危険な「不整脈」に気づく方法…24時間 不整脈を管理!スマートウォッチと専門外来【医学博士 大塚俊哉】

公開: 更新: CBC MAGAZINE
危険な「不整脈」に気づく方法…24時間 不整脈を管理!スマートウォッチと専門外来【医学博士 大塚俊哉】
© CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、ニューハート・ワタナベ国際病院 副院長 医学博士 大塚俊哉先生です。

今回のテーマは「〜24時間 不整脈を管理!〜スマートウォッチと専門外来」

「スマートウォッチ外来」をご存知ですか?外来で利用しているのはスマートウォッチの心電図を測定する機能。これで分かる病気が「不整脈」。不整脈とは何らかの原因で心拍のリズムやスピードが乱れている状態。気づかない間に起こることがあり、なかには命に関わる合併症を引き起こすものもあるそうです。だからこそ、心臓からのSOSに気づく事が大切なのだとか。そこで今回は、危険な不整脈に気づく方法やその原因などを専門医に教えてもらいました。

心臓の基礎知識と不整脈

<不整脈とは?>
本来、正しい心拍の回数は1分間に60〜90回。この回数を大幅に上回ったり、下回ったりすると、不整脈の疑いがあるそうです。その時起こる主な症状は、動悸・息切れ・めまいなど。しかし、症状に気づいて病院に行っても、不整脈を起こしている時でなければ心電図を測っても診断が難しいと言われているそうです。

<心臓が動く仕組みは電気信号>
心臓の内側は、大きく2つの部屋に分かれているそうです。上の部屋が「心房」下の部屋が「心室」。そのうちの心房の右側「右心房」に心臓を動かすための器官「洞結節」が備わっています。洞結節は、心臓を動かすのに必要な電気信号を送る、いわば発電所。そこで生まれた電気は、まず上の心房全体を収縮させ、房室結節という中継点を通り、次に下の心室全体を収縮させます。この一連の動きを「心拍」と言い、1日約10万回毎日繰り返しています。心電図で見る波形は、その電気信号を捉えたものだそうです。

今注目されている「スマートウォッチ外来」

スマートウォッチは、日々の活動量や睡眠状態などを24時間測定してくれる優れもの。2020年に厚生労働省がアップルウォッチの心電図アプリを医療機器認定した事から、近年スマートウォッチ外来を開設する医療機関が増えているそうです。(※医療機器として認証されているのはアップルウォッチの心電図アプリのみです。※アップルウォッチの中には心電図を記録できない機種もあります)病院によって受診方法は異なりますが、先生の病院ではスマートウォッチで心拍の異常を検知したら、外来に心電図を送信。専門医がデータを見て診察してくれるそうです。

脈が速い不整脈「頻脈」

<頻脈とは?>
頻脈とは、心拍が1分間で100回を超えている状態だそうです。

<頻脈の主な原因>
頻脈の原因の1つは、喫煙や飲酒、高血圧・2型糖尿病などの生活習慣病だそうです。そのため、過食や運動不足などによる生活習慣病をできるだけ予防する事が大切なのだとか。また、自分の脈を知る事も必要だそうです。

<頻脈の1つ「上室性頻拍」>
上室性頻拍は、頻脈の一種で洞結節以外の場所から電気信号が何度も発生し、心房が速く動く病気。動悸やふらつき、めまいが伴う場合は血圧低下が起こっている可能性があるのだとか。脈がさらに速くなると、失神を起こす可能性もあるそうです。

<自律神経の乱れが頻脈につながる事も>
体内では、常に二つの自律神経が働いています。それが、興奮や緊張した時に優位になる「交感神経」と、安静時やリラックスしている時に優位になる「副交感神経」。交感神経が優位だと心拍数が上がり、副交感神経が優位なら心拍数は下がります。ところが、ストレスなどによって自律神経が乱れると、副交感神経が働かず頻拍が起こる事があるのだとか。自律神経の乱れは誰にでも起こる可能性があるので、日頃から過度なストレスを溜めないように心がける事も大切だそうです。

