夢が叶って夫婦ユニット誕生!

「夫婦印」は、「いつかはふたりで芝居を」と長年夢みてきた菅原さんと都子さんが、水谷龍二さんの助力により2006年に立ち上げた2人芝居ユニット。

2006年に「夫婦印」プロデュース第一弾となる『満月-平成親馬鹿物語』、2008年に第二弾『月夜の告白』、2011年に第三弾『月とスッポン』を上演。今回12年ぶりに2人芝居が実現。2023年9月27日(水)から10月2日(月)まで『満月~平成親馬鹿物語~(改訂版)』を上演することに。

「うちのカミさんは、もともと芝居がやりたくて東京に出てきていたんですね。演劇がやりたかったんです。

それで、僕らが『星屑の会』という、今回の芝居の作家でもある水谷龍二さんが作、演出の芝居をずっとやっていたわけですが、それを観て『私もやりたい、やりたい!』ってずっと言っていて。10年近く言い続けていましたかね。

それで、水谷さんに、『うちのカミさんもやりたいらしいので、ちょっとお願いしますよ』って言ったら、『そうか、じゃあ、2人芝居とか?』って言われて『ああ、それもいいですね』という話をしたんです。

そうしたら『うん、わかった。考えとくわ』って言ってくれて、3年ぐらい経ったときかな? 突然『そろそろやるか?』って書いてもらったという感じですね」

――2006年に第一弾『満月-平成親馬鹿物語』を上演されて

「そうですね。もう17年になるんですよね。ビックリです(笑)」

――お家でも稽古をされたりするのですか

「やります。家でセリフ合わせをしたりするので、どうしても夫婦というよりも、劇団時代のそのまんまの流れで…という感じなんですよね。

今回やる『満月~平成親馬鹿物語~(改訂版)』は、17年前にやった芝居なんですけど、そのときにすごく評判が良かったんです。これがまたおもしろくてね。

それでまた再演して、今度は再再演になるんですけれども、やっぱり17年経てばふたりもちょっとは違っているだろうということで、その辺を前に観た方にも観ていただきたいなと。

17年前にやったときの感情は、まだ若かったと思うんですよね。でも、この年になって、それなりの子どもに対しての考え方というのも出せるんじゃないかなとは思うんです。作品の捉え方も、やっぱり自分たちも昔とはまた違う部分がいっぱい出ているので、芝居するのがすごい楽しみなんです」

――前の舞台のダイジェスト版を拝見させていただきましたが、息もピッタリでおもしろかったです

「ありがとうございます。うちのカミさんの場合やりやすいのは、女優さんだと気を遣うじゃないですか。からだにちょっと触れるだけでも気を遣いますが、カミさんと2人芝居だとそういうのも一切なしに、いろんなおもしろいアイデアを自由にできますからね(笑)。そういうのがおもしろくて」

――『満月~』は、菅原さんのお嬢さんと都子さんの息子さんが駆け落ちをして…というお話ですね

「そうです。子どもを守る親同士のバトルというか、戦いなんですけどね。自分らに子どもがいないものですから、この作品が自分らの子どもみたいなイメージがあって、何とかこの舞台をまたやりたいなあと思っていたんです。

再演から12年経ってしまったんですけど、やっぱりもう1回やろうという強い思いがあって今回実現したんです。本当におもしろいし、たくさんの人に観ていただきたいです。

劇団の頃はカミさんがコントで忙しくなっちゃって、舞台をあまりやってないんですよね。芝居をやる機会がなくて、僕らの芝居を観に来ては、『ああ、出たい、出たい!』っていうのがずっとあったので、それがこの作品に繋がったんですよね。

それで、17年前に『満月~』をやって以来、カミさんも商業演劇とか、やるようになって。今は舞台をいっぱいやっていますね」

――都子さんは、本当にお芝居がやりたかったのでしょうね

「そうなんです。本当に舞台が好きなんですね、カミさんは。僕も舞台は好きではあるんですが、映画に非常に愛着があって。何かね、映画はいいんですよ。映画の現場にいて、撮影に集中していくのが本当に今は楽しいんですよね」

 

