“「想像通りの味」ではなく、見た目の味を裏切るのが大事”「CHEF-1グランプリ2024」2回戦・福岡会場 審査員インタビュー

公開: 更新: ABCマガジン

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料理人No.1決定戦「ザ・プレミアム・モルツpresents CHEF-1グランプリ2024」2回戦が始まった。札幌、東京、大阪、広島、福岡の全国5会場で開かれる2回戦最初の戦いの舞台は、福岡の中村調理製菓専門学校。書類審査の1回戦を勝ち抜いた103名のシェフの中から福岡会場には15名のシェフが参加。

「ハンバーガー・サンドイッチに革命を起こせ」という課題に対してシェフたちはどのような答えを出したのか?
福岡会場審査員の、中村調理製菓専門学校の杉江洋先生、フランス・リヨンにAu 14 Fevrier Saint-Amour-Bellevueを開業し、2023年の「ミシュラン・ガイド」フランス版で6年連続2つ星を獲得した OneFive Hotels Corporate Executive Chef 濱野雅文さん、そして雑誌「ソワニエプラス」でグルメ記事を手掛け、取材などで一万件以上のお店を訪問するラジオパーソナリティ「謎のアジア人」としても活躍する吉本雅充さんに話を聞いた。

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◆審査を終えて感想は?

濱野:飛び抜けて美味しいものとそうでないものの差がはっきりしていた。テーマが「革命を起こせ」ということでみんな「冒険しよう」という気持ちがあり、それが少し違う方向へ向かわせたケースがあるのかもしれない。「革命」という言葉は考えさせられるところがあり、何をもって革命なのか?は難しいところ。今までにないものを考えた人も多かった。(アイデアが)ヒットした人とそうでない人がいる。

吉本:お題をどう受け取ったかによって、出来上がりの作品は人それぞれになったと思う。また、沖縄勢の台頭を感じた。ヤギを食材にしたシェフが多かった。通常扱いにくい食材だがあえてそれをチョイスして挑戦する気持ちを強く感じた。各ジャンルの持ち味を生かしていたと思う。お題「ハンバーガー・サンドイッチに革命を起こせ」は作る側にとっては結構難しかったかもしれない。

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濱野:「革命」という言葉が若手にとっては難しかったかもしれない。経験を積んだ人は引き出しも多く柔軟な対応ができたのではないか

吉本:変わったものを作るのが革命なのか、食材を変わったものにして、「えっ?これがハンバーガー?サンドイッチ?」という食材にするのも革命。他人によって受け止め方が様々だった。

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杉江:お題の料理が「ハンバーガー・サンドイッチ」なので、食べやすいのか、食べにくいのかという点では大きく差が出た。食べる側からすると、どうしても食べやすく作られている方が印象は良くなる。地域性がすごく出た。沖縄をはじめ九州独特の食材が使われた印象。

濱野:審査する前は、あまり差が出ないのではないかと思っていたが、ふたを開けたら意外と差が出ていたので面白かった。
 

◆一番印象に残っている料理は?

吉本:季節感のある食材を使用している人がいてよかった。

濱野:シンプルにするだけでなく、メインは何なのかを明確にするのが大事。それを殺さず活かすような周りの具材が添えられているのが必要。何がメインか分からなくなるほど要素を詰め込み過ぎると良くない。

吉本:トロピカルな一品を作った人もいて印象的だった。

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濱野:グラスで出してきたものもあった。ある意味バンズで挟まずグラスで出すというのは「革命」だと思う。

吉本:僕はもっと飛び抜けて欲しかった。いわゆるイノベーティブな感じを強くしたらよかったのではないか。

濱野:使っている食材の種類が今回の会場では一番少なかったのも印象的。あえてシンプルさで勝負しているのが僕にとっては「革命的」だった。

吉本:ほかの人は誰もそんなことをしてない。作っている本人も審査段階でそれを言われると分かっているはずなので印象的ではある。

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「CHEF-1グランプリ」という大会についてどう感じていますか?

濱野:料理人としてではなく、一視聴者としての感想だが、フランスにいるときTVerで番組を観た。ガチンコ勝負なのがいい。フランスで見たのは第1回の大会だったが、1回の戦いで一人ずつ脱落していく方式が観ていてドキドキして楽しかった。今回はジャンル別の戦いなので第1回とは異なる楽しみ方かなと思う。

吉本:この大会でシェフが育っているのを感じる。3回目、4回目の挑戦となる人を見ると色々そのステージを勝ち抜くための対策を考えていると思った。

濱野:他の料理大会よりもガチンコ度合いが強いと思う。審査員へのアピール力など、人間性を重視する大会もあるが「CHEF-1グランプリ」は勝つと賞金が出るのはコンペティションとしては分かりやすく魅力を感じるシェフは多いと思う。
 

◆今後勝ち進むため、シェフへのアドバイスをお願いします

杉江:自分の(お題の)解釈をいかに分かりやすく食べる人へ伝えるか。それに対する反応が大きいほど成功する。シェフの人物キャラクターは視聴者にとっては重要な要素ではないかと感じる。自分の料理のコンセプトがきちんとあってキャラが伝わると良いと思う。

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濱野:自分がコースを組み立てるときに一番大事なことは何ですか?と聞かれて必ず答えるのは「見た目」と答えている。なぜなら“美味しいこと”と“いい食材を使うこと”は当たり前で、みんな使っているから。その要素が含まれている中で何が重要かとなると、それは「見た目」。

人間は「見た目」で味を想像してしまう。それを裏切った方が勝ち。食べる側の驚きになると良いので、それを心がけて欲しい。

例えば、アミューズでスプーンに盛り付けて出すものがあったとする「タルタルがのっています」というと、食べる人は「タルタル」の味を想像すると思う。食べた時に違ったら、多くの人はびっくりする。なので、スプーンの裏側にジャムを塗る。そうすると、舌に一番最初にジャムがあたる。自分が意識していない味がすると混乱してドキドキする。そういったように、見えないところに味を仕込んで、見た目とは異なる味わいを与えることが大事。想像通りの味は「想像通りですね」という評価になってしまう。

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吉本:僕はしゃべり手なので、プレゼン力が大事だと感じる。有名なシェフはしゃべりもうまい。最初の一言で相当料理の印象は変わる。フレンチでも寿司でも美味しいお店のシェフは全員話がうまい。その練習をすることも一つの方法。食べる側はあまり食のことは知らないことが多いので、あまりしゃべれなくても少し一言添えるだけでも変わってくる。

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