『グッド・ドクター』Mr.天然の山崎賢人が奏でる、 優しさと和やかさ

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ドチャクソな暑さが連日続いておりますが、読者のみなさま、生きていますかー! 外出は人体に重大な危険を及ぼしかねないので、こんなときこそ引きこもってテレビと友達になってください。この恐夏を乗り切れます。

今回は『グッド・ドクター』(フジテレビ系、毎週木曜22:00〜)に主演する山崎賢人さんについて。もともとは国外で放送されたドラマの輸入版。ほんのちょっと前まで『トドメの接吻』(日本テレビ系、2018年)でキスしまくっていたホストが、小児外科医に変身したそうです。

■ノンフィクションであることを希求してしまうメディカルドラマ

自閉症スペクトラム障がいでサヴァン症候群という病を持つ青年、新堂湊(山崎賢人)は驚異的な記憶力を持っている。その能力を生かして医師免許を取得、小児外科医の研修医として病院へ勤務をするものの、トラブルが続く……。

初回を視聴するタイミングが1週間ほど遅れた。ただその間もSNSではこの作品に関する感想や情報が次々に流れてくる。

「#山崎賢人、ヤバイ」
え、なにがヤバいのだろうか。
「演技力、ハンパないよね」
うんうん、知っている。
「めちゃくちゃ感動した」
やっぱり、お涙ちょうだい系なんだろうか。

前情報で評判上々だっただけに、期待が高まる。
そして1、2話を見終えてその評判に納得した。

最近の医療ドラマは忖度だらけの世界で、金と名誉を中心に物語が動く『白い巨塔』(2003年・フジテレビ系)の作ってしまったブームを脈々と受け継いでいる。それも楽しいのだけれど、そろそろ違う先生が見たい。そう思っていたところへ、新堂先生の登場である。おお、新堂……「しんどう」という名字の天才救命救急医を私はもうひとり知っている。確か港北医大救命救急センターに勤務だったような。

“障がい”というワードだけで、人はうがった見方をする。ドラマでも先輩医師たちが新堂に対して「迷惑だ」「おとなしくしてくれ」と偏見しか寄せない。

確かに新堂はどんな医師よりも医療知識について造詣が深いものの、思ったことはすべて口にしてしまう。それが病状である場合もあるのだけれど、それは彼にとって“普通”だ。第1話でこんなシーンがあった。我が子の病気が治らないと嘆く母親に

「(子ども本人は)かわいそうじゃありません! かわいそうなのは病気であることです。マサキくん(子)はかわいそうな子なんかじゃありません!」

と、自分の気持ちを素直に話す新堂先生がいた。彼はただ真実を伝えているだけ。先述の“普通”の人たちには理解できないものかもしれないけれど、時として必要な治療要素だとドラマを見ながらしみじみ。

数年前に人生初の入院をしたことがある。些細な病気だったのだけれどそれでも不安で仕方なかった。そんなときに医師や看護師がどれだけ頼もしく思えたか……。彼らは患者にとっての砦なわけで、新堂先生みたいに真っすぐ自分へ向き合ってくれる医師の存在があったらいいのに、と思ってしまう。

加えてここはドラマの世界。新堂先生、やたらイケメンである❤︎ その治療効果は非常に高い。そしてSNSでも話題にあがった、演技の幅の広さがこの作品では顕著に表れている。もともと、少女漫画・実写版の帝王とも呼ばれて、ホスト、(無愛想な)シェフ、架空の探偵、調律師……と23歳とは思えないほどハイペースでさまざまな役を演じて経験を重ねてきた山崎さん。

確かに朝ドラ『まれ』(NHK総合、2015年)で父親役を演じていた危うさはゼロ。愚直な表現だけど、演技が上手い。そしてそう見える一因に彼がMr.天然ボケであることが関わっていると思うのは私だけだろうか。

嵐から「ザキヤマ」と呼ばれても嬉しそうにしているし、映画撮影中にまったく自分に関係のないシーンでもプールに落ちたこともあるそう。

普段は可愛い光線を発射しまくっている23歳。でもスイッチの入った瞬間、別人に切り替わって演技をする“ギャップ”だけで私はご飯3杯をお代わりできる自信がある。G・A・P! 恋に落ちる要素第1位に君臨するアレである。

さて『グッド・ドクター』。どの医師よりも的確に治療指示を出すので、各医療機関に1人は欲しい新堂先生。彼と指導医師・瀬戸夏美(上野樹里)との絡みも楽しい。確か上野さんも山崎さんに負けず劣らずの天然素材だという記憶がある。天才同士の共演はやはり心をくすぐるのだろうか。

自閉症スペクトラム障がいでサヴァン症候群という病を持つ青年が主人公ということで、彼のセリフ云々に対していろいろ議論が飛び交っているようだけれど、斜めに視聴しないで真っすぐに見れば、あたたかな医療ドラマであることを伝えておきたい。

そして聞きたい。新堂先生のいるこの病院は、東京都内のどこにありますか?

※山崎の「崎」は本来は「たつさき」です

(文・スナイパー小林)

■7月26日(木)放送『グッド・ドクター』第3話
新堂湊は病院のガイドラインを破ってしまった。問題となった新生児の手術は、高山誠司(藤木直人)が成功させたものの、責任の所在が問われることに。高山は全ての責任は自分にあるとして、謹慎処分を受け入れた。高山のいない小児外科は大忙し。しかし、高山を謹慎に追いやった張本人のはずの湊は、周囲の目から見ると責任を感じているようには見えない。瀬戸夏美にも負担がかかるが、彼女の目下の問題は翌週に手術を控えた石山舞(中島琴音)の説得。夏美は怖がる舞に、手術を優しく解説した絵本を描いて渡した。その時、夏美にERから連絡が入る。

病院に運び込まれたのは6歳の市川美結(竹野谷咲)。病院をたらい回しにされ、すでに発症から4時間以上が経過していて容態は重篤だった。夏美は高山に連絡するが繋がらない。謹慎中の高山は、東郷美智(中村ゆり)と久しぶりに2人で過ごしていたのだ。

美結の両親である英雄(髙橋洋)と詩織(前田亜季)は、どうか娘を助けて欲しいと処置室で湊と夏美にすがりつく。美結の様子を見た湊は、一目で緊急手術が必要だと夏美に訴え出す。間もなく美結が心停止。夏美の懸命な心臓マッサージで一命を取り留めた時、間宮啓介(戸次重幸)がやって来た。間宮はすでに美結を手遅れだと判断し、他の病院に回すよう告げる。自分が手術をすると決意する夏美。そして美結の手術が始まろうとした時、ようやく高山と連絡が取れる。高山は自分が到着するまで、美結の命をつなぐよう指示するが……。