こんなラストでは1週間が長すぎる! 8月2日放送の『みなと商事コインランドリー2』(テレビ東京系、毎週水曜24:30~)第5話は、湊晃(草川拓弥/超特急)と、シンこと香月慎太郎(西垣匠)が大ゲンカ。ときにケンカも恋愛においては必要なイベントだけど、どうやらちょっと尾を引きそうで……。
新キャラ桐原先生登場、吉と出るか凶と出るか
前回の最後で、シンが他の男性といるところを目撃した湊。そういえばシン、女性にモテている描写はあったけどすべてきっぱり断っているし、男性の影はなかった。
相手は大学生にしては年上だから、同級生の線は薄い。名探偵湊がここに誕生した。ただ、尾行調査のテクニックは身につけていないよう。あきらかにあやしい雰囲気で、周囲からバレバレ。もちろんシンにも速攻でバレてしまった。
そしてすぐに男の正体が判明。シンが中学生時代にお世話になった整形外科医の桐原智先生(武田航平)とのこと。シンの恩人であり、目標でもある医師だ。
湊が手を差し出すと、その手を引いていきなりの抱擁を食らわす桐原先生。距離感バグったタイプ? と思いきや、「先生は帰国子女」というシンの一言で、ハグ=挨拶なのだと理解。
そんな先生がなんで大学にいるのかと湊が尋ねると、シンは桐原先生の言葉を遮り、「先生も大学の授業に出ることがある」と説明。どうやら桐原先生が大学にいる本当のワケは、また別のところにありそうだ。
それにしてもここでもペースを崩さないシン。湊が大学にいるワケを「俺に会いたくて 会いたくて仕方がなかったってことですか?」とポジティブ変換するスキルはさすがすぎる。
しっかり湊の肩を抱いて「湊さんは俺の恋人なんです」と桐原先生に関係を説明するシンの顔は、勇ましく誇らしげだった。
しかし、一言の断りもなしに恋人を宣言したシンに対して湊は苦言を呈する。それも無理はない。湊はセクシュアリティを公にはオープンにしていないのだから。
男性同士で付き合っているという一方的な宣言は、ある意味では本人の許可なしにその人が秘密にしているセクシュアリティを第三者に漏らす「アウティング」にも該当する。
シンは他人からどう思われようが関係ないし、湊のことを自慢の恋人だと世界に言いふらしたくてたまらない。その気持ちは純粋でとてもかわいいものだけど、湊にはその覚悟がまだないのだ。
まるで子供のケンカ、大勃発!
シンは桐原先生が湊のタイプなのではないかと思い、あまり会わせたくなかったよう。そのあと愛情を確かめ合うかのようにお互いに好きなところを言い合う提案をするシンの嫉妬心も相変わらずだ。
シン曰く、湊の好きなところは……。
「笑顔がかわいい、泣き顔がかわいい、声がエロい、瞳がきれい、思いやりがある、面倒見がいい、隙があるのにガードが堅い、誰にでも愛想がいい、くるくる表情が変わる、躊躇なく人を助けられる、そのくせ自分は一人でがんばろうとする」。
ちょっとシン、西野カナドンピシャ世代かよ! 西野カナの「あなたの好きなところ」インスパイアで「湊さんの好きなところ」を作ってリリースしてくれ! こうなるとさっきの「会いたくて 会いたくて」発言も西野カナへのリスペクトに思えてきた。
しかしその後、言葉の掛け違いからシンと湊はケンカをしてしまう。湊はシンに信用されていないことに傷ついたようだった。
部屋の床にガムテープを貼って「ここからこっちには絶対に入ってくるなよ」という湊。「思春期通り越して小学生ですね」とシンはいうけど、たしかにちょっとこれは『ドラえもん』でしか見たことがない光景。実写でみるとかなり笑えてくる。
ただ、湊=のび太、シン=ドラえもんだと解釈すると二人の関係性がすっきりと理解できる。ドラえもんはのび太を幸せにするためにやってきて、一緒にいるのだ。それでいえば、ケンカをしても最後はちゃんと仲直りが約束されている。
胸の痛みは愛おしく思っている証拠
シンのバイト先の塾では、佐久間柊(稲葉友)が迷える子羊状態になっていた。「英明日香(奥智哉)のことを考えると、胸が苦しい」ということで、シン先生の恋愛講習がスタート。
もちろんこれは医学的な病気ではない。柊、大好きな建築の勉強もいいけど、ちょっとは必修科目として少女漫画も履修しておいてくれ。求めていた答えはそこにたくさんあるのだよ。
そしてシンに告げた悩みは、そのまま明日香に伝えてあげてほしい。その胸の痛みは、イコール相手への愛おしさだから。
一方、シンが大好きなハンバーグを準備して謝ろうとしてた湊は、またシンが桐原先生と一緒にいるところを目撃。しかも二人はハグまで。
ハグは挨拶、ハグは挨拶、ハグは挨拶……。洗脳のようにそう湊に改めて伝えてあげたいけど、自分ではない他人に相談していたことが湊にとっては嫌だったよう。
ラストの「みなと商事コインランドリー」営業時間終了の湊のアナウンスも、今までで一番暗い声だった。湊とシンの関係はどうなる?
(文:綿貫大介)