宮沢賢治が苦悩した「理想と現実」の葛藤とは…

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MCに伊集院光武内陶子アナウンサーを迎え、古今東西の「名著」を読み解く番組『100分de名著』(Eテレ、毎週月曜22:25)で、3月は「銀河鉄道の夜」「春と修羅」などの作品で今も多くの人に愛される宮沢賢治(1896~1933)をピックアップ。代表作を絞るのも難しいほど多面的な作品群に4つのテーマから光を当て、宮沢賢治の奥深い世界に迫っていく。原田郁子(クラムボン・ボーカル)が、童話の朗読を担当、映画監督の塚本晋也が詩の朗読を担当、指南役には山下聖美(日本大学芸術学部教授)を迎える。

賢治ほど、現実と理想のギャップの中で煩悶した人間はいない。父親に反発しながらも経済的に頼らざるを得ない負い目。農民の幸せを願って創設した「羅須地人協会」が誰からも理解されずに頓挫したこと。病弱のために肥料工場の技師としての仕事を全うできなかったこと。その苦悩と、必死の願い、祈りの全てが込められた作品が「雨ニモマケズ」であり、理想と現実のせめぎあいを描いたのが「なめとこ山の熊」などの童話だった……。3月20日の第3回は「理想と現実のはざまで」と題して、作品に描かれた賢治の葛藤を克明に読み解きながら、私たちが理想と現実にどう向き合っていけばよいかを考える。

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