社長が頭下げる「ガリガリ君値上げ」幻のCMも…『マツコの知らない世界』

公開: 更新:

日常に潜む様々な“知らない世界”に精通したゲストが登場し、マツコ・デラックスにその魅力をプレゼンする番組『マツコの知らない世界』(TBS系列、毎週火曜20:57~)。11月22日は、CMプランナー・前田康二さん(46歳)が、「CMソングの世界」を案内した。

鹿児島県出身の前田さんは、幼少期にローカルCM「焼肉なべしま」(1976年)と出合い、ロースやカルビ、レバーなど肉の部位が詞に盛り込まれているCMソングにハマったとか。

その後、CMで見た都会の生活に憧れて大阪の大学に入り、自らおバカなCMを作りたくて広告代理店「博報堂」に就職。CMプランナーとして、最近では草なぎ剛が出演している「1本満足バー」(2010年~)などを手掛けている。

■時代を彩った名作CMソング
【CMのために作られた書き下ろしソング】
・新興産業「パッ!とさいでりあ」(1993年)
CMソング界の巨星・小林亜星が手掛けた名曲。CMに出てくる登場人物すべてを小林が熱演している。その他、小林の代表作は以下の通り。

・レナウン「ワンサカ娘'64」(1964年)
・積水ハウス「積水ハウスの歌」(1970年)
・日立製作所「日立の樹(この木なんの木)」(1973年)
・ファミリーマート「ファミリーマート」(1995年)

小林には“1日3曲のペースで作曲”や“夢の中で作曲”などの伝説があるという。どの曲も長年親しまれているため、前田は「亜星さんのメロディラインは耐久性がある」と評価。

【口ずさみたくなる商品連呼型ソング】
・湖池屋「スコーン」(1988年)
80年代後半はバブルの影響から海外ロケで外国人を起用するCMが多く作られた中、伝説のCMプランナーである佐藤雅彦が手掛けた商品連呼型の先駆け的作品。佐藤の代表作は以下の通り。

・湖池屋「ポリンキー」(1990年)
・NEC「バザールでござーる」(1991年)
・湖池屋「ドンタコス」(1994年)

佐藤は、CM界を引退後、ミリオンセラーを記録した「だんご3兄弟」をプロデュース。その後、大学教授となり大人も楽しめる幼児向け番組「ピタゴラスイッチ」(NHK Eテレ)を監修。

ちなみに“連呼型”の進化系としては、グリコ「プリッツ」(2004年)がオススメ。当時トップアイドルとして活躍していた“あやや”こと松浦亜弥が、力士と一緒に突っ張りをしながら同じフレーズを連呼するCMは話題を呼んだ。ラッキィ池田が振り付けを担当している。

【インパクト勝負! 関西おもしろフレーズソング】
関西のCMは東京よりも低予算で作らないといけないため、アイデアが命!

・ピップフジモト(現:ピップ(株))「ダダン」(1991年)
「ダダ~ン! ボヨヨン、ボヨヨン」という意味不明のフレーズが大流行。CMに出演していた女子レスラーのレジー・ベネットも一躍人気者に。

■変わり種CMソング
・赤城乳業「ガリガリ君 値上げ篇」(2016年)
1991年以来、25年ぶりとなる10円値上げに踏み切った4月1日と翌2日のみ放送した幻のCM。フォークシンガー・高田渡の「値上げ」(1971年)が流れる中、会長、社長、相談役、社員らが深々と頭を下げる様子が絶大なインパクトを残した。

・タケモトピアノ「タケモトピアノ」(2000年)
約20年間変わらないCM。再撮も行われていない。名優・財津一郎が出演。このCMが流れると赤ちゃんが泣き止むと話題になったことも。

■3000曲以上を歌ったCMソングの女王がスタジオに登場!
3000曲以上の「サウンドロゴ」を歌ったCMソングの女王・松木美音(みね)さんが登場。以下の作品を披露した。

・えひめ飲料「ポンジュース」(1989年)
・富士フイルム「お正月を写そうフジカラー」(1987年)
・株式会社久月「人形の久月」(1970年代)

最後に、前田さんが、この番組のチャプター画面で流して欲しいと、「マツコの目覚め」「2丁目の世界」「Baby World」の3曲をプレゼンした。


この日は他に、コインランドリーのおかげで人生が大きく変わったという藤原健一さんが「東京コインランドリーの世界」について熱く語った。