『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』中谷美紀“桔梗”らが生中継のため一致団結!私たちはまだテレビのチカラを信じることができるのか?

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『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』中谷美紀“桔梗”らが生中継のため一致団結!私たちはまだテレビのチカラを信じることができるのか?

時は12月24日20時、取引の時間がついに訪れた。12月11日放送の『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系、毎週月曜21:00~)第10話は、クリスマスイブの17時50分から20時6分までの物語。勝呂寺誠司(二宮和也)は取引の現場に到着し、立葵時生(大沢たかお)は「葵亭」を開店させ、倉内桔梗(中谷美紀)は中継の準備を進めていた。

誠司と蜜谷の思惑はどう着地する?

笛花ミズキ(中川大志)の父親で、アネモネ初代ボスの紫陽(遠藤憲一)の迫力といったらない。こんなにも漆黒のロングコートが似合う人っている? ワルの権化たる貫禄は佇まいだけで十二分に伝わってくる。二宮和也との共演は25年ぶりで、その作品は『天城越え』(ニノ本人が一番つらかった仕事だと語っている、俳優デビュー作)だった。14歳で演技を始め、今はアイドルとしてだけでなく立派な俳優として独り立ちしているニノ。成長を思えばこそ、この共演は感慨深い。

記憶を取り戻した誠司は紫陽の元へ。誠司が警察内部の人間だと知った紫陽は「ミズキは騙せてもこの俺は騙せねぇぞ」と今夜の取引の中止を迫っていたが、ここで気になる会話があった。

誠司「ひ弱なボンボンのケツ拭いてやるっつってんだよ」。
紫陽「俺に何をさせたいんだ」。
誠司「俺はただ……」。

誠司はミズキのために何らかの提案を紫陽に持ちかけている。取引は決行されることになったことを思うと、紫陽は取引の許可を出したことになる。きっとお互いにとって利益となる、何か別の目的があるのだろう。

蜜谷満作(江口洋介)は今夜の取引場所を、アネモネと通じる警察内部の人間として一番怪しい一課長・一ノ瀬猛(遠山俊也)にあえて伝えていたが、これは内通者と知りながら相手を泳がすためだろう。

一方でミズキも、蜜谷がもう情報を得ていることは知っている。取引現場をさらに変更し、誠司を拘束して現場へと向かう。ミズキもボスとして、裏切り者である誠司を許すわけにはいかないようだ。しかし、こんな状態になっても冷静な誠司。きっと何か考えがあるはずで、されるがままにしている。

時間になり、取引はスムーズに終了。と思ったら、メキシコの犯罪組織の目の前で誠司に銃を向けるミズキ。先方が誠司を気に入っていることを思うとこの場で殺すなんてありえない。ミズキの行動にも何か裏があるのではないだろうか。

桔梗、テレビのチカラを見せつけてくれ!

一方、大型音楽番組の生放送に取引現場を生中継するコーナーをねじ込むことを計画した<地方テレビ局編>の報道局員たち。それぞれがクビ覚悟で報道のために“暗躍”していた。桔梗は社長・筒井賢人(丸山智己)に対して「真実を伝えたい、届けたいという報道マンの熱い思いがあるからこそ、世界中のさまざまなニュースを私たちは目にすることができるのだと思います」と伝えていた。これには現在のガザ情勢報道などを思わずにはいられない。正直、日本のテレビではそこまでしっかり報道されていないように思う。娯楽も大切だけど、大切なニュースを広く一般家庭に届けることがテレビの大きな使命。そう信じたいから、テレビは意義のある報道をもっとしてほしい。

桔梗は狩宮カレン(松本若菜)と共闘し、アネモネと通じる警察上層部の人間をあぶり出すことに。当初バチバチだったら二人が協力関係になるなんて。二人は捜査の結果、アネモネと通じているのは一ノ瀬だと確信する。これはとてつもないスクープであり、事件。警察にとっては不祥事だけど、どう処理するのだろう。

立葵査子(福本莉子)を始めとした局内のメンバーは、決死の覚悟で放送をジャック。緊急ニュースを差し込むことに成功する。なかでも社長と報道制作局長の折口康司(小手伸也)の対峙シーンは痺れた。それぞれが自分の責任と覚悟を抱えてせめぎ合っている。セグメント別売上高は年々減少、特にメディアコンテンツ事業の下降が著しい横浜テレビを背負う社長と、報道マンとしての矜持を掲げる折口。この二人だって本当は共闘できるはず。どうかテレビ局にとってこの報道の判断がいい方向に転びますように。

途中で偶然差し込まれた、真礼(佐藤浩市)が愛犬フランちゃん捜索を呼びかけるVTRは数秒の放送にもかかわらず、その後目撃の連絡が後を絶たなかった。これはテレビのチカラを見せつけたということになる。テレビ離れが叫ばれる昨今だけど、テレビによって動かされることだってまだまだあるのだ。この一連の事件の解決、そして人々の知る権利に応えるために、どうかテレビのチカラがうまく発揮されますように。

そして、「葵亭」も無事オープン。ただ、メインディッシュの調理にはまだ時間がかかっていた。蛇の目菊蔵(栗原英雄)と竹本梅雨美(桜井ユキ)がなんとか時間を稼ごうとしてゲストたちに披露したのが、今まで時生の十八番だった長いうんちく。まさかここで役に立つとは。

おかげでなんとか準備はできたよう。続きは最終話ということになるが、はたしてどんな料理を出してくれるのだろうか。そして、記憶を取り戻した勝呂寺誠司こと天樹勇太は、クリスマスのこの日に梅雨美のもとに駆けつけてくれるのだろうか。もう幸福なラストしか期待していない。クリスマスの奇跡を、次回みんなで目撃しよう。

(文:綿貫大介)

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