◆2人芝居で地方を回りたい

劇団時代に出会い、40年近く一緒に過ごしてきた菅原さんと都子さん。2人芝居で地方を回るのもいいなと話しているという。

「だんだん年をとってきていますけど、今の年だったらまだいけると思うんですよね(笑)。地方を転々と旅回りじゃないですけれども、ふたりで芝居で地方を回れるのはいいなあって。スタッフは大変ですけど、何とかなるんじゃないかなと。いろんなところでいろんな反応を見てみたいという思いはありますね。この作品では北海道にも行ったことがあるんですよ。

評判はいいんです。笑えるし、ちょっと泣ける部分もあるし…本当に気楽に観られますから。社会の問題点を突きつける話ではないので。水谷(龍二)さんがチラシの裏に『いろんな社会情勢があったりしても変わらないのは親子の愛情』と書いているように、それがテーマなので」

――お稽古をされている今の手ごたえはいかがですか

「早く完璧にというか、自分らで作り上げていくのが楽しみではあります。これが本当にやっていて楽しいんですよ、この作品がね。だから、あとはお客さんですよね。人が少ないと、笑いたくても笑えないんですよ。楽しみたくても楽しめない。伝染するんですよ、お客さんの緊張感が。

お客さんは初めていらっしゃるわけですから、人数が少ないとちょっと緊張感があるんですよ。お客さんが多いと、誰かかしらが引っ張っていって、だんだんだんだん盛り上がっていくんですよね。だからお客さんができるだけ多いとありがたいなと思います」

――おふたりのように知名度があっても心配ですか

「舞台はね。テレビとか配信だと家で観られるじゃないですか。でも、芝居は日にちを決めて劇場に足を運んでお金を払って…ですからね。本当に観たいと思っている人はいると思うんですよ。でも、『行きたいな』で大概止まるんです(笑)。足を運ぶというところまで来ることが大変なんです。

1回劇場に来てくれて、そこでいい思いをすると、地方からでもまた来てくれたりするんですよね。だから、びっくりしたのは、僕の田舎(宮城県)の知らない女性が東京で僕が出ているというので、『星屑の町』を観に来てくれたんですね。そこから舞台にハマッて、他の人の舞台とかも東京に観に来るようになったりとか。だから、どれだけ最初にいい経験をするかなんでしょうね。

僕らも、定期的にやっているとお客さんが重なっていくんですけど、再演から12年も空いてしまったのでね。また、初めて一からやるみたいなことになっているので、お客さんが来てくれるかどうかということが一番不安ですね」

 

◆海外旅行には夫婦で行くのがおススメ?

おしどり夫婦として知られる菅原さんと都子さん。2009年にはふたりでイタリア(シチリア島)に旅行。海外旅行には夫婦で行くのがおススメだという。

「カミさんが10年以上やっていた番組のレギュラーが終わって、長く休みが取れるということで、何も考えずにシチリア島に行ったんですよ。でも、着いたその瞬間から英語も通じないしで(笑)。英語もしゃべれるわけじゃないんですよ。ふたりして『どうする?』って(笑)。

それで、まずレンタカーを借りに行ったんですが、ある程度の英語は通じるのかなと思ったら、そこも通じないから車を借りるだけで1時間ぐらいかかってしまって。四苦八苦しながら借りて街に出て。

そうしたら、その当時はナビがないんですよね。地図も大雑把な地図なんですよ(笑)。でも、『町の人に聞きながら行こう』って行ったんですが、町の人は英語で話しかけると『NO、NO、NO、NO』って言うし。本当に『もうどうしたらいいんだ?』というような珍道中な旅でしたね(笑)。

でも、『海外旅行には夫婦で行くべきだ』と、我々はおススメしているんです。それで、調べずに行くべきだと。言葉もわからないところで、その日その日でホテルを探してそこに泊まる。

なぜ夫婦で行くべきかと言うと、ケンカができないんですよ。道もわからないから、地図を見ながら調べなきゃいけないし、協力しない限りは前へ進めないんですよね。ケンカをしている場合じゃないんです(笑)。

ケンカになると本当に険悪になりますから、そこでストップしたらどうにもならなくなるわけで。宿もないわけだから、結局ふたりで協力して頑張るようになるんですよ。フォローするような感じでね。『大丈夫だよ、大丈夫』とかね(笑)。