脈が遅い不整脈「徐脈」

<徐脈とは?>
徐脈は、1分間の心拍数が50回未満になる不整脈で心臓を動かす電気信号が発生しにくくなっている状態だそうです。心拍数が下がるため、血流が悪化。すると、身体が酸素不足に陥るため、めまいや息切れを起こす事があるそうです。

<徐脈の主な原因>
先生によると、徐脈の主な原因は加齢。人は歳を取ると共に代謝や筋肉量が減少します。すると、心臓を動かすための筋肉「心筋」も衰えるため、脈拍が遅くなるそうです。

<命に関わる病気につながる恐れも>
加齢により劣化した心臓に、生活習慣病などが原因で起こる動脈硬化が加わると、身体全体の血液循環が悪くなり、心臓の機能が低下。「心不全」につながる事があるそうです。心不全は、年間約10万人が命を落とす危険な病態。頻繁にめまいや息切れを起こす場合は、心臓内科などで診察を受けましょう。

相談件数が最も多い不整脈「期外収縮」

<誰にでも起こりうる「期外収縮」>
先生によると、一番相談件数が多いのが「期外収縮」。期外収縮とは、電気信号が正常な場所以外の所から発生する事で脈のリズムが乱れる状態だそうです。

<期外収縮の主な原因>
期外収縮は、ストレスや睡眠不足、アルコールなどで引き起こされるそうです。そのため、誰にでも起こるのだとか。ただし、頻繁に出る場合や心臓の余病がある場合は専門医に診てもらうと良いそうです。

最も恐ろしい不整脈「心房細動」

<心房細動とは?>
心房細動とは、心房が細かく震える不整脈。電気信号の乱れにより、心房が1分間に約400回程度も痙攣し、動悸などの症状が出るそうです。

<心房細動の主な原因>
心房細動は、左心房にある4つの肺静脈が何らかの原因で余分な電気を発してしまう事で起こるそうです。先生によると、一番の原因は加齢現象。実際日本の高齢化と共に、患者数が増え続けると予測されているそうです。

<放置すると脳梗塞につながる恐れも>
心房細動を起こすと、心房が痙攣する事で血液がよどんで血栓ができやすくなるそうです。その血栓が一番送られやすいのが脳の血管。そのため、脳梗塞を引き起こす恐れがあるのだとか。しかも、血液がよどむ事でできる血栓は大きなものが多く、脳梗塞のなかでも重篤な症状が出てしまう可能性があるといいます。そうなると、例え治療が上手くいっても、麻痺や言語障害などの重い後遺症が出る事もあるそうです。

<睡眠時無呼吸症候群も原因の1つ!?>
心房細動は、加齢の他に食生活の乱れなどが原因とされているそうですが、今新たに注目されているのが「睡眠時無呼吸症候群」。睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に何度も
呼吸が止まり、身体が低酸素状態になる病気。心臓に送られる酸素も少なくなり、機能が徐々に低下。心房細動になるリスクが上がってしまうと言われているそうです。

<心房細動の患者さんを救う先生考案の治療法>
先生によると、心房細動の治療の際、開胸手術の場合は約2〜3時間かかるそうですが、先生が考案した術式「ウルフ-オオツカ法」では約1時間程度。従来の胸を開いて行う術式とは違い、脇の下辺りに1円玉サイズの穴を4つ開け内視鏡で治療を行うそうです。この治療の目的は2つ。1つは心房細動を引き起こす肺静脈からの電気を遮断し、心房の痙攣を止める事。もう1つは、脳梗塞の原因となる血栓が作られやすい左心耳という部位の切除。心臓を止めずに行うため、患者さんへの負担が激減し術後の回復も早いのだとか。また、スマートウォッチで経過観察を行う事で術後も適切な指導ができるそうです。

(2024年6月16日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)