俳優の阿部寛が27日、都内で行われた主演映画『祈りの幕が下りる時』初日舞台あいさつに出席。テレビシリーズ『新参者』から8年、いよいよ公開された完結編について「本当にさびしいです。自分の背骨のような作品になったと思います。最後にふさわしい作品になりました。感無量です」と感慨深げに語った。
東野圭吾の人気ミステリー小説を映像化した本作。突出した推理力で数々の事件を解決に導く刑事・加賀恭一郎(阿部)の活躍を描く。壇上には阿部ほか、共演者の松嶋菜々子、溝端淳平、田中麗奈、主題歌を担当したJUJU、メガホンをとった福澤克雄監督も登壇。JUJUは本作の主題歌である「東京」を生披露してイベントを盛り上げた。
阿部は、松嶋との初共演が話題になると「超綺麗ですよ。今日も綺麗。ずっと見ていたいくらい」と鼻の下を伸ばすなど、その美しさを大絶賛。「松嶋さんの演技に引き込まれて加賀の演技も作られていくという感じがしました。なぜ松嶋さんとこれまで共演がなかったんだろう、これからもご一緒したいです」とにっこり。これには松嶋も「ご一緒させてもらって奥深い方だなって。わたしもなぜこれまで共演がなかったのだろうと思いました。これからもよろしくお願いします」と恐縮の表情を浮かべた。
そして、シリーズを通して阿部とタッグを組んできた溝端は、この8年間を振り返り、「阿部さんの隣でお芝居ができるのは貴重な経験でした。正直、さみしいという気持ちが大きいです。こんな気持ちの初日は初めて」としみじみ。舞台あいさつ終盤には阿部への思いを“感謝のメッセージ“として発表。「8年前、僕はまだ20歳でした。右も左もわからない僕を阿部さんは優しく包んでくれました。8年の途中には役者として僕の中でも節目のタイミングの時があったんですけど、その時も温かい言葉で包んでくださいました」と述べ、涙を流す場面も。
「阿部さんに魅せられてたくさんのスタッフさんが集って、芝居に厳しい阿部さんと共に歩んでこられたこの8年間は僕の宝物です。これからも背中を追いかけていきたい」と続けると、阿部は「嘘泣きだろう。これで引退します」と照れ笑いのジョーク。「こんな展開になると思わなかった」と溝端の涙に驚きの表情を見せていた。
その隣で田中も目を潤ませており、「私は毎回本当に緊張。心臓の音が聞こえてくるくらいでした。セリフも命の話など大切なセリフばかり。責任というのもあって、緊張したまま最後までずっと来てしまった。もっとご一緒したいなという欲もあって、さみしいです」と、本シリーズの撮影を振り返った。