当時、イタリアにはオートマを借りられるのがセダンというか、でかい車だったんですよ。道も狭いところがあったりするのに、でかい車を借りちゃうわけですよ、わけがわからなくて。

それで旧市街とかに入ると、道が狭くてにっちもさっちも行かなくなって、イタリア人がドワーッといっぱい出てきて、ワーワー言うわけですよ。一方通行なのか何なのかよくわからないけど、ゆっくり戻ったりしてね。

それでもカミさんは怒らず、『はい、こっちこっち』とか言いながらね、ケンカしないんですよ、これが(笑)。だから、ケンカをするときって、余裕があるんでしょうね、お互いに。我が通る分、ケンカになるんだろうなということを学びましたね、その旅で」

都子さんと愛犬・チャオちゃん&プリモベーラちゃんと

◆愛犬2匹が『徹子の部屋』に出演

菅原さんと都子さんは、愛犬家としても知られ、2匹のトイプードル、チャオちゃんとプリマベーラちゃんと暮らしている。

――菅原さんは、あまり犬が好きではなかったそうですね

「嫌いでした。でも、カミさんが好きでね。僕が幼稚園に入る前くらいに犬を飼っていたんですが、犬って一番下を攻撃するというか、よくワンワン吠えられていたので犬が怖かったんです。だから、犬はちょっと苦手だったんですよ、本当は。

でも、カミさんも小さい頃から家で犬を飼っていて、何代かいるんですけど、小学生の頃、お母さんにカミさんが怒られていなくなったと。それで探していたら、犬小屋の中で犬と一緒に寝ていたって(笑)。それぐらい、犬を頼りにしていて好きだったから、ずっと飼いたいと思っていたみたいなんですよね。

それで飼うことにしたんですけど、チャオを飼ったときも、僕はちょっと『ワン』ってほえられたら、『おーっ!』ってなるという感じだったんですが、飼っているうちにだんだん可愛くなってきてね(笑)。

一匹だと可哀そうだからって、もう一匹、チャオの子どもを飼うことにして。名前がプリマベーラ。イタリア語で“春”という意味で可愛いけど、プリマベーラって呼びにくいんですよ(笑)。

だから今は、『プー、プー』って言っていますけどね(笑)。中国語だと『ダメ、ダメ』という意味になるみたいで、『これ、どうなのかな?』って(笑)。でも、本当に可愛いものですね、犬って」

――ワンちゃんと暮らすようになって何か変化はありましたか

「はい。犬を飼ったおかげで、子役さんと接したり、芝居で子どものことや家庭のこととかを演じる上で、非常に役立っている気がします。この年ですから孫のいる役とかが多くなってきているので。

あとリアクションとかね。おもしろいリアクションとかは、よく動物の真似をするとか言うじゃないですか。『そんな馬鹿な』って思っていたのですが、はっきりしているんですよ、犬は。自分が悪いなって思ったときとかね。

オシッコを違うところにしたりしたときに、『誰だ?』とか言うと、その表情とかが非常に子どもとよく似ていたり、大人でも似ていたり、すごくおもしろいんです。それで、真似してやっていることもありますね、本当に。コメディーはとくに」

――暑い日が続いていますが、ワンちゃんたちは元気ですか

「それが、1番目の子、チャオはこの間結構大手術になって死にかけたんですよ。お腹(なか)を18針か19針縫って。もうこれはダメだと思ったんですけど、お医者さんが本当に頑張ってくれて。それで、犬って回復が早いんですよ、驚くほど。

チャオがプリマを産んだとき、僕が最初に病院に行ったんですが、朝の5時ぐらいに産んで、僕が8時ぐらいに迎えに行ったら飛び跳ねていましたからね(笑)。久々に会ったからうれしくて喜んで。

今回はお腹を18針か19針縫って、グターッとなっていたんですが、次の日にお医者さんの膝にポーンって乗ってきたって言いますからね。すごいですね、犬の生命力って。ビックリしました」

――順調に回復しているようで良かったです。テレビやCMにも出演されたことがあるそうですね

「はい。僕はチャオと2作品一緒に出ているんですよ。『ワールドバレーボール』(フジテレビ系)で5分ぐらいのストーリー仕立てのCMがあって、犬が出るという話だったので、絶対、慣れているほうが撮影がスムーズに進むんですよね。

