阿蘇は生活を潤す世界一の“お役立ち”火山!?タモリがその真相に迫る『ブラタモリ』

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街歩きの達人・タモリが“ブラブラ”歩きながら知られざる街の歴史や人々の暮らしに迫る『ブラタモリ』(NHK総合、毎週土曜19:30~)。6月29日の放送は、「阿蘇~阿蘇は世界一の“お役立ち”火山!?~」と題して、タモリと林田理沙アナウンサーが熊本県・阿蘇を訪れる。

阿蘇は、火山の大噴火でできた巨大カルデラの中に5万人もの人が暮らす世界でも珍しい場所で、訪れる観光客は年間1000万人にものぼる。現在も続く活発な火山活動は火の国・熊本のシンボルだが、そんな阿蘇は実は私たちの生活に役立っているらしく、タモリがその秘密に迫っていく。

まずタモリが向かったのはカルデラの中心部、中央火口丘。すぐ近くには噴火を繰り返す中岳があり、活発な火山活動が続くエリアだ。目の前に広がる雄大な「草千里ヶ浜」は3万年前の噴火で山の上部が吹き飛ばされ、お椀上の平地になったもの。「プリニー式」と呼ばれる巨大噴火を物語る痕跡になる。

その背後には、これまた阿蘇のシンボルの一つでもある「米塚」。これはしぶき状に噴出したマグマが積み重なってできたもので、「ストロンボリ式」と呼ばれる噴火があったことを示している。噴火活動が今も続いている中岳にはライブカメラが取り付けられ、生のデータを日々蓄積。様々なタイプの噴火を知ることで噴火予測に役立てることができる。

このように、さまざまなタイプの噴火をひとつのエリアで容易に観察できるのが阿蘇火山の特徴で、世界の火山研究にとって「お役立ち」な場所だという。

また、タモリはカルデラの北東部へ。田園風景の中に同じような形をした小さな丘がいくつもあるが、これはみな「古墳」。この古墳の石室を彩った赤い顔料は「ベンガラ」と呼ばれ、酸化した鉄から作られる。実はこれも、阿蘇火山が生み出したものだそうで……。

地下を掘ると、6mの深さまで鉄分を多く含んだ土が出てくるが、これは「阿蘇黄土」というもの。カルデラの中で続く地下の火山活動の結果、マグマから供給された鉄分が地下水に溶け出し、沈殿したという。

阿蘇黄土がお役立ちなのはベンガラの原料になったというだけではなく、私たちが慣れ親しんでいるクレヨンの「黄土色」や悪臭をカットする力もあるため、東京などの下水処理工程で脱臭剤としても使用されていることが明らかになる。

ただ阿蘇黄土に覆われたカルデラ内の大地には、一方で大きな弱点が。酸性が強く、農業を営むことが難しかったという。実は阿蘇はその土壌を改良する秘密兵器を手に入れることもできたそうで、タモリは阿蘇を代表するビュースポット「大観峰」へ向かう。

また外輪山には、日本一の広さを誇る大草原が広がっているが、この草こそ土壌改良の秘密兵器。畑に入れると草の栄養分が肥沃な土壌を作り出すことに大いに役立ったという。大事な草が奪い合いになることを防ぐために作られた土塁が、500kmにもわたって続き、その眺めはまさに日本版「万里の長城」だ。

草のお役立ちポイントはそれだけではなく、枯れたススキは全国の茅葺き屋根の材料として出荷。京都や鎌倉の歴史的景観を維持するうえで、大いに役立っている。

草原が森林化しないよう毎年「野焼き」を行うことで維持されてきた大草原。近くの地層では、その歴史が縄文時代にまでさかのぼることを示す証拠が見つかっている。縄文人と同じ風景を見ていることに、タモリも感慨深げで……。

時には被害を及ぼす火山の噴火だが、実は一方でこのように生活に役立ってもいることを明らかにしていく。