白石麻衣『乃木坂シネマズ』の最後を締めくくる熱演に絶賛の声「無表情の下に複雑な感情を隠した演技」

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何か事情を抱えたワケありの女性を演じた白石麻衣
何か事情を抱えたワケありの女性を演じた白石麻衣

乃木坂46が、気鋭のクリエイターとコラボするFODオリジナルドラマ『乃木坂シネマズ〜STORY of 46〜』が現在配信中。本作は人気メンバーがそれぞれ1話ずつ主演を務めるオムニバス形式で、最終話となる#10「街の子ら」では、白石麻衣がワケありの女性を演じた。

#1の齋藤飛鳥から#9の久保史緒里まで、乃木坂46のメンバーたちによって紡がれてきたシリーズもいよいよラスト。最終話の監督は、米津玄師あいみょんなどのミュージックビデオを手掛けた山田智和が担当。今、最も注目を集める映像作家が、乃木坂46からの卒業を発表している白石を主演に据えて、少し不思議な一夜の物語を描き出した。

主要な登場人物は、白石演じる由梨とタクシーの女性ドライバー(渡辺真起子)と少女(庄司英)のわずか3人。体調の悪い由梨は、病院からの帰りに乗ったタクシーで女性ドライバーから声をかけられる。助手席にはなぜか少女が座っており、女性ドライバーは「預かってくれるところなくて、連れて仕事しているんです」と説明。さらに、会社に嫌な上司がいることや、子供を乗せているのがバレるとクビになることなど、矢継ぎ早にしゃべり続ける。

うんざりする由梨をよそに、女性ドライバーは「お客さんに折り入って相談があるんですけど……」と切り出し、上司に呼び出されたので、会社に戻っている数時間の間だけ、子供を預かってほしいと懇願。「本当無理だって」と断ろうとする由梨だったが、女性ドライバーから「困っているんです、頼る人いないんです」と無理やり子供を押し付けてられてしまう。

仕方なく、由梨は少女と近くの水族館で時間をつぶすことに。女性ドライバーの身勝手な行動に怒りを覚える由梨だったが、いっさい口を開かない少女に対しては、「しゃべんなくていいよ。私も嫌いだったし、しゃべるの」と昔の自分の姿を重ねていく。

ようやく戻って来た女性ドライバーに由梨は「迎え遅すぎっすよね」と文句をつけ、それまでの言動から、少女が女性ドライバーに懐いていないことを指摘。実は少女は女性ドライバーの子供ではなく、親に放置され、街をふらついていた“放置子”だということが明らかになる。

由梨は戸惑いながらも、自身も“放置子"だったことや、これまで誰にも依存しないで生きて来たことを告白。そして、「虐待するくらいなら、放置してくれてたほうがマシっすわ」と主張し、女性ドライバーに「だからこの子、返さなくていいんじゃないっすか」と提案する。その瞬間、少女が泣き出し、由梨はあることに気づく。女性ドライバーはそんな由梨を抱き寄せ、優しい言葉をかけるのだった。

吐き気に耐える暗い表情の由梨。会ったばかりの由梨に寄り添おうとする女性ドライバー。しゃべることのない“放置子”の少女。それぞれの関係性をはっきりと示すことなく、物語は視聴者へ解釈を委ねたまま、幕を閉じる。

独特の雰囲気を醸し出し、多くを語らないながらも示唆に富んだ内容に、インターネット上では「分かりやすいようで分かりにくい内容がめっちゃ良かった」「モヤモヤとかじゃない余韻に浸っている様な不思議な気持ちになった」「自分的にはすごく良かった。見る側の解釈の難しい作品だったけど、こういうこっちが考える作品は好きだな」など、好意的なコメントが寄せられていた。

また、「麻衣ちゃんはあーゆうやさぐれた(?)役が本当にお上手」「まいやんの演技がすごくいい。影のある演技似合うよね」「まいやんは、無表情の下に複雑な感情を隠した演技がすごく上手い人だと思っているんだけど、この作品ではそれがずっと見られる」など、白石の演技を絶賛する声も目立っていた。

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