明豊(大分)、亡き友と戦う夏続かず涙…北海(南北海道)に延長10回逆転サヨナラ負け

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亡きチームメイト・吉川孝成選手の思いを背負って夢舞台に立つ大分・明豊ナイン。譲り受けたバッティンググローブ、帽子のツバに書いた「孝成と共に」、吉川選手の写真……全てが明豊に力を与えてくれた。高校野球のドキュメンタリー番組『熱闘甲子園』を無料配信中

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「夏の甲子園」こと第105回全国高等学校野球選手権記念大会5日目となる8月10日。第2試合は、大分代表の明豊高等学校(以下「明豊」)が南北海道代表の北海高等学校(以下「北海」)に延長10回タイブレークの末、8対9で逆転サヨナラ負けに。亡きチームメイトの思いを背負って夢舞台に挑んだ明豊ナインだったが、勝利にあと一歩届かなかった。

明豊には負けられない理由があった。それは、亡きチームメイト・吉川孝成選手の思いを背負っていたからだ。2022年8月の練習試合中に不慮の事故で意識不明になった吉川選手。チームメイトたちは毎日欠かさずメッセージ動画を届けたが、吉川選手は同年11月に17歳という若さでこの世を去った。

「孝成も一緒にグラウンドで戦っていると思うし、どんな試合でも勝てると思っている」と語る主将の西村選手。譲り受けた吉川選手のバッティンググローブを身に着けた西村選手は、5回表1アウト1・2塁のチャンスで右中間を抜けるヒットを放ち、3対2で逆転に成功した。

さらに7回表1アウト1・2塁のチャンスを作ると、明豊ナインは次々とヒットを放ち、北海に一時は4点差をつける。これには、アルプススタンドで応援する吉川選手の弟たちも大喜び。彼らが持ってきた写真に写る吉川選手も嬉しそうに見える。

戦いの主導権を握った明豊だが、夏の甲子園最多40回の出場を誇る北海も粘りを見せた。9回裏2アウトかつランナーなしの状態から執念で7対7の同点に追いついたのだ。2アウト満塁のピンチとなった明豊に、天国で見守る吉川選手が力を貸してくれたのだろうか……。明豊はこの回をなんとかしのぎ、試合は延長戦に突入した。

しかし、同点のまま迎えた延長10回タイブレークの末に8対9で勝利したのは北海だった。涙を流す明豊ナインだったが、最後まであきらめずに戦い抜いた彼らを天国の吉川選手は称えているだろう。

「『孝成を甲子園に連れていく』ということを目標に毎日練習を積み重ねてきたので、孝成がいたからこそ良い試合ができた。彼に感謝したい」という西村選手の声も、明豊ナインの「孝成、ありがとう!」という声もきっと吉川選手に届いているはずだ。

亡き友の思いを背負った明豊の奮闘が紹介された高校野球のドキュメンタリー番組『熱闘甲子園』8月10日放送回は、動画配信サービスTVerで無料配信中。東海大学付属熊本星翔高等学校(熊本)と浜松開誠館高等学校(静岡)、創成館高等学校(長崎)と星稜高等学校(石川)の試合も感動的だ。