女優の米倉涼子が、フジテレビ系で4月8日(金)21時から放送されるスペシャルドラマ『松本清張スペシャル かげろう絵図』に出演。このほど取材に応じ、13年ぶりの出演となった“時代劇”の魅力を語った。
本作は江戸時代後期、世間を騒がせた一大ゴシップ“感応寺事件”をもとにした歴史サスペンス。希代の好色将軍だった大御所・徳川家斉の晩年、お世継ぎを巡る抗争、策略に満ちたドロドロの醜聞絵巻が描かれる。
米倉は、殺された父の敵である現政権の悪事と裏事情を探るため、スパイとなって大奥に奥女中として入り込むヒロイン・縫(ぬい)を演じる。従兄弟の島田新之助役に山本耕史、後見人である脇坂安薫役に竹中直人、家斉役に津川雅彦といった豪華キャストが顔を揃え、松本清張が描いた時代劇を彩っていく。
――台本を読んで魅力を感じたところはどこですか?
好きな人のために尽くすということや、そのためには命を削ってでもやりきるという物語が素敵でした。私がこれまでにやらせていただいた松本清張作品は入り口が暗くて、「闇の先に光が見えないのではないか?」と思うことが多かったです。今回も物語は悲劇から始まっていきますが、とても華やかな時代劇になっていて、“一家を守る”という、昔の日本にはあって、現代の日本では薄れてきた考え方が描かれていると感じました。
――京都で撮影はいかがでしたか?
着物の作法など、時代劇に関することをあまり知らないままに飛び込みました。プロの皆さんに殺陣や所作、話し方などを教えていただき、すべて身を任せるような状態で幼稚園生みたいでした(笑) 時代背景が違うので、寝屋に入るときに多くの人が見張っていたり、着物を捌くときの所作の意味がわかったり、本当にちょっとしたことが新鮮で、「なるほど!」と思うことが本当にたくさんありました。
――米倉さんが前回出演した時代劇は大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』(NHK、2003年)でしたね。
あのときは田舎娘の役で、打ち掛けを着ることはなかったですし、着物を着てはいますが、袖をまくっているような状態で、大奥とはかなり違う環境の役でした。今回は大奥ならではの所作や剣術などを覚えたのですが、居合いの稽古は楽しかったです。ただ、抜刀して鞘に収めるのがとても難しくて、怖がって剣先を確認しながらだと格好悪いので苦労しました。当時の人たちは真剣を扱っていたわけですから、鞘に収めるときに手を切ってしまう人が多かったのではないでしょうか(笑)
――様々な時代劇がありますが、大奥の世界観に憧れはありましたか?
正直に言うと、今まで時代劇にあまり興味がありませんでした。着物は重いだろうし、休憩中も脱げないだろうし、京都の人たちも怖そうだなって……。今回、松本清張作品ということで飛び込んでみて、色々なことが新しくて、日本人である限り時代劇は大事なものだなと思うようになりました。知れば知るほど早く戻りたいと思える素敵な場所で、持道具さんが持ってきてくれる道具とかにも興味が湧いてきますし、これまで私が知らなかった時代劇の世界はこんなにも大きなところだったということに気付かされ、まだまだ面白いことはたくさんあるんだと感じています。また、チャンスがあれば挑戦したいです。