世界初の大スクープ「チンアナゴ」の産卵を撮影成功

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11月5日の『ダーウィンが来た!生きもの新伝説』(NHK総合、毎週日曜19:30~)は、「大人気!チンアナゴ○珍生活」を放送。同番組は、日本国内の身近な自然から、世界各地の未知の自然まで実に様々な物語を紹介する人気ドキュメンタリー。

今回の主人公は、全国各地の水族館で大人気の魚「チンアナゴ」。海底の砂から生えているかのような奇妙な姿でおなじみのチンアナゴ。風変わりな名前の由来は、イヌの「狆(ちん)」に姿が似ているからだという。細長い体は、とうてい魚には見えないが、れっきとしたアナゴの仲間の魚だ。水槽の底から体を伸ばし、ゆらゆらと揺れる姿は有名だが、野生での暮らしはほとんどわかっていない、謎だらけの魚なのだ。

そこで取材班は、生息地である沖縄・慶良間諸島の海で、野生のチンアナゴに長期密着取材を開始した。真っ白な砂地にチンアナゴの大きな群れを発見するが、観察を続けても、一向に砂から泳ぎ出す気配は無く、みんなでゆらゆらしているだけ。何もしていないようにも見えるが、実はこれがチンアナゴの“狩り”。潮の流れが運ぶ小さなプランクトンを食べるため、獲物を狩るのに泳ぎ回る必要が無いのだ。そして、チンアナゴは天敵が来ても泳いで逃げることはない。なんと、“一瞬で姿を消す”スゴ技を持っていたのだ。水族館の協力を得て、スゴ技のヒミツの解明に挑戦した。

さらに、泳がないチンアナゴの暮らしで最大の謎が産卵。産卵の時にどうやってペアをつくり、卵を産むのか、詳しいことは何もわかっていないのだ。今回、取材班のもとに沖縄の海を知り尽くす水中写真家・大方洋二さんから有力な情報が。

そしてついに世界初のスクープ映像をカメラが捉えた。産卵の一部始終を撮影することに成功したのだ。世界に800種ほどいるアナゴやウナギの仲間で、野生での産卵が撮影されたのは今回が初めて。取材班が記録した産卵の映像は、絶滅が心配されている日本のウナギの資源を回復させる大きなヒントになるのではと、ウナギの研究者も期待を寄せている。次々明らかになる驚きの暮らしぶり。スクープ映像満載で、人気者・チンアナゴの知られざる素顔に迫る。

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