藤ヶ谷太輔と京本大我の紳士協定、友情タッグが生んだサウナの変<ハマる男に蹴りたい女>

公開: 更新: テレ朝POST

<恋愛コラムニスト・DJあおいの『ハマる男に蹴りたい女』第7話分析コラム>

再就職先は女だらけの下宿管理人! 人生の沼にハマッた元エリート・設楽紘一(藤ヶ谷太輔)が、住人のズボラお仕事女子・西島いつか(関水渚)と“オトナの一つ屋根の下ラブ”を繰り広げるラブコメドラマハマる男に蹴りたい女

毎話“じれキュン”必至のストーリーを、Twitterやブログで独自の恋愛観を語り著名人にもファンが多い謎の主婦・DJあおいが深掘り&考察する恋愛コラム連載。毒舌(?)ながらも愛のある言葉でストーリーを分析していきます。

入口から脱線して恐縮なのですが、設楽くんの料理の腕前、いつの間にか爆上がりしていません?

銀星荘の管理人になりたての頃は皆が眉をひそめるほどのお粗末な腕前だったのに、今や飯テロかと思うほど垂涎な「紘一定食」になっていますからね。ストーリーとは直接関係のないところですが、回を重ねるごとに心境の変化が見られる設楽くんにリンクするように、料理の腕前が上がっているのがおもしろいですね。

というか、『ハマる男に蹴りたい女』に登場する料理っていちいちおいしそう。

香取くん(京本大我)が振る舞った料理もしかり、夏美(早見あかり)が振る舞った料理もしかり、Dolceの料理もしかり、果てはズッキュン飯店の中華粥に至るまですべてがおいしそうで目のやり場に困ってしまいますね。個人的にはそんなところも見どころのひとつになっています。

さて、「やり直そうよ、私たち」と設楽くんにキスで迫る夏美、そして「俺のところに来てよ」といつかちゃんに猛アプローチを仕掛ける香取くん。設楽くんといつかちゃんがマッチングするために避けては通れない「ごめんなさいイベント」なのですが、設楽くんの方はふんわりとではありますが拒絶の意思は示しました。

しかし、いつかちゃんの方は「ごめん、香取の気持ちにまだ追いつけていない」という、拒否でもなく許容でもない保留の答えになってしまいましたね。

経験のある人ならわかると思うのですが、好意に対して保留で答えられると心理的に結構な負荷が掛かるんです。もちろん最善は好意を受け入れてくれることなのですが、次善ではハッキリとフラれた方が心理的には負担は軽いです。

もっとも心理的に辛い答えが「保留」という答え、期待を捨てることもできずに精神的な生殺しの状態が続きますからね。期待は甘美な毒であり、その毒に晒され続けると人はメンタルブレイクしてしまいます。

鋼の誠実を持った香取くんだからこそなんとか正気を保っていられるのであって、現実世界の男性たちに保留を突きつけるのはあまりおすすめできません。賢明な視聴者である淑女の皆様は、その気がない男性にはしっかりとお断りしてあげてくださいね。

さて、ふんわりと復縁を拒否されてしまった夏美は「私、諦めないから!」と設楽くんの部屋に籠城してしまいます。

これだけでも充分な醜態なのに、果ては誠心誠意を込めて謝罪する設楽くんに対して「だったらあの三年間返して」と言い出す始末。往生際が悪いというか、フラれるのが下手くそというか、おそらく今までフラれたことなどなかったのでしょうね。

私たちのような手練れのプロフラレニストなら「潔い引き際」もわかるんですけどね、恋愛無敗の容姿端麗なハイスペ女子ほどいざフラれると、駄々をこねて醜態を晒してしまうのはよくあることです。女はフラれて綺麗になる。きっと夏美はこの経験を経てさらに美しい女性に生まれ変わるでしょう。

そしてコスモインデックスのターン、ここで深刻なトラブルが発生します。

カヅキビールの役員プレゼンを兼ねた挨拶、その約束の時間を間違えるという凡ミス、今までの苦労が水泡と化してしまうほどの大ピンチ、ここで真っ先に謝罪に動いたのは香取くんでした。

プレゼン等の花形仕事はいつかちゃんに任せてサポートに専念するのに、謝罪という汚れ仕事は率先して走るという献身っぷり。しかも、いつかちゃんの気を引くためという計算は一切なく、ただただいつかちゃんの努力を無駄にしたくないという純粋な動機で。こんな健気で真っ直ぐな心を持った男なんているの?と訝しんでしまうほどのイケメンぶりには、不覚にも感情が揺れ動いてしまいました。

そして恋敵である設楽くんに助けを求め、それに設楽くんも応えるシーン。

これはお互いに「いつかちゃんのため」という目的は一致しているのですが、それ以外にも「男同士の信頼」があったんじゃないですかね。恋敵でありながらも決して足の引っ張り合いはせずフェアな戦いをしてきた関係ですから、そこにお互いのリスペクトがあったのかもしれません。サウナで二人揃ってカヅキビールの常務に頭を下げる姿にはもはや友情すら感じ取れました。

自分の失態すら頭を下げることのないエゴの塊だった設楽くんが他人のために頭を下げ、遺恨のあったカヅキビールの常務ともわかり合えた。そして誠意を尽くすことによって元妻である夏美との関係も綺麗に清算できた。遺恨の退社が円満退社へ、そして遺恨の離婚が円満離婚へ、設楽くんの身辺は心境の変化により確実にいい方向へ向かっていますね。

しかし、イマイチ読めないのがいつかちゃんの心境。設楽くんに想いを寄せているのは本人も自覚しているようですが、まだ素直になりきれない様子。

これはきっと「二年前の遺恨」にまだ設楽くんが気付いていないことに起因しているのかもしれません。根深い劣等感を植え付けられてしまったのでしょうか、今のところはその劣等感を浄化できるイベントを待つしかありませんね。

ラストシーンでは再び設楽くんを押し倒し、ついに見事なマウントキスをお披露目してくれましたが、それが衝動的なものなのか、それとも確かな好意によるものなのか、初回の押し倒したシーンとは何が違うのか、まだまだ謎は深まるばかりです。

※番組情報:オシドラサタデー『ハマる男に蹴りたい女
毎週土曜よる11:00~11:30、テレビ朝日系24局
藤ヶ谷太輔、関水渚、京本大我、久保田紗友、西垣匠、サーヤ(ラランド)、田渕章裕(インディアンス)、金子隼也/西田尚美、大地真央

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