前に動物病院の話があったときに、お借りした犬がどうにもならなくて何回も撮影して、30分で終わるところが1時間半かかったりしたことがあったので、『これ、うちの犬どうですかね?』って言って。それで、うちのチャオを呼んだらうまいこといって助かったんです。

ShortFilm『ボクと君』では、最初の設定は猫だったんですけど、台本を読んでみると、『呼んだら来る』とか、『慰めに来る』とか書いてあって。猫だと無理だということになったので、『僕は犬といるシーンが多いので、うちの犬どうですかね?』って提案して見せたら、『あー、可愛いですね。じゃあお願いします』って。

それで、チャオとやったら監督が、『犬ってこんなに言うことを聞くんですか?』って驚いていました(笑)。すべて段取り通りにうまくいったんですよ。だから、本当に助けられているんですよね」

――プリマベーラちゃんも出たことがあるのですか

「プリマは、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)だけです。あれは、徹子さんが、『じゃあ、私抱っこするわ』って言ってプリマを抱っこしてくれたので、うちのカミさんが青ざめたんですよ。『もし徹子さんの膝の上でオシッコをしたらどうしよう?』って(笑)。

でも、やっぱり徹子さんは動物に好かれるんですよね。抱っこした瞬間にプリマがTの字になって大人しく抱っこされていて。それで、『徹子の部屋』を観た人が、あのときちょうど流行(はや)っていた『チョコレートプラネットのTT兄弟をやっていましたね』って言っていましたよ(笑)」

――徹子さんはワンちゃんが好きなので、ゲストの方はよく愛犬を連れていらしていますね

「そうそう。本当にお好きなんですね。プリマも徹子さんに抱っこされて、ジーッとしていたんですよね。普段はあんなことないのに。本当に良かったです」

――お利口さんですね

「そうなんです。非常に助かっています。歯磨きしたり、目を洗ったり、ブラッシングしたり…いろんなことをやっていますね。いろんなものを作って食べさせたりとか」

――都子さんはお料理お上手ですものね

「そうです。YouTubeも自分でやっていますからね。自分らが食事をするときに、一緒に肉とかホルモン系のものを刻んで焼いていると、『くれ、くれ』ってガシガシガシガシおねだりして、それが癖になっていますね(笑)

僕らが食事して酒を飲んでいるときはそばにいて、それが終わると寝床のほうに行って待っているという感じですね」

――可愛いですね。毎晩おふたりで晩酌ですか?

「そうです。うちはふたりとも飲むので。それでまたありがたいことに、カミさんが料理を作るのが上手なものですからね」

――いいですね。今後はどのように?

「今回の舞台『満月~』は、17年前から我々の子ども代わりだと思っていて、長く続けようって話しているので、ライフワークというんですかね。ふたりで一緒にできるので、続けていけたらいいなあと思っています」

都子さんへの愛情が伝わってくる。本当にステキなご夫婦。初日まで約1カ月。猛暑のなか、撮影と並行しながら舞台稽古の日々が続く。息の合ったおふたりの舞台が楽しみ。(津島令子)

©2023「高野豆腐店の春」製作委員会

※映画『高野豆腐店の春』
シネ・リーブル池袋、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開中!
配給:東京テアトル
監督:三原光尋
出演:藤竜也 麻生久美子 中村久美 徳井優 山田雅人 日向丈 竹内都子 菅原大吉

尾道の町の一角に店を構える高野豆腐店。“大豆”と“水”と“にがり”だけでコツコツ作られる豆腐作りのように、淡々とした日々の生活にこそ、人々のしあわせがある。これは、職人の気質で愚直な父・高野辰雄(藤竜也)と、明るく気立てのいい娘・春(麻生久美子)の物語。毎日、陽が昇る前に工場に入り、こだわりの大豆で豆腐を作っていく父と娘。商店街の仲間たちとの和やかな時間。そんな日常を生きる親娘にそれぞれの新しい出会いが訪れる―。“変わらないもの”と“変わっていくもの”を丁寧に描き、この時代を懸命に生きる人々に一筋のひかりを届けます。