村田(西山潤)と友香(田中美麗)の二人で完結していたフリフレ関係に、“世間の目”という社会との間にある溝が生じ始める…⁉>『こういうのがいい』第6話

公開: 更新: ABCマガジン

Ⓒ双龍/集英社・ABC

エピソード『ストレス来ちゃった』は友香の部屋で、2人が目覚めるシーンからスタートする。ユーモラスでゆるいサウンドエフェクトや劇伴が、朝から始まる2人の合体シーンをいつもながらにポップに彩る。買い置きのカップ麺を一緒に食べて、「いやぁ、楽しいなぁ、久々のバイト休み&寝起きで一発&ダラダラとカップ麺を食してるこの感じ」としみじみする友香に、村田も「ストレスフリーで最高」と同調する。この日が平日というのもまた、幸せポイントを加点する。多くの人が働いているので、非生産的な時間の過ごし方をすればするほど、妙な優越感を感じられるからだ。

しかし、ストレスは突然やってくる。村田が緊急案件で会社に呼び出されてしまうのだ。ストレスフリーからストレスフルへの急転直下。しかも、着てきた服を友香が寝ぼけて洗ってしまい、乾くまであと2時間もかかるというピンチに見舞われる。そこでまったくイライラすることなく、なんなら友香が服を借してくれたことに感謝する村田の、相変わらずの人格者ぶりには脱帽だ。

続くエピソード『姉は大体知っている?』は、会社にいる村田と、部屋にいる友香のシーンが並行して描かれる。午後5時過ぎにオフィスに現れた村田の装いを見て、退社しようとしていた江口徳子(冨手麻妙)はある違和感を覚える。彼女の視線がズームインしたのは、白いカーディガンの裾に入っている、特徴的な小さな柄だった。

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その頃、友香はVRを装着し体全体でAVを体感し大興奮しながら、部屋の中を「うおおおおお」と動き回っていた。「めっちゃ巨乳〜! 揉みてえ〜!」と両手を伸ばすとリアルな感触があり、驚く友香。VRを外すと、そこには徳子が立っていた。友香の「おねったん~」というリアクションにより、視聴者は2人が姉妹だったことを正式に知らされる。

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仲良し姉妹の2人はなんでも話せる仲なのに、友香は村田の存在を徳子に伝えることができなかった。しかし徳子は、洗濯機の上に置いてある男性の服を見て、何かに気づき、そして思い出す。村田が着ていた白いカーディガンを、友香が買ったときのことを。

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一方、会社で緊急案件を片付けた村田は力尽き、ラウンジのソファで爆睡していた。他に誰もいないオフィスで、村田に片思い中の上司・今下伊好(岸明日香)が思わず欲情してしまう。ブラウスをはだけ、胸元を顕わにし、眠っている村田に濃厚な口づけをする。西部劇の決闘シーンの音楽にフラメンコの音楽をミックスしたようなBGMで伊好の情熱と大人の色気を表現するが、これは伊好の妄想だった。

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「うわああああ!」と我に返った伊好の、「なに考えてんだ……私」という独り言の速さと声の低さによって、普段のトロ〜ンとした姫のような喋り方がナチュラルではないことが明らかになる。これは、実写だからできる人間味の肉付けだ。そして、やはり白カーデへの違和感を感じていた伊好は、その「香り」で女の「匂い」に気づいてしまう。「主に、女子が使う柔軟剤〜」と嘆く伊好の背景には、柔軟剤のCMのような花が舞っているが、しおれそうな心中は想像に難くない。

第6話では、探偵のように嗅覚が鋭い徳子と伊好の視点を際立たせることで、友香と村田との間だけで完結していたフリフレ関係と、社会との間にある溝を匂わせる。徳子と村田のニアミスに動揺する自分に、戸惑う友香。「世間の目より自分の目(が大事)なんだろうけど、説明しづらいよなあ〜」という彼女の独り言に、趣味嗜好は別として、共感する人も多いのではなかろうか。

<文・須永貴子